スナック確定申告

日本全国で親しまれているスナックですが、日々の売上管理や経費の計上など、経理面で判断に迷う場面も多いのではないでしょうか。適正な確定申告を行うことは、単なる義務にとどまらず、店舗の経営状態を正確に把握し、健全な運営を維持するための第一歩です。また、キャストの皆様にとっても、正しい税務知識を持つことは、ご自身の生活を守ることにつながります。

本記事では、スナック経営者様とキャストの皆様が、安心してお仕事に専念できるよう、確定申告のポイントをわかりやすくまとめました。

電話でのお問い合わせLINEでのお問い合わせ

スナック経営者が確定申告を怠ると

スナックの経営をしていると、お客様とのやりとりや売り上げ管理など多くの仕事を日々こなしていかなければいけません。確定申告の時期を知りながら、ついつい後回しになってしまってはいませんか?

スナックの経営者が確定申告を怠ると、税務調査やペナルティのリスクがあります。

  • ・税務調査の対象になる可能性がある
  • ・スナックの無申告はバレやすい⁉
  • ・税務調査はいつ頃くるの?
  • ・確定申告をしていないとペナルティ
  • ・税務調査のお知らせが来たらどうする?

税務調査の対象になる可能性がある

スナック確定申告

納税は国民の義務であるため、正しく確定申告を行わなければいけませんが、残念ながら申告をせずに納税を逃れようとする人が一部います。税務調査とは、正しく税申告・納税が行われているかを確認するものです。

基本的には事前に連絡が入り、日程を決めて税務調査を行いますが、無申告者や悪質な不正が疑われる場合には、法令に基づき事前の連絡なしに調査が行われる「無予告調査」が行われることもあります。

全てのスナック経営者が必ず税務調査の対象になるわけではありませんので、連絡が来ると「何か問題あったかな」と不安になってしまうかもしれません。しかし正しく確定申告をしていれば、税務調査で不安になる必要はありませんので安心してください。

スナックの無申告はバレやすい!?

「小さな店だし無申告でもバレないだろう」と考える方がいるかもしれませんが、規模の大きさは関係ありません。スナックは実店舗を有していますし、営業するためには保健所への登録を行っているはずです。

保健所への登録=税務署にバレるというわけではありませんが、実際に営業をしている証拠にはなるわけです。さらに出入りする業者も多いので、取引業者との関係から無申告がバレる可能性があります。

税務調査はいつ頃くるの?

傾向として多いとされている月は、7月~11月頃です。確定申告の時期は毎年2月16日~3月15日が原則なので、この前後は税務署が忙しくなると予想できます。無申告、もしくは確定申告に不明点があると税務調査の対象になると思われがちですが、その年に必ず税務調査が行われるとは限りません。

5年後に税務調査が行われるというケースがあり、そうなると過去5年分のペナルティが発生する可能性があります。なお、意図的な隠蔽や仮装がある「偽りその他不正の行為」とみなされた場合の更正の除斥期間(遡れる期間)は、最長7年となります。「今年税務調査がなかったから大丈夫」と考えるのは危険なので、覚えておいてください。

確定申告をしていないとペナルティ

確定申告ペナルティ

確定申告をしていないと、以下のようなペナルティの可能性があります。

過少申告加算税 無申告加算税 不納付加算税
税率 5~15% 5~30% 5~10%
重加算税 35% 40% 35%

参考:納税環境整備に関する基本的な資料|財務省

期限内に申告をしているものの、修正や更正が必要になるケースなら過少申告加算税、無申告なら無申告加算税がかかり、税金の納付期限を守らないと不納付加算税がかかります。なお、無申告加算税については、納付すべき税額が300万円を超える部分に対しては30%の税率が適用されます。

重加算税というのは、意図的な隠ぺいや改ざんなど悪質なケースに課せられる加算税です。確定申告をしていなければ無申告加算税の対象となる可能性があり、税務調査の結果によってはさらに他のペナルティが併せて課されるかもしれません。

税務調査のお知らせが来たらどうする?

もし税務調査のお知らせが来ても、正しく確定申告をしていれば問題ありません。そうはいっても、不安に感じてしまう方がほとんどでしょう。顧問税理士がいる場合は、すぐに相談をしてください。税務調査の対策や準備、当日の立会いについて話し合っていきましょう。

顧問税理士がいない場合は、領収書や帳簿など資料となるものを集めて税務調査の準備をしておきます。税理士に相談したいという場合は、急な依頼に対応してくれる税理士を探してみてください。

電話でのお問い合わせLINEでのお問い合わせ

スナックの確定申告で経費になるもの

確定申告を行う上で欠かせないのが、経費の計算です。スナック経営で経費と認められる可能性が高いものをご紹介します。

  • ・家賃や保険料など毎月固定の経費
  • ・水道光熱費や消耗品代
  • ・宣伝広告費や人件費
  • ・近隣店舗とのお付き合いとして
  • ・お客様とのお付き合いとして

家賃や保険料など毎月固定の経費

スナック経費

スナックに関わらず実店舗でビジネスをしていく上でかかる固定費は、当然経費として認められます。固定費としてはインターネットなどの通信費、カラオケやレジ機器のリース代なども該当します。金額が固定された毎月の出費となりますので、確定申告の際には忘れずに経費として計上しましょう。

水道光熱費や消耗品代

水道光熱費や消耗品代は固定で支払うものではありませんが、毎月必ず必要になるものです。特に水道光熱費は、季節によって変動が大きいものになりますので領収書の金額をきちんと確認しなくてはいけません。

スナック経営における消耗品代とは、おしぼりや洗剤類、トイレットペーパーなどの衛生用品、文房具などの小さな物が挙げられます。営業の欠かせないものなので経費となりますが、ちょっとした買い物だと忘れてしまいがちなので管理をきちんとしておきましょう。

宣伝広告費や人件費

スナック宣伝広告費

多くのお客様に来店していただくためには、宣伝広告費が必要になるでしょう。看板やチラシ、web広告やキャンペーンにかかる費用などが宣伝広告費となります。

宣伝の方法は店の規模や客層によって最適な方法が異なりますので、無駄にならないよう媒体を選んで広告費をかけるようにしてください。人件費はスナックを経営していく上で避けては通れない経費です。

規模の大きなスナックではスタッフの数が多くなりますので、適切に記録をつけておくようにしましょう。

近隣店舗とのお付き合いとして

スナック経営をしていく上で、近隣店舗とのお付き合いも大切です。例えば、開店祝いや周年祝いの花代、商店街や地域イベントへの参加費や協賛費などが該当します。

私的な交友関係は経費とは認められませんので、本当に店舗運営上の必要なお付き合いなのかという点がポイントです。領収書を保管しておくのはもちろん、ちょっとしたメモ書きを添えて保管しておくと整理しやすくなるでしょう。

お客様とのお付き合いとして

スナックではお客様とのお付き合いとして、同伴やアフターの飲食代などがかかる場合があります。お客様の誕生日や記念日には、プレゼントを贈るかもしれません。当然プライベートな付き合いとなると経費にはなりませんが、スナックの売り上げにつなげるという目的のための出費であれば経費になる可能性があります。

ただし、飲食代等が1人あたり1万円を超える場合、法人の場合は交際費等の損金不算入規定に注意が必要です(個人事業主の場合は事業供用性が認められれば全額接待交際費として計上できる可能性があります)

参考:交際費等の範囲と損金不算入額の計算|国税庁

電話でのお問い合わせLINEでのお問い合わせ

スナックのキャストへの報酬支払いについて

スナック源泉徴収

スナックの経費の大きな割合を占める人件費について、もう少し詳しく考えてみましょう。時給で働いてくれているキャストやスタッフに、時給分だけを渡して終わりというわけにはいきません。

  • ・報酬or給与の違い
  • ・源泉徴収の有無

報酬or給与の違い

スナックのキャストへの報酬は、報酬か給与のどちらかになります。多くの場合は「報酬」として、個人事業主であるキャストは業務提携をしているという扱いで処理されます。報酬とした場合は、キャストに個人事業主として自身で確定申告をしてもらいましょう。

キャストを従業員として雇い、店側がシフト管理や具体的な業務指示を細かく行う場合は「給与」となります。この場合、店側には以下の義務や特徴が生じます。

  • ・社会保険の加入: 法人の場合は加入が必須です。個人事業主の場合、飲食業は従業員が5人以上いても加入は「任意」となります。
  • ・雇用保険の加入: 個人・法人に関わらず、週20時間以上働くキャストがいる場合は、加入させる義務があります。
  • ・年末調整: キャストが店をメインの職場(本業)としている場合、店側が1年間の税金を計算する「年末調整」を行う必要があります。

参考:基本的な労働法制度・社会保険などについてお調べの方へ |厚生労働省

雇用保険法|厚生労働省

源泉徴収の有無

源泉徴収とは、報酬や給与から一定の税率分を天引きする税金です。所得税の前払いのようなイメージをもっておくといいでしょう。スナック経営者は差し引いた所得税および復興特別所得税を、原則として、給与などを実際に支払った月の翌月10日までに国に納めなければなりません。

個人事業主として働くキャストへの「報酬」の場合は、「(支払金額 – 1日につき5,000円 × 出勤日数)」の計算式に対して10.21%の税率を乗じて算出します。単純な一律10.21%ではない点に注意してください。

雇用契約を結んでおり「給与」として支払う場合の源泉徴収は、扶養家族の人数や他本業の有無などが関与します。

参考:源泉徴収義務者とは|国税庁

令和8年分 源泉徴収税額表|国税庁

ホステス等に支払う報酬・料金|国税庁

電話でのお問い合わせLINEでのお問い合わせ

スナックで働くキャストの確定申告

スナックキャスト確定申告

アルバイト感覚で働いていると「個人事業主として確定申告をする」という認識がない方がいるかもしれませんが、きちんと自覚をもって税申告を行わなければいけません。

ここからはスナックで働くキャストの確定申告について、ご説明します。

  • ・キャストも確定申告をしないとペナルティ
  • ・現金手渡しには注意
  • ・確定申告が必須ではないケース

キャストも確定申告をしないとペナルティ

個人事業主として働くキャストは確定申告をしないと、すでにお伝えしたようなペナルティが課されます。自分で仕事を選び、売り上げを管理し、税金を納めるという要素をもつ個人事業主は立派な経営者といえます。

スナックを経営しているわけではないので、雇われているような感覚になるかもしれませんが、だからといって「知らなかった」では済まされません。事業の規模の大小ではありませんので、確定申告を忘れないようにしてください。

現金手渡しには注意

報酬はどのように受け取っていますか?中には現金手渡しで報酬を受け取っている場合があり、現金手渡しだと「無申告でもバレないのではないか」と考える方が少なくありません。確かに手渡しだと履歴が残らないような感じがしますので、自分さえ黙っていればよさそうではありますが、そうではありません。

スナック店舗側としては、人件費は立派な経費となります。そのため例え現金手渡しであったとしても、店側としては帳簿などにその記録を残しています。また、前述の通り店舗側は「ホステス等に支払う報酬・料金の支払調書」を税務署に提出する義務がある(同一人への支払額が年間50万円を超える場合)ため、支払った事実は税務署側で捕捉されています。仮にスナック店舗に税務調査が入ったら、芋づる式にキャストの無申告もバレるリスクがあります。

確定申告が必須ではないケース

個人事業主として働くスナックのキャストは確定申告が必要だとお伝えしてきましたが、以下の条件に当てはまる場合は確定申告が必須ではないケースがあります。

  • ・本業がスナックで所得が95万円以下
  • ・給与を受け取っており、お店で年末調整をしている
  • ・赤字である

スナックを本業として働いている場合でも、年間の所得(経費を引いた利益)が95万円以下であれば確定申告が必須ではありません。以前は48万円以下とされていましたが、令和7年から税制改正による所得税の基礎控除の見直しが行われました。(合計所得金額が132万円以下の納税者の基礎控除額が95万円に引き上げられたことに伴う措置)

ただし、確定申告が「必須ではない」からといって、申告しなくて良いとは限りません。報酬から所得税が源泉徴収(天引き)されている場合、確定申告をすることで、納めすぎた税金が戻ってくる(還付)可能性があります。

参考:令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について|国税庁

電話でのお問い合わせLINEでのお問い合わせ

スナックで働くキャストの経費

スナック経費

確定申告をする際に、以下のような項目は経費として計上が可能です。

  • ・衣装やドレス代
  • ・ヘアセット代などの美容費
  • ・接客用のポーチや小物
  • ・交通費
  • ・通信費

基本的には、業務に必要であると認められるものが経費となります。そのためスナックに出勤するためのヘアセット代は経費となる可能性がありますが、プライベートのヘアカット代は経費にはなりません。

交通費は仕事のための電車賃やタクシー代が該当しますので、お客様との同伴の待ち合わせ場所に向かう時のタクシー代は経費と認められる可能性が高いでしょう。お客様にお礼の電話をかける、メールでのやり取りをする、という必要があるため、通信費も経費となります。また、キャストが個人で「開業届」を提出し、青色申告を行う場合は最大65万円の青色申告特別控除を受けることができ、さらなる節税が可能です。

参考:青色申告制度|国税庁

電話でのお問い合わせLINEでのお問い合わせ

税理士との付き合い方

自分だけで確定申告の書類を埋めるのが難しければ、税理士に依頼するという方法があります。

  • ・顧問税理士さんと長く付き合う
  • ・1年に1回だけ相談して費用を抑える

主に2つの付き合い方があり、双方にメリット・デメリットがあります。顧問税理士さんとお付き合いをすれば、困ったタイミングですぐに相談できますし、付き合いが長くなれば事業に関する理解が深くなっていくので安心感があります。

一方、1年に1回確定申告の時期だけ税理士に依頼をするという方がいます。この場合は費用を抑えられるのが大きなメリットとなりますが、それ以外の時期はご自身で領収書や帳簿の管理をしていただく必要があるでしょう。

電話でのお問い合わせLINEでのお問い合わせ

税に関する悩みは税理士へ

確定申告は、必ず税理士に相談しなければいけないものではありませんが、多くの人にとって億劫な作業となりがちです。1年に1回の確定申告の時期に負担を感じるようであれば、税理士にご相談ください。

‐免責事項‐

当ブログのコンテンツ・情報について、できる限り正確な情報を提供するように努めておりますが、正確性や安全性を保証するものではありません。内容は記事作成時の法律に基づいています。当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。