ホステスをやっている方は自分が確定申告をしないといけないのかわからないという方もいらっしゃることでしょう。
また、ホステスはお小遣い稼ぎで副業しているだけだから、確定申告することで本業の会社にバレてしまうかもしれないからできれば申告したくないと考えている方もいらっしゃると思います。
さまざまな不安を抱えているホステスの方向けに、今回はホステスの確定申告について、気になる疑問を解消するための記事を作成しました。



ホステスは確定申告しないとどうなるの?

ホステスで確定申告が必要な方は、確定申告をしないと様々なペナルティが課されます。
無申告を続けて、ある日突然税務調査が入った場合、まず、納付すべき税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%、300万円を超える部分は30%の上乗せをした無申告加算税が課せられます。無申告加算税は令和5年度改正が行われ、より厳しくなっています。
さらに、法定納期限を過ぎると、翌日から完納する日まで延滞税がかかります。
ホステスの場合、お店に税務調査が入れば芋づる式に無申告であることがバレてしまうこともあります。所得税や住民税、ペナルティの加算税も含め経費にはなりませんので、余計な税金を払う前に、きちんと期限を守って確定申告を行うようにしましょう。

副業でホステスをしている場合は申告が必要?

お小遣い稼ぎで週に2~3回ホステスをしている方も多いのではないでしょうか。副業をしている方は、自分は確定申告の必要があるのか、また、確定申告をすることによって本業の会社にホステスをしていることがバレてしまうのではないかという疑問があると思います。
これらの疑問を解説していきます。

副業の場合の確定申告

まず、その年の所得税を確定させる確定申告が必要かどうかについてですが、基準としては「1か所から給与の支払を受けている人で、給与所得および退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人」となっています。ホステスの報酬から必要経費を引いた金額が20万円以下であれば確定申告の必要はありません。
20万円を超える所得があれば、副業であっても確定申告の必要があります。
これはあくまで所得税法の基準になります。住民税に関しては20万円の基準はなく、申告の必要がありますので、覚えておきましょう。

確定申告することで会社にバレる可能性

本業と副業を合わせて自分で確定申告した場合、本業の会社に住民税の通知がいくことで副業が会社にバレてしまうというケースがあります。
バレる理由としては、住民税は本業と副業の所得を合わせた金額で決定されるため、決定された住民税は、本業の会社の給与から毎月天引きされるため、本業でもらっている収入より多い住民税の金額になっているため、経理担当者に副業していることがバレてしまう可能性があります。
住民税の通知から会社に副業がバレるのを避けたい方は、自分で確定申告を行う際、住民税の徴収方法を「特別徴収」ではなく「自分で納付」を選択するようにしましょう。
しかし、役所の方も人ですので変更を見落としてしまうこともあるため、心配な方は一度役所に電話をし、納付方法がきちんと変更されているか確認しておきましょう。

ホステスの経費について

確定申告をするうえで計上できる経費について考えていきましょう。経費を上手に計上することで、所得を減らし、納税額を軽減することが可能です。
ホステスが経費に計上できるものを一例として以下に記載します。

・衣装代
お店で着るドレスや着物代

・美容院代
出勤前のヘアセットやヘアメイク代

・旅費交通費
タクシー代、職場までの交通費など

・贈答品代
お客様にプレゼントした品物代

・携帯電話代
お客様と連絡をとる際に使用した費用

・新聞図書費
新聞代、話題作りのための書籍購入代

一例としてあげた以外の経費計上も可能な場合がありますので、経費になるか判断に迷ったものは、領収書を手元に残し税理士に相談するようにしましょう。

経費計上できない場合もある

ホステスは個人事業主であるため、所得税法が適用されます。所得税の経費計上として事業所得には下記が定められています。

事業所得、不動産所得および雑所得の金額を計算する上で、必要経費に算入できる金額は、次の金額です。

(1)総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
(2)その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額

また、仕事とプライベートで両方で利用する可能性がある衣装代などは、明らかに区分できることが注意事項に定められています。

必要経費に算入する場合の注意事項については、次のとおりです。

(1)家事上の費用は必要経費となりませんが、個人の業務においては一つの支出が家事上と業務上の両方にかかわりがある費用(家事関連費といいます。)となるものがあります。

この家事関連費のうち必要経費になるのは、取引の記録などに基づいて、業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合のその区分できる金額に限られます。

参考:国税庁(やさしい必要経費の知識)

ホステスは申告で税金が返ってくることもある

ホステスは確定申告を行うことで、報酬から徴収されていた所得税が戻ってくるケースもあります。ホステスの報酬からは、源泉所得税が引かれています。源泉徴収とは、お店があらかじめ報酬から源泉所得税を差し引き、差し引いた分を納税する、いわゆる税金の前払いシステムです。
報酬明細が手元にあれば、そこに源泉所得税の記載があるか確認してみましょう。
所得税は一年間の所得に対して税金を計算するため、一年間の所得を計算し直すと、所得税を納めすぎているケースがあるのです。
このようなケースの場合は、確定申告することで納めすぎた税金が戻ってくる可能性があります。
ただし、お店が源泉徴収を行っていない場合、当然のことながら払っていない税金が戻ってくることはありません。

まとめ

ホステス1本の方も副業でホステスをされている方も確定申告を行わなくてはならない理由が理解いただけましたでしょうか。
確定申告をするうえで計上できる経費をきちんと把握し、計上することで納める税金を軽減することも可能です。
正しい知識を持ち、期限を守って確定申告を行うようにしましょう。
確定申告しないといけないことはわかったけど、自分ではどうしたらよいのかわからない場合や面倒な手続きは誰かに依頼したいという場合は税理士法人松本までお気軽にご相談ください。