風俗業界で働いていると、自分が働くお店や近くのお店に税務調査が入ったという話を聞いたことがある方も多いでしょう。ソープやヘルス、デリヘルなどの事務所に税務調査が入ると、お店の調査だけでなく、そこで働く風俗嬢まで調査が及ぶことも少なくありません。
風俗業界や風俗嬢の税務調査は厳しいという噂もあります。税務調査の対象となって慌てる前に、どのような対策をしておけばよいのでしょうか。
今回は風俗嬢の税務調査が厳しいという噂の検証と、税務調査に備えて日頃から対策をしておくべきことについてご説明します。
税務署から調査の通知がきており、調査対応にお困りの方は税理士法人松本までお気軽にご相談ください。



税務調査って何をするの?

税務調査とは、風俗業を営むお店や風俗業で働く人たちが正しく所得を申告し、正しく税金を納めているかを調べるための調査です。税務調査は税務署の職員である税務調査官によって行われます。税務調査官は税額計算の根拠となる売り上げや経費について質問をすることや帳簿などの確認をする権利が認められており、税務調査を受けるお店や風俗嬢は調査官の質問に回答したり、求められた帳簿や領収書などの資料を提出したりする義務があります。
税務調査が行われる時期に決まりがあるわけではありません。多くの場合、お店や風俗嬢が調査を受ける準備をすることができるように事前に調査の通知を行ったうえで調査が行われています。しかし、風俗業の場合は事前に客を装って調査官がお店に現れる、内観調査が行われるケースもあります。これは、客の入りや働く風俗嬢の人数などを把握することが目的で、後日の税務調査時に提出される資料が正しいものであるかどうかを確認するために行われるものです。

風俗嬢の税務調査が厳しいという噂は本当?

国税庁が毎年公表している「事業所得を有する個人の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種」では、風俗業は常に上位にランキングしています。これは、風俗嬢が正しく確定申告をしていなかったために税務調査を受け、申告をしていなかった所得金額が多かったということを表しています。つまり、風俗嬢は税金を正しく申告していない人が多い職業として、税務署から目を付けられているのです。税務調査は、正しく税金を納めている人が不公平を感じることがないように、法人や個人が提出した確定申告の内容が正しいものであるかどうかをチェックするものです。したがって、正しく申告が行われている業種よりも不正が多く行われている業種の方が不正を行っている割合は高くなるため、税務調査の対象も自然と不正が多い業種が選ばれる可能性が高くなります。正しく税務申告を行っていない職種の1位や2位にランキングされることの多い風俗業は、税務調査の対象となりやすいのです。しかも、1人当たりが正しく申告していなかった額が大きいため、なおさら風俗嬢には厳しく税務調査が行われています。

風俗嬢が税務調査対策としてできることは

風俗業は、国税庁の発表からもわかるように税務調査の対象となりやすい職業です。風俗嬢が税務調査対策として今からでも準備できることには、どのようなことがあるのでしょうか。

確定申告を正しく行う

確定申告は、1年間に得た収入から仕事でかかった経費を差し引いて年間の所得額を計算し、納めるべき所得税額を算出したうえで納税を行う一連の手続きのことです。確定申告書を作成することで所得額と所得税額が計算できるようになっています。確定申告は、毎年2月16日から3月15日までの間に前年1年間の分の確定申告書を作成して税務署に提出し、所定の額の所得税を納税するルールとなっています。
税務調査が入ったとしても、確定申告を毎年正しく行っているようであれば何も心配する必要はありません。

領収書は整理しておく

確定申告では、仕事にかかった費用は経費として扱うことができます。風俗嬢の場合、仕事で使う下着や衣装(コスプレ)、化粧品などを購入した費用、お店までの交通費、仕事用の携帯電話代などが経費として認められています。
風俗嬢として得た報酬の額からこれらの経費を差し引いた額が所得額であり、所得税は所得額に対して課せられるものです。したがって、所得額を低く抑えることができれば、納めるべき所得税の額も低くなります。そのため、本来は仕事用の出費ではない領収書までを経費として扱うことによって経費の額を水増しし、所得額を少なく申告する不正を行う人もいます。
税務調査では、経費を不正に水増ししていないかをチェックするために、領収書をチェックされることがあります。仕事で使った経費の領収書は、まとめて保管しておくようにしましょう。

確定申告をしていない無申告の状態の場合は

もし、デリヘルやソープ、ヘルスで働いているにも関わらず、確定申告を行っていなかった場合には無申告という状態となります。
日本においては、何らかの収入によって利益を得ている人は、税金を納めることが義務付けられています。確定申告を行わずに、支払うべき税金を納めていない無申告の状態は、違法行為となります。もし、税務調査で無申告が発覚した場合には、無申告期間分の所得税の支払いを命じられるのはもちろん、それに加えて無申告加算税としてペナルティ分の税額も合わせて納めることが求められます。
確定申告をしていない場合には、まずは税理士に相談することをお勧めします。期限後申告といって、申告をしなかった年の分もさかのぼって申告することも可能です。税務調査が行われる前に自主的に申告を行い、所得税を納付した場合には無申告加算税が軽減されるといった措置も用意されています。税務調査の対象になる前に、税務調査や風俗業界に詳しい税理士に相談し、正しく納税を行っておきましょう。その後、税務調査に入られた場合でも税理士に相談することでアドバイスをもらうことができ、調査に立ち会いをお願いすることもできるので安心です。
税理士法人松本は国税OB税理士も在籍しており、税務調査対応に強い税理士事務所です。下記より税務調査のご相談を承っております。



まとめ

デリヘルやソープ、ヘルスなどで働く風俗嬢は、税金の申告漏れが多い職業として税務署からマークされやすい職種です。税務調査は、正しく所得を申告し、正しく納税をしているかどうかのチェックを行うもので、風俗嬢は申告漏れが多いことから税務調査の対象となるケースも多くあります。
もし、これまで確定申告をせずに所得税を納税してこなかった場合は、ペナルティとして本来納めるべき税額よりも高額な税金を納めなければならなくなります。そんなリスクを避けるためにも、税務調査の対象として選ばれる前に風俗業界や税務調査に詳しい税理士に相談することをお勧めします。