メンズエステは、手ごろな料金でリラクゼーション効果を得られることから、男性に人気が高まっているサービスです。しかし、違法なサービスを提供したなどとして、警察に摘発されるメンズエステ店が増加しています。メンズエステ店の多くはセラピストと業務委託契約書を締結しているケースが多くなりますが、業務委託契約書の締結だけでは摘発時に十分な潔白性を認められない可能性があります。
今回は、メンズエステで業務委託契約書を締結すべき理由と業務委託契約書以外にも必要な対策についてご説明します。

メンズエステとは

メンズエステとは、女性が男性にリラクゼーションを目的としたマッサージ等の施術を行うサービスのことです。エステティックサロンの開業には、資格や免許などは必要ありません。そのため、メンズエステを開業する際にも特別な許可や届出等は不要です。
しかし、メンズエステ店の中には、性的なサービスを提供しているケースがあります。性的サービスを提供する場合には、風俗営業許可が必要です。もし、風俗営業許可を取らずに性的サービスを提供していた場合は、風営法違反で摘発される可能性があります。

メンズエステの摘発が相次いでいる理由

メンズエステサービスは、近い距離で女性からのリラクゼーションを目的としたマッサージなどの施術を受けられるものです。マッサージを行う際に女性が身体に触れますが、風俗に比べると料金も安く、気軽に利用しやすいことなどから男性からの人気も高まっています。
しかし、昨今では、違法なメンズエステの摘発が増えているのです。
まず、風俗営業許可を取らずに、性的サービスを提供している場合は、風営法違反で摘発されます。また、風俗業は風営法で出店できるエリアを規定されています。たとえ、風俗営業許可を取っていた場合でも、出店が禁止されているエリアで営業を行っていた場合には、風営法違反となり、摘発されるのです。

メンズエステで締結すべき業務委託契約書

メンズエステでは、セラピストがマッサージを行います。多くのメンズエステでは、セラピストを社員やアルバイトとして雇用するのではなく、外部のセラピストに業務を任せるという業務委託契約を取ります。つまり、セラピストはメンズエステの店員として施術をするのではなく、個人としてセラピストの業務を任され、施術を行うことになるのです。
したがって、メンズエステの店舗とセラピストは雇用契約ではなく、業務委託契約を結ぶことになります。

業務委託契約書とは

業務委託契約書とは、業務を委託する側と業務を受ける側が結ぶ契約書で、メンズエステの場合は店とセラピストが締結する契約書となります。業務契約書内には、委託する業務の内容や報酬の額、報酬の支払い条件、トラブル発生時の対処法、禁止事項など、委託する業務の内容や契約条件などを記載します。

メンズエステで業務委託契約書を締結すべき理由

前述しましたが、メンズエステは健全な営業を行っているのであれば、風俗営業許可は不要です。しかし、メンズエステを利用する男性の中には、性的サービスを期待する人もいないわけではありません。また、セラピストが個人の判断で性的サービスを提供してしまうケースもあります。
したがって、メンズエステを経営する場合には、セラピストと業務委託契約書を締結し、業務委託契約書の中にしっかりと性的サービスの提供は禁じる旨を記載し、セラピストに契約内容を順守するよう求めなければなりません。
万が一、風営法違反として摘発された場合、セラピストとの間で交わした業務委託契約書があれば、店舗としては性的サービスの提供を禁止していたことの証明となり、店舗側のリスクを軽減させることができます。

業務委託契約書以外にも注意すべき点

業務委託契約書を締結していても、営業実態が伴っていなければ、違法行為として摘発される可能性が高くなります。
メンズエステを経営する際には、次の点についても対策を実施しましょう。

セラピストの教育を徹底する

業務委託契約書の中で性的サービスの提供を禁止し、契約書を締結したとしても、風営法違反となる行為との線引きが分からずに、違法なサービスを提供してしまう可能性もあります。セラピストの募集をする際には店のコンセプトを伝えたうえで、性風俗とメンズエステサービスの違いについて説明を行うことが大切です。業務委託契約書を交わすとともに、性的サービスに該当する行為を具体的に上げ、性風俗とメンズエステの違いについてしっかり説明を行うようにしましょう。
また、セラピストが契約内容に違反した場合についての対応についても事前に説明をしておくと、抑止効果につながります。

利用者にも同意書へのサインを依頼する

セラピスト側では健全なメンズエステサービスを提供しようとしても、利用者である男性側の認識が誤っていると、性的サービスの提供を求められる可能性があります。サービスを提供する前には、性的サービスの要求は禁止であることをしっかりと明記し、利用者側に性的サービスを提供していないことを認識させる必要があります。また、違反した場合には警察に通報する可能性がある点についても言及しておくと、抑止力を高めることができます。
また、禁止事項を明記した同意書は、違法サービスを意図的に提供していないことの証明ともなります。

健全なエステメニューのみを用意する

健全なメンズエステサロンであると主張しても、用意されているメニューの中に性的サービスを連想させるようなものが含まれていれば、風営法違反と捉えられる可能性が高くなります。
風俗営業許可を取らずにメンズエステを営業するのであれば、性的サービスを連想させるようなメニューを用意しないということも大切です。

まとめ

メンズエステは、マッサージなどの施術を提供する目的の健全な店であれば、風俗営業許可を取らずに営業しても問題はありません。しかし、性的サービスを提供する場合には、風俗営業許可が必要であり、無許可で営業している場合には風営法違反で摘発されます。
風営法違反で摘発を受ければ、逮捕され、罰金や懲役が科せられる恐れがあるほか、営業停止処分などの行政処分を科せられる恐れもあります。
風営法違反での摘発を防ぐためには業務委託契約書の締結も重要ですが、お客からの同意書を取るとともに、性的サービスを提供していると誤解を招くようなメニューの提供も避けるなど、徹底した対策を行いましょう。

 

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