「水商売で働いているけれど、賃貸の審査に通るか不安」
「何度も申し込んでいるのに審査で落ちてしまう」
このような悩みを抱えている水商売の方は少なくありません。不動産の審査基準は物件や管理会社によってさまざまで、必ずしも職業だけで判断されるわけではありません。
ただし、収入の証明方法や安定性のアピールが難しいケースでは、審査が通りにくいと感じられることもあるようです。
一般的なビジネスパーソンとは異なる給与形態である場合もあり、どのように対策すれば良いのかわからないという方も多いでしょう。
本記事では、こうしたお悩みを抱える方に向けて、賃貸審査をスムーズに進めるための対策や、物件探しの際のコツ、審査に通らなかった場合の対応方法について解説します。ぜひ参考にしていただけたら幸いです。
目次
水商売の人が賃貸審査で不利になりやすい4つの理由

水商売で働く方が賃貸審査で不利に感じる背景には、実務的な理由と、誤解や偏見の両方が混在しています。代表的なポイントを客観的に整理すると次のとおりです。
- ・収入の安定性を証明しにくい
- ・夜間勤務による生活リズムへの懸念がある
- ・職業に関する先入観や誤解がある
収入の安定性を証明しにくい
水商売に従事されている方の収入は、基本給に加えて歩合給や指名料などの変動要素が多く、月ごとに収入額が上下しやすい傾向があります。
このような特徴から、不動産会社や保証会社によっては「一般的な会社員と比べると収入の安定性を確認しにくい」と受け止められる場合があります。
また、給与の支給方法が現金手渡しであったり、給与明細の形式が一般的な企業と異なったりする場合には、収入を裏付ける書類が揃えにくいケースもあります。
さらに、景気や店舗の営業状況によって収入が変動する可能性もあるため、貸す側としては「長期的に安定して支払いが可能か」をより慎重に確認する傾向があるのです。
夜間勤務による生活リズムへの懸念がある
水商売の仕事は深夜勤務が多いため、生活リズムが一般的な日中勤務の方とは異なる場合があります。
そのため、不動産会社や保証会社の中には「入居後の生活が周辺環境にどう影響するか」を懸念材料の一つとして見るケースもあります。
実際にトラブルが生じるかどうかとは別に、「生活スタイルが周囲と違う可能性がある」といったイメージが、審査上不利に働くことがあるのです。
職業に関する先入観や誤解がある

水商売で働く方に対して、「一般的な社会常識やマナーが欠けているのではないか」という偏見を持つ人もいます。全く根拠のない思い込みですが、審査する側がこのような先入観を持っている場合、入居後のトラブルや家賃滞納などを懸念して審査を厳しくするケースがあります。
また、契約手続きや書類提出において問題が生じるのではないかという不安から、敬遠されることもあるでしょう。
賃貸審査では、安定した収入や書類の整備状況が重要視されることがあるため、契約手続きや書類提出においては、誤りや不備がないよう丁寧に対応することが、スムーズな審査につながります。税理士は確定申告書の整備や収入の説明資料作成を通じて、申込書類を補強する支援が可能です。
水商売でも賃貸審査に通りやすくなる6つの対策

水商売など変動収入の職業であっても、賃貸契約においては収入や資産状況を適切に証明することが重要です。
賃貸審査をスムーズに進めるためには、以下のような準備が有効です。
- ・収入の継続性を示す説得力のある書類を用意する
- ・入居申込書を丁寧に分かりやすく記載する
- ・預貯金残高で支払い能力をアピールする
- ・保証人や緊急連絡先を事前に確保しておく
- ・審査が柔軟な保証会社を選ぶ
- ・不動産会社に正直に職業を伝えて相談する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
収入の継続性を示す説得力のある書類を用意する
賃貸審査や各種手続きで収入の継続性を示す際は、説得力のある書類を用意することが重要です。例えば、給与明細は直近3ヶ月分以上を用意し、できれば半年から1年分あると信頼性が高まることがあります。
また、源泉徴収票や確定申告書の控えも有効な証明書類となります。これに加えて、店舗からの在職証明書や雇用契約書があれば、勤務の実態を明確に示せます。
複数の書類を組み合わせ、より説得力のある収入証明にするのが有効です。ただし、必要な書類や提出範囲は審査主体(大家さん・管理会社・保証会社)などによって異なります。予め確認しておきましょう。
参考:国税庁|所得税の確定申告
入居申込書を丁寧に分かりやすく記載する
入居申込書は、賃貸審査における第一印象を左右する重要な書類です。記入時には、正確かつ分かりやすい情報を心がけることが大切です。
職業欄には正式な職業名や業種を記入します。「接客業」「サービス業」「飲食業」など、広く理解されやすい表現で業務内容を簡潔に示すと、審査担当者に伝わりやすくなります。
また、勤務先の店舗名も、信頼性を高めるために企業名や屋号を正式名称で記載しするのが望ましいです。年収欄には、月収の変動を考慮した上で平均的な金額を記入し、必要に応じて補足説明を添えると良いでしょう。
字の丁寧さや整った体裁も重要です。誠実で分かりやすい印象を与えることが、審査通過につながりやすくなります。
預貯金残高で支払い能力をアピールする
収入の安定性に不安がある場合でも、一定の預貯金があれば、支払い能力の一つの指標として活用できます。
銀行の残高証明書を取得し、必要に応じて提出することで、家賃の支払い能力を示す材料の一つとして活用可能です。
また、まとまった資金を用意できる場合は、初期費用を一括で支払う意思を示す方法もあります。
保証人や緊急連絡先を事前に確保しておく

信頼できる保証人を立てることは、賃貸審査の補助として有効な手段の一つです。可能であれば、収入が安定している親族等にお願いすることで、手続きがスムーズになる場合があります。
この場合、保証人には収入証明書や印鑑証明書などの書類の提出が求められることがありますので、事前に準備の相談をしておくと安心です。
保証人を立てることが難しい場合は、保証会社を利用する方法もあります。どの保証会社を利用するかは、契約条件やサービス内容を確認し、納得の上で選ぶことが大切です。
参考:法務省 | 2020年4月1日から保証に関する民法のルールが大きく変わります
審査が柔軟な保証会社を選ぶ
保証会社を利用する際は、審査基準が柔軟な会社を選ぶことがポイントです。
保証会社には信販系・協会系(LICC加盟系)・独立系など複数の種類があり、それぞれ審査の重点が異なります。
一般的に、独立系の保証会社は収入や預貯金など、書類で確認できる内容を重視する傾向があります。
物件の紹介を不動産会社に依頼する際は、「複数の保証会社と提携している物件を希望する」と伝えると、1社で審査が通らなかった場合でも別の保証会社で審査を受ける可能性が広がります。
不動産会社に正直に職業を伝えて相談する
賃貸契約では、職業について虚偽の申告をすると、後で問題が発覚した際に契約に影響が出る可能性があります。そのため、最初から正直に自身の勤務形態を伝え、その上で協力的な不動産会社を見つけるのが有効です。
特に、接客業や夜間勤務の業務に理解のある不動産会社であれば、契約に関する相談や審査に関するアドバイスを受けやすくなります。誠実に相談することで、担当者との信頼関係を築き、安心してサポートを受けることが可能です。
水商売の方におすすめの賃貸物件探し3つのコツ

効率的に理想の物件を探すには、計画的なアプローチが重要です。やみくもに申し込むのではなく、まずは自身の収支や生活スタイルに合った物件を選びましょう。
具体的には、以下の点を意識すると安心です。
- ・水商売の契約実績のある不動産会社を選ぶ
- ・独立系の保証会社が使える物件を検討する
- ・家賃は手取り月収の25~30%に抑える
水商売の契約実績のある不動産会社を選ぶ
不動産会社によって、さまざまな職業に対する賃貸契約の対応方針は異なります。水商売など、収入形態が一般的な会社員とは異なる方への契約実績がある不動産会社は、入居審査に関する情報や対応経験が豊富である場合があります。そのため、契約条件や必要書類について相談しやすい傾向があります。
インターネットで検索する際は、「水商売 賃貸」などのキーワードを活用し、口コミや評判、実際に契約実績があるかどうかを確認すると安心です。
相談する際は複数の不動産会社に問い合わせ、対応が丁寧で信頼できる会社を選ぶことが大切です。
独立系の保証会社が使える物件を検討する
保証会社の中でも、独立系の保証会社は水商売の方にも比較的柔軟に対応してくれる傾向があります。そのため、物件探しの際は、独立系保証会社が利用できる物件を検討することで、審査に通りやすくなる場合があります。
不動産会社に物件を紹介してもらう際は、「独立系保証会社が使える物件を優先的に紹介してください」と伝えることで、紹介してもらえる場合があります。ただし、保証会社によって審査基準や対応方法が異なり、独立系の保証会社だからといって必ずしも審査に有利に働くとは限りません。そういった点は理解しておきましょう。
また、大手管理会社の物件よりも、個人の大家さんが所有する物件の方が審査が柔軟な場合もあるため、選択肢を広げて検討することが大切です。
家賃は手取り月収の25~30%に抑える
家賃の設定は、審査の際に重要なポイントのひとつです。一般的には、月収の25~30%を目安に家賃を決めると無理のない支払い計画を立てやすいといわれています。
例えば、手取り月収が40万円の場合、10万円程度の家賃に設定すると、支払いに無理がない計画を立てやすくなります。このように、家賃を適切に設定することは、審査通過の可能性を高めるだけでなく、生活全体の安定にもつながります。
審査に落ちてしまった水商売の方が試したい物件探しの3つのポイント

一度審査に通らなかった場合でも、状況を整理して別の方法を検討することができます。例えば、以下のような選択肢があります。
- ・自身の条件に合った物件を改めて確認する
- ・不動産会社を変えてみる
- ・専門家に相談する
自身の条件に合った物件を改めて確認する
入居審査を通過しやすい物件を選ぶ際には、条件面での優先順位を整理することが重要です。
例えば、以下のような特徴を持つ物件は、比較的申し込みがスムーズな場合があります。
- ・築年数がやや経過している物件
- ・駅から離れた物件
- ・入居者募集が長期間続いている物件
こうした物件は、大家さんが早く入居者を見つけたいと考えていることが多いため、審査が通りやすい場合があります。また、個人所有の物件の場合は、審査において職業だけでなく、入居希望者の対応や連絡の丁寧さなども判断材料となることがあります。
条件面での妥協も必要になる場合がありますが、まずは入居審査に通過することを目標にし、物件探しを進めることも一つの方法です。
不動産会社を変えてみる
賃貸物件の申し込みで審査に通らなかった場合、条件や手続き方法を整理したうえで、別の不動産会社に相談することも選択肢のひとつです。
不動産会社によって提携する保証会社や取り扱う物件の種類が異なるため、選択肢を広げることで希望に合った物件を見つけやすくなる場合があります。
また、担当者との相性も審査結果に影響するケースがあるため、より親身になってサポートしてくれる不動産会社を見つけるのも有効です。
こうした点から、賃貸物件を探す際は複数の不動産会社に相談し、選択肢を広げると良いでしょう。
専門家に相談する
賃貸契約では、職業や収入形態によって審査の難易度が変わる場合があります。こうした状況に不安がある場合は、賃貸契約の手続きや書類の準備に詳しい専門家に相談することも一つの方法です。中には水商売の方の賃貸契約を専門にサポートしている業者やコンサルタントも存在します。
専門家に相談することで、申込書の記入方法や必要書類の整え方など、手続きをスムーズに進めるためのアドバイスを受けられる場合があります。費用がかかるケースもありますが、状況に応じて検討すると安心です。
水商売の方がアリバイ会社を使うリスクと注意点3選

賃貸物件を探している方の中には、審査に通りたい一心で、アリバイ会社の利用を考える方もいるかもしれません。しかし、賃貸物件の契約において、実際の状況と異なる申告や第三者を介した情報の提供は、以下のような法律上および契約上の問題を引き起こす可能性があります。
- ・虚偽申告が発覚すると契約解除のリスクがある
- ・トラブル時に法的保護を受けられない可能性がある
- ・信頼できる不動産会社との関係が築けない
信頼できる不動産会社や保証会社との適切な関係を築くためにも、正確な情報の提供が重要です。
ここでは、アリバイ会社を使うリスクについて詳しく説明します。
虚偽申告が発覚すると契約解除のリスクがある
アリバイ会社を利用して虚偽の職業や収入を申告することは、契約上の違反となる可能性があります。
入居後に虚偽が発覚した場合、契約解除や退去を求められることがあるほか、敷金・礼金の返還や違約金の扱いも契約内容に応じて影響を受ける場合があります
また、過去の契約違反の記録が残るケースもあり、今後の物件契約に影響する可能性もあるでしょう。仮にアリバイ会社を使って一時的に審査を通過できたとしても、長期的には大きな不利益をもたらす可能性が高いと認識し、賃貸契約では正確な情報を申告することが重要です。
正しい手続きや収入の証明について不安がある場合は、税理士や専門家に相談することで、長期的に安全かつスムーズな契約が可能になります。
トラブル時に法的保護を受けられない可能性がある
虚偽申告による契約が法的に無効とされると、入居後にトラブルが発生した際に、借主としての正当な権利を主張できない可能性があります。
例えば、設備の不具合や近隣トラブルが発生した際、契約内容に不備や虚偽があると、交渉が難しくなる場合があります。また、火災や事故時の保険適用にも影響する可能性があります。
虚偽申告は、自分自身を法的に不利な立場に置くリスクが高い行為です。アリバイ会社の契約はしないようにしましょう。
信頼できる不動産会社との関係が築けない
アリバイ会社を使うと、不動産会社や大家さんとの信頼関係も損なう可能性があります。一度でも虚偽が発覚すると、その不動産会社との今後の取引は困難になるどころか、紹介を受けられなくなることがあるでしょう。
また、不動産業界内で情報が共有され、他の不動産会社での契約にも悪影響を及ぼす可能性があります。長期的な視点で考えると、正直に状況を伝えて協力的な不動産会社を見つける方が、はるかに有益で安全な方法といえます。
水商売でも準備次第で理想の賃貸は見つかる!

水商売で働く方が賃貸物件を借りるのは、一般的な職業の方よりも難しい面があります。事前に必要書類を整え、収入や支払い能力をしっかり示すことで、賃貸物件の契約は十分可能です。
重要なのは、審査で確認されるポイントを正しく理解し、必要に応じて書類や資金計画を準備することです。税理士としても、収入証明や資産状況の整理など、契約時に有利になるアドバイスを提供できます。
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