日本では、収入がある人は税金を支払う必要があることをご存じでしょうか。会社に勤めるサラリーマンの場合は、会社から支払われる給与から所得税と住民税が天引きされ、会社が個人に代わって納税を行っています。
では、デリヘル嬢やソープ嬢、メンズエステで働くセラピストなどは、どのように納税しているのでしょうか?実は、風俗店で働いている人は自分で確定申告を行わない場合、1年間に得た所得を申告していない「無申告」の状態になっています。そして、無申告を続けた場合には様々なリスクが生じます。
今回は、無申告のリスクと確定申告を行うことのメリットについてご紹介します。
すぐにでも確定申告をしたいという方は税理士法人松本までお気軽にご相談ください。



風俗嬢の中にも多い無申告

デリヘルやソープ、メンズエステで働く人の中には、無申告の状態のまま働いている方も少なくありません。無申告とはどのような状態を指すのでしょうか。また、なぜ風俗で働く人には無申告が多いのでしょうか。

無申告とは

無申告とは、確定申告をしていない状態のことです。確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間に得た所得を申告期限までに申告して、所得に応じた適正な額の所得税を支払う手続きのことです。前年1年間に得た報酬から経費を差し引いた所得額を計算し、毎年翌年の2月16日から3月15日の間に税務署に確定申告書を提出することで確定申告を行うことができます。所得があるにも関わらず、このような手続きを行っていない人は無申告の状態に該当します。

風俗嬢に無申告が多い理由

サラリーマンのように会社に雇用される社員として働いている人は、毎月受け取っている給料の中から所得税や住民税が差し引かれています。差し引いた税金は会社が国や地方自治体に納付をしているため、個人が改めて税金を納付する必要はありません。
しかし、デリヘルやソープ、メンズエステなどの風俗店で働いている方の多くは、お店の社員として雇用されているわけではないことがほとんどです。これらの風俗店で働く女の子は、お店と業務委託契約というものを交わし、働いた分の報酬を受け取っているのではないでしょうか。このようなケースは、個人事業主と呼ばれています。
個人事業主の場合は企業に所属しているわけではないため、自分で確定申告の手続きを行い、税務署に1年間の所得を申告し、所得に応じた額の所得税を納付する必要があるのです。デリヘル嬢やソープ嬢、メンズエステで働くセラピストの方の中には自分が個人事業主であることや確定申告が必要であることについてしっかりと理解していないことも少なくありません。そのため、風俗業界は国税庁が公表している無申告が多い業種の中でも常に1、2位にランキングされているのです。

国税庁 事業所得を有する個人の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種:https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2017/shotoku_shohi/sanko02_01.htm

報酬から所得税が引かれている場合は

風俗店から支払われる報酬の明細書を確認すると、所得税が差し引かれているケースもまれにあります。このようなケースでは、お店側が所得税を代わりに納付している可能性があります。報酬から所得税を差し引く場合は、おおよそ支払う額の10%相当が差し引かれています。この場合は、所得税は納めていることとなりますが、反対に所得税を納めすぎている可能性もあるため、確定申告を行うことで、納めすぎていた税金が戻ってくる可能性もあります。

風俗嬢が無申告のまま働き続けることのリスク

繰り返しになりますが、確定申告をせずに、納めるべき所得税を納税しない状態は無申告と呼ばれる状態となります。無申告の状態がバレると、納めるべき所得税の額に無申告加算税や延滞税などのペナルティが上乗せされ、より高額な税金の支払いが求められるようになります。
現金で報酬を受け取るなどしているため、風俗店で働いていることがバレないのではと考える人もいるかもしれません。しかし、風俗業は無申告が横行している業界として税務署からも目を付けられています。無申告の状態が長く続き、悪質性の高い行為だと判断される場合は「脱税」の罪を犯したとされ、刑事告発される可能性もあります。脱税の罪に問われると刑事裁判が必要となり、罰金や懲役などの処罰を受けることとなります。
よく脱税のニュースなどで氏名が公表されているケースがこれに当たります。
また、副業としてデリヘルやソープ、メンズエステで働いている方の場合も、風俗業で得ている年間所得が20万円を超える場合は確定申告が必要です。確定申告を行うと所得額が増えるため、本業の給料から差し引かれる住民税の額が変更となり、本業の会社に風俗で働いてしまうことを心配するケースもあります。しかし、確定申告の際に副業で得ている分に課せられる住民税は自宅宛てに納付書を送付する形を選択すれば、会社側に副業がバレることはありません。

風俗業で働く人が確定申告を行うメリット

風俗業で働く人も風俗店の社員として働いている人以外は、確定申告を行う必要があります。確定申告と聞くと、手間がかかったり、難しそうだったりと、手続きが面倒に感じてしまう方も多いかもしれません。そのような場合は、風俗業に詳しい税理士に相談してみることをお勧めします。
確定申告をしない無申告の状態が続いた場合、追徴課税などのペナルティが与えられるほか、場合によっては脱税の罪で逮捕されてしまうリスクもあります。今、無申告の状態だからといってそれがいつまでもバレないわけではありません。
確定申告で申告する所得は、1年間にお店からもらった報酬の額ではなく、報酬額から仕事で必要となった費用を差し引いた金額になります。したがって、お店から控除されている雑費代、通勤に必要な交通費やタクシー代、衣装代、下着代、化粧品代、仕事用の携帯電話代など仕事をするうえで必要であった出費については、経費として報酬額から差し引くことができるのです。
所得税は、所得額に応じて課せられる税金です。そのため、経費として計上できるものは全て経費として処理すると所得額が低くなり、所得税の額も低くなります。
お店側から所得税を引かれているようなケースでは、支払った報酬額に対する税額を引かれているため、本来納付すべき税額よりも多く納めてしまっている場合もあります。このようなケースでは、報酬から必要経費を差し引き、正確な所得額を計算することで納めすぎた分の税金が還付(返金)される可能性があります。

まとめ

風俗業で働くデリヘル嬢やソープ嬢、メンズエステのセラピストは、無申告のまま働いている人が多い業界として知られており、税務署からも厳しくマークされている業界です。確定申告をせずに無申告の状態を続けていると、ペナルティが課せられるリスクや脱税の罪で逮捕されるリスクもあります。
無申告の状態で働いているような場合は、期限後申告と言って、過去にさかのぼって申告することも可能です。まずは、風俗業界に詳しい税理士に相談してみてはいかがでしょうか。
税理士法人松本は風俗・水商売に特化した税理士事務所です。初回LINE無料相談を受付中ですので、お気軽にご相談ください。



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