ホストクラブを個人事業から法人にすることのメリットはどんなものがあるか知りたい方も多いのではないでしょうか。
法人にすることで、個人事業では経費に計上できなかったものが経費にできるようになったり法人のほうが経費にできるものが多いため大きなメリットがあります。
法人にするために、まずは会社を設立する必要があります。会社設立の手続きや設立にあたって必要な税務署、年金事務所等への手続きもここではご紹介します。法人を設立する際の参考にしてください。



ホストクラブを法人にすることのメリット

ホストクラブを個人事業主から法人化することのメリットは以下のようなものがあります。

・社会的な信用が高くなる
・有限責任になる
・節税できる
・退職金を損金にできる
・欠損金の繰越控除が3年から10年になる
・消費税の納付が最大2年間免除される
・事業を継承できる
・決算期を任意に設定できる

このように法人にすることで受けられるメリットはたくさんあります。
しかし、法人化のさまざまなメリットを活かすには、法人化するタイミングも重要になります。法人化のベストなタイミングは事業内容や経営者の考え方によっても異なりますので、詳しくはホストクラブに強い税理士法人松本までお気軽にご相談ください。

ホストクラブ法人化の手続き

まずは、ホストクラブで会社設立をする全体像を解説します。

STEP01.会社概要の策定

会社名や所在地、代表、資本金、発起人(出資者)、事業年度、事業目的など、会社設立の手続きに必要な情報を決めておきましょう。

STEP02.定款作成・登記

定款認証や出資金の入金・設立登記の手続きを行いましょう。

1. 法人用の印鑑の準備
設立する会社の印鑑を準備する必要があります。
実印・銀行印・角印・ゴム印を用意することをおすすめします。

2. 定款の作成/認証
これまで作成した内容を元に定款(会社の目的・組織などの基本的な規則を定めたもの)を作成し、会社のルールを定めます。定款は、「電子定款」または「紙定款」のどちらでも作成できます。

3. 資本金の払込み
定款認証を受けた後、資本金を入金します。資本金を払い込む口座は、発起人個人の口座です。
入金後、振込内容が記載された入出金明細が必要になりますので、明細を捨てないようにしましょう。

4. 法務局へ書類を提出
登記をするためには、設立登記申請書を作成し、定款や資本金の払込証明書、発起人全員の同意書、就任承諾書、印鑑届出書など必要な書類を添付して法務局へ提出する必要があります。

STEP03.事業開始の準備

会社設立が完了したら、スムーズな事業運営のために、速やかに法人銀行口座の開設を行いましょう。

ホストクラブの法人設立にかかる費用

会社を設立するためには一体いくらくらいかかるのでしょうか。ここではある程度の目安をご紹介します。おもな項目および金額は以下のとおりです。

資本金:1円からでも会社設立が可能
定款認証費用:公証役場へ行き公証人に支払う費用(50,000円)
定款に貼付する印紙代:これは紙面の定款の場合に必要な費用(40,000円)
定款の謄本代:ページ数により変動があります(1ページ250円)
登録免許税:登記を申請するにあたり国に支払う税金(最低金額は150,000円ですが、資本金の額により変動)
その他:証明書の取得費用(登記事項証明書1通600円/印鑑証明書1通450円)、雑費

これが設立時にかかるおおよその初期費用です。この他、設立手続きを司法書士に依頼すれば報酬も発生します。

ホストクラブ法人設立後の手続き

税務署や年金事務所、労働基準監督署、ハローワークに提出する書類を作成します。

税務署等への届出

1.法人設立届出書
会社を設立した場合は、「法人設立届出書」を設立の日以後2ヶ月以内に納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。

2.青色申告の承認申請書
法人税の申告には、白色申告と青色申告があります。青色申告を選ぶと税務上のメリットを受けることができます。
法人を設立した1期目から青色申告の承認を受けようとする場合、会社設立の日以後3ヶ月を経過した日と会社設立第1期事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日までに「青色申告の承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。

3.給与支払事務所等の開設届出書
ホストクラブでも内勤など従業員を雇用する場合、給与の支払いが発生します。従業員がいない場合でも自分自身に役員報酬の支払いをすることでしょう。
会社は支払う給与の中から所得税を一旦預かり、給与の支払いを受ける人の代わりに、支払月の翌日10日までに給与支払事務所等の所在地の所轄税務署に納付することになります。
この事務手続きを行う事務所開設の旨を通知するために、「給与支払事務所等の開設届出書」を税務署に提出します。

4.源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
源泉徴収した所得税及び復興特別所得税は、原則として給与などを実際に支払った月の翌月10日までに国に納めなければなりません。
しかし、給与の支給人員が常時10人未満の源泉徴収義務者は、源泉徴収をした所得税及び復興特別所得税を、半年分まとめて納めることができる特例があります。これを納期の特例といいます。この特例を受けていると、その年の1月から6月分は7月10日、7月から12月分は翌年1月20日が納付期限になります。
この特例を受けるためには、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を給与支払い事務所等の所在地の所轄税務署に提出することが必要です。

年金事務所の手続き

会社を設立した後は、「健康保険・厚生年金保険 新規適用届」の手続きが必要です。
これらの社会保険に関する届出は、会社を設立した日から5日以内に管轄の年金事務所に「健康保険・厚生年金保険 新規適用届」を提出しなければなりません。
必要書類については、管轄の年季事務所によって異なる場合があるので、必ず事前に確認することをおすすめします。

労災保険・雇用保険の手続き(従業員を雇う場合)

会社を設立し、従業員を雇用した場合は、労働保険(労災保険、雇用保険)に加入しなければなりません。労災保険とは、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷・疾病・障害又は死亡に対して労働者やその遺族のために、必要な保険給付を行う制度です。
労災保険に関する届出は、管轄の労働基準監督署に「労働保険 保険関係成立届」「労働保険 概算保険料申告書」の書類を提出し、その年度分の労働保険料を概算保険料として申告・納付することとなります。
雇用保険とは、労働者の失業時、育児や介護のための休業時に労働者の雇用と生活を守るために給付を行うものです。
雇用保険に関する届出は、雇用保険の加入が必要な労働者を雇用した日の翌日から10日以内に「雇用保険適用事業所設置届」及び「雇用保険被保険者資格取得届」を管轄のハローワークに提出します。

まとめ

ホストクラブを個人事業から法人成りする場合は、社会的な信用の増加や有限責任、個人事業では経費にならないものが経費になるなどメリットも大きいですが、同時に会社設立手続きの他に税務署、年金事務所、労働基準監督署、ハローワークの手続きも発生するため事務作業の負担が多いなどデメリットもあります。
自身で手続きを行うのが面倒という方、会社設立から手続きまですべて丸投げしてしまいたいという方はホストクラブの強い税理士法人松本までお気軽にご相談ください。