キャバ嬢

夜職は、華やかなイメージや高収入を得られる点から、近年では若年層を中心に人気を集めていますが、その一方で、社会的信用や税務面でのリスクも伴います。

そこでこの記事では、夜職の概要や昼職との違い、夜職の種類、メリット・デメリットなどを解説します。

夜職は税務調査の対象となりやすい職種であるため、不安な点がある場合は、税理士法人松本まで気軽にご相談ください。

夜職とは?

夜職とは、主に夕方から深夜にかけて勤務する職業全般を指し、なかでも代表的な業種としてはキャバクラやクラブ、スナック、ガールズバーなどの接客業が挙げられます。

これらの業種では、来店したお客様と会話を楽しんだり、お酒を提供したり、場合によってはカラオケを一緒に楽しむこともあります。

単なる接客にとどまらず、仕事上の接待の場として利用されることも多く、一定のビジネスマナーや教養が求められる場面も少なくありません。

一見華やかに見える業界ですが、接客力・気配り・柔軟な対応力など、高いコミュニケーション能力が求められる専門的な仕事でもあります。

昼職との違い

昼職との違いは働く時間帯や給与体系、社会的信用などに違いがあります。

夜職 昼職
勤務時間 主に夕方〜深夜
(例:18:00〜翌1:00)
主に日中
(例:9:00〜18:00)
主な職種 キャバクラ、クラブ、スナック、ホストクラブ等 一般企業の会社員、接客業、医療・教育・事務等
給与体系 日払い、週払い、時給、歩合制 月給・時給など固定制が一般的
収入の特徴 高収入を得やすい反面、波がある 安定した収入だが、上限が見えやすい
求められるスキル 接客力、会話力、気配り、外見の印象 専門スキル、PCスキル、チームワークなど
社会的信用 住宅ローン・クレジット審査で不利な場合も 社会的信用が高く、審査が通りやすい(正社員の場合)
税務意識の必要性 現金収入が多く、確定申告や帳簿管理が重要 所得が給与明細で管理され、年末調整が基本

このように夜職と昼職は、性質や働き方が大きく異なるまったく対照的な職業形態といえます。

夜職の主な種類6つ

夜職にはさまざまな業種が存在します。ここでは6つの代表的な夜職を紹介します。

1. キャバクラ

キャバクラとは「キャバレークラブ」の略称で、ナイトワークのなかでもとくに知名度が高く、華やかな印象から多くの女性に人気のある職業です。

おしゃれなドレスを着て、ヘアメイクを整えたキャスト(キャバ嬢)が、お客様の隣に座り、会話やお酒の提供などを通じて接客を行います。

主な仕事内容は、おしゃべりを通じたコミュニケーションのほか、ドリンクの提供、タバコに火をつける、灰皿交換など細やかな気配りも含まれます。

ラウンジやスナックと比較すると、お客様とより密接な距離で接客を行うのが特徴です。

【キャバクラに向いている人の特徴】

・社交的でコミュニケーション能力が高い
・気配りや所作が丁寧
・会話を盛り上げるのが得意
・外見だけでなく内面の魅力を活かしたい人

2. クラブ

クラブとは「ママ」と呼ばれる女性が中心となって接客や店舗運営を行う、高級志向の夜職です。

キャバクラと似た接客スタイルもありますが、より落ち着いた雰囲気と、洗練された対応力が求められるのがクラブの特徴になります。

店舗によっては会員制・紹介制を採用している場合もあり、初めての来店客を断るケースもあるほど敷居が高い業態です。

来店するお客様は、経営者や士業、著名人など社会的地位の高い方が多く、ホステスにも高い接客スキルと教養が求められます。

【クラブに向いている人の特徴】

・容姿や所作に自信があり、上品な雰囲気を持っている
・ハイクラスなお客様に対して丁寧な接客ができる
・おしゃれを楽しみながら働きたい
・気配りや立ち振る舞いなど、細やかな気遣いができる

3. ガールズバー

ガールズバーとは、女性がバーテンダーとしてカウンター越しに接客を行うバー形式の業態です。

夜職に分類されますが、風俗営業ではなく飲食店営業の扱いとなるため、お客様の隣に座ることはなく、接客の距離感が比較的フランクな接客スタイルが特徴です。

キャバクラのような指名制度や同伴制度、ノルマなどが設けられていない店舗も多く、水商売に抵抗のある方や夜職初心者でも働きやすい業態といえます。

ガールズバーの客層は、20〜30代の比較的若い男性が中心で、「気軽に会話を楽しみたい」というニーズが強いのが特徴です。

そのため、会話を盛り上げたり、気配りができる明るい性格の女性が人気となりやすく、キャバクラやクラブよりもラフな雰囲気で働ける点もガールズバーの魅力の一つです。

【ガールズバーに向いている人の特徴】

・明るく元気で、フレンドリーな性格の人
・お客様と軽快なトークで盛り上がれる人
・立ち仕事に抵抗がない人
・夜職に興味はあるが、ソフトな環境から始めたい人

4. スナック

スナックとは、カウンター越しやテーブル越しにお客様と会話を楽しむことを中心とした、アットホームな接客業態です。

キャバクラやクラブのようにフォーマルな接客ではなく、よりフレンドリーでカジュアルな雰囲気が特徴で、気軽に働ける夜職として人気があります。

地域密着型の営業スタイルが多く、「どこの駅にも一軒はある」と言われるほど身近な存在です。

料金が比較的安価なため、地元の常連客を中心に根強い支持を集めています。

【スナックに向いている人の特徴】

・盛り上げ役が得意な人
・気配りや聞き上手な性格
・カラオケや会話が好きな人
・落ち着いた空間でお客様と距離の近い接客をしたい人

5. ホストクラブ

ホストクラブは、主に女性客を対象とした、男性ホストによる接客を中心とする夜職です。

キャバクラと同様に、お客様と会話を楽しみながらお酒を提供するのが基本的な仕事内容ですが、接客スタイルが異なります。

たとえば、ホストクラブでは、シャンパンなどの高額なドリンクが注文された際に、「コール」と呼ばれる盛り上げの掛け声やパフォーマンスを行う文化があります。

非日常的でエンターテインメント性の高い時間を演出し、お客様に特別感を提供する点がキャバクラとの大きな違いでしょう。

【ホストに向いている人の特徴】

・自信があり、見た目や身だしなみに気を配れる人
・盛り上げ上手で、人前でも物怖じしないタイプ
・トークスキルや気配りができる
・コツコツと売上目標に向かって努力できる

6. コンカフェ

コンカフェとは、「コンセプトカフェ」の略称で、お店ごとに明確な世界観やテーマを設定し、そのコンセプトに沿った接客・演出を行う業態です。

業態としては、昼間に営業する「カフェ業態」と、夜に営業する「バー業態」の2種類に分かれます。

たとえば、バー業態でも「メイドカフェ(メイド喫茶)」や「アニソンカフェ」「ナースカフェ」などが該当します。

コンカフェでは、単なるお酒の提供だけでなく、キャストがテーマに応じた衣装(コスプレ)を身にまとい、接客時にはその世界観に沿ったキャラクターを演じることが特徴です。

お客様は、非日常的な雰囲気のなかでの会話や空間そのものを楽しみに来店されます。

【コンカフェに向いている人の特徴】

・コスプレが好き、または衣装に抵抗がなく楽しめる方
・明るく社交的で、お客様との会話を楽しめるタイプ
・長時間の立ち仕事やイベントに耐えられる体力がある方
・世界観を理解し、キャラを演じることにやりがいを感じられる人

夜職のメリット・魅力

夜職のメリットや魅力を紹介します。

高収入を得やすい

夜職の最大の魅力は、短時間で高収入を得られる点です。

業態によって時給には大きな差がありますが、たとえばキャバクラであれば時給5,000円前後が一般的であり、高級クラブでは時給1万円を超えるケースも珍しくありません。

また、売上や同伴数に応じて、インセンティブ(バック)が支給されるため、月収100万円以上稼ぐことも可能な仕事です。

学歴・資格が不要でも始められる

夜職は、特別な学歴や資格がなくても始められる職種です。

そのため、年齢や経歴に関係なくチャレンジしやすく、コミュニケーション力や接客スキルを活かすことで、高収入を得ることも可能です。

また、参入障壁が比較的低いため、未経験からでも始めやすい業種といえるでしょう。

接客スキル・コミュニケーション能力が身につく

夜職では、多くのお客様と会話する機会があるため、自然と接客スキルやコミュニケーション能力が養われます。

具体的には、話題の切り替えや質問のタイミング、相手の表情や雰囲気を読み取る力、さらには言われる前に先回りして対応する気配り力などが求められます。

これらのスキルは、昼職や日常生活でも応用可能な汎用性の高い能力であり、身につけておいて損はありません。

柔軟なシフトで働ける

夜職の多くは、自由度の高いシフト制を採用しているため、自身のライフスタイルに合わせて働ける点が大きな魅力です。

たとえば、学業や昼職との両立、副業としての勤務、短時間勤務など、働き方の柔軟性に優れているため、空いた時間を有効活用して収入を得ることが可能です。

とくに、週1日や短時間の勤務でも歓迎される店舗も多く、無理のないペースで働けることから、長期的に続けやすい仕事といえるでしょう。

夜職のデメリットとリスク

給与面でも働き方面でも魅力的に感じる夜職ですが、気をつけておきたいポイントも理解しておきましょう。

ここでは4つのデメリットとリスクを紹介します。

健康的な生活習慣

夜職は主に夕方から深夜にかけての勤務となるため、生活リズムが昼夜逆転しやすく、健康維持が難しくなる傾向があります。

具体的には、17時頃から出勤準備が始まり、営業終了は深夜0時〜1時前後です。帰宅時間が遅くなることで、就寝・起床時間も自然と深夜型になります。

また、仕事中にアルコールを多く摂取する機会が多く、お客様と一緒に揚げ物や味の濃いおつまみを口にすることも少なくありません。

これらの習慣が日常化すると、内臓への負担や体重増加などの健康リスクが高まります。

そのため、夜職で働く方は、できるだけ規則正しい食事や十分な睡眠、適度な運動を取り入れるなど、生活バランスを意識することが大切です。

金銭感覚

夜職は短時間で高収入が得られるため、金銭感覚が乱れやすい職種です。

たとえば、昼職で朝から夕方まで働くよりも、夜職で数時間勤務したほうが手取り額が多いというケースは珍しくありません。

このような環境に慣れてしまうと、夜職を辞めるタイミングを見失い、ズルズルと続けてしまうことがあります。

夜職の多くは若年層が中心となっており、年齢とともに就業先が限られてくる傾向があります。

そのため、将来を見据えて、昼職との兼業により職務経歴をつなげておく、あるいは自身で店舗経営を目指すなどの選択肢を検討しておくことが重要です。

また、昼職一本で生計を立てていく場合、特別なスキルや資格がない限り、夜職時代と同等の収入を得るのは容易ではありません。

そのため、計画的な貯蓄や資産運用など、金銭感覚を整える努力も求められます。

将来的な社会保障・住宅ローン審査への影響

夜職は、一般的に社会的信用が低く見られやすい職種であることから、住宅ローンやクレジットカードの審査が通りにくい傾向にあります。

収入が高くても、雇用形態や職種によって信用評価が低くなるケースが多いため、注意が必要です。

また、夜職に従事している場合、厚生年金や健康保険といった社会保険制度に加入していないケースも多く、将来的な保障が手薄になります。

老後の生活や病気・ケガによる収入減に備えるためにも、若いうちから計画的に貯蓄や資産形成を行うことが重要です。

将来に対する備えとしては、確定拠出年金(iDeCo)やNISAなどの制度の活用も検討すると良いでしょう。

税金に関する知識不足

夜職では、給与を現金で受け取るケースが多いため、「確定申告をしなくてもバレない」と考えている方も少なくありません。

実際に周囲のキャストやボーイなどに「申告しなくても問題ない」と言われることもあり、申告の必要性を感じていない方も多いでしょう。

しかし、現実には、夜職は申告漏れが多い職種として税務署から注目されており、税務調査の対象となりやすいのが実情です。

確定申告を怠り、無申告であることが発覚した場合、無申告加算税や延滞税などのペナルティが課され、本来納めるべき税金以上の金額を支払うことになります。

そのため、「周囲が申告していないから大丈夫」といった曖昧な情報に頼るのではなく、税務のプロである税理士に相談し、正しい知識を身につけることが大切です。

税理士法人松本では、夜職・水商売に特化した税務サポートを提供しており、キャスト・ボーイ・店舗オーナーなど、さまざまなケースに対応可能です。

税金に関する悩みは、ぜひ気軽にご相談ください。

関連記事:夜職でも確定申告は必要!確定申告が必要な人とは?

まとめ

夜職とは、主にキャバクラやクラブ、ガールズバーなどの水商売を指すことが一般的です。
昼職とは異なり、夕方から深夜にかけて働くスタイルで、短時間で高収入を得られる点が大きな魅力です。

また、勤務時間が昼職の終業後と重ならないため、副業としても人気があります。

一方で、社会的信用や将来性に不安が残る側面もあり、夜職一本で働く場合は将来を見据えた計画が欠かせません。

とくに注意したいのが、税務に対する無関心や知識不足です。
確定申告を怠った結果、税務調査で多額の追徴課税や加算税が発生するケースも少なくありません。

そのため、税務のプロである税理士に確定申告を依頼し、適切な税務処理を行うことが重要です。

税理士法人松本では、夜職・水商売に特化した税務サポートを提供しております。お困りの際は、ぜひ気軽にご相談ください。

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