高級クラブの税金や申告について相談できる税理士は、どのように探せばよいのでしょうか。日中に事業を営む通常の企業とは異なり、高級クラブの売上や固定費には、特有のルールが存在する場合もあるため、水商売のことを理解してくれる税理士でないと対応が難しい場合があるでしょう。
ここでは、高級クラブの税務申告で頼りにできる税理士を探す方法や、高級クラブの税務調査で指摘を受けやすいポイントなどについてわかりやすく解説しています。現在顧問の税理士がいるが、他の税理士の意見も聞いてみたいといった際の参考としても役立つ内容となっています。



高級クラブの税金や申告で相談できる税理士を探す方法

高級クラブの税金や申告を相談できる税理士を探すには、以下のような方法があります。

高級クラブや水商売業界に強い税理士であることをアピールしている

高級クラブや水商売業界などに特化している場合は、税理士事務所のホームページなどでその旨に関する記載が必ず見つかるはずです。
現在この記事を読んでいる方の中にも「高級クラブ 税金」などで検索して見つけた方が多いのではないでしょうか。
高級クラブの税務申告や接客飲食店、キャバクラなどの税務調査対応実績が豊富な税理士であれば、そのことをアピールしている税理士事務所へ問い合わせてみるとよいでしょう。

税務調査の取扱実績が多く、税務調査のみの対応も可能としている

税務調査の取扱実績が多いということは、それだけ多様な業種への税務申告や対応実績があると言えます。
特に、高級クラブを含むバーや接待飲食店などは、税務調査で不正が見つかりやすい業種として、税務署でも積極的に調査対象としています。
こうした業種への税務調査は抜き打ちで突然調査官が訪問することも多いため、税務調査のみの対応も可能としている税理士事務所は、税務申告や税務調査対応にかなりの自信があり、それだけの実績を積み上げているということがわかるでしょう。

国税局や税務署での勤務経験がある税理士

税務調査の実績が多い税理士は、高級クラブなどの水商売業界事情にも詳しい人が多いと同時に、国税局査察部内や税務署内の事情にも詳しい人であることが多いものです。
その理由として、税務申告や税務調査で調査官と対峙する際に、相手側が注目するポイントや課税対象として追及するのはどこか、といった情報を知っていないと、交渉をスムーズに進めることが難しくなるという理由があります。
また、税務調査を担当する調査官は「内観調査」という潜入調査をよく行っています。内観調査とは、客を装ってクラブを利用し、クラブのさまざまな実状を調査することです。内装や備品、メニューの価格や会計方法、ホステスを含む従業員の人数や領収書の渡し方といったポイントまでチェックして、後日税務調査に行った際、照合する証拠とします。
接客にあたるホステスさんとの会話の中で、給与の源泉徴収や月収、罰金制度などについてさりげなく確認することもあるでしょう。
税務署や国税局に所属していたことのある税理士は、それだけである程度、高級クラブや水商売に関する知識を持っているということもできそうです。

高級クラブの税務調査で指摘を受けやすいポイント

高級クラブへ税務調査が入った場合、以下のようなポイントで指摘を受けやすいでしょう。

ホステスさんへ支払う給与関連

高級クラブでは、1テーブルあたりの売上も高額であるのに比例して、接客するホステスさんへ支払う給与も高額となります。
そのため、架空のホステスへ給与を支払ったと見せかけ、人件費を水増ししているのではないかという視点で調査を受けることになるでしょう。
クラブやラウンジでは、ホステスさんは本名ではなく源氏名で働いているため、実在する人物なのかという点が税務調査で指摘を受けやすいポイントとなります。
過去3年から5年、悪質とみなされるケースでは7年もの従業員名簿を遡って給与の支払先を確認される可能性もあります。
また、給与から差し引いた源泉徴収を申告漏れしていないか、罰金制を設けていて、給与を支払った後に現金で罰金を徴収していないか、といった点も追及されるでしょう。

お店の売上関係

売上を漏れなく計上しているか、伝票を破棄したり、現金を入金せず隠したりしていないか、といったポイントも必ず調査されます。
特に現金払いで高額な売上があった時などに内観調査で調査官が来ていたら、後日税務調査で必ずその日付に売上が記帳されているかは見られると思った方がよいでしょう。
顧客へ白紙の領収書を渡した場合、その顧客が税務調査となれば、白紙の領収書へ記載された金額の売上計上は必須となります。お酒の席で常連の顧客から頼まれると断りづらいかもしれませんが、白紙領収書は渡さない方がお店のためとなります。

お店の仕入関係

お酒を仕入れる際に現金払いとしていて、請求書や納品書などを破棄してしまっている場合、実際には仕入れているか、経常している金額より安く仕入れていないかといった点が確認されることもあります。
反面調査として、取引先や仕入れ先へ調査官が連絡を入れ、事実確認をする場合もあるでしょう。

お店の経費関係

経営者が知人と行った食事代などを経費として計上していないか、家族旅行で使った交通費を経費にしていないかというチェックも必ず行われます。スカウトの際に遠方へ出向いた交通費であっても、証拠がないと疑われてしまう可能性があるのです。
経費のレシートや領収書を保管しておくことはもちろんですが、何に使ったかの名目を控えておき、調査の際には毅然と説明できるようにしておくことが大切です。

こうしたチェックポイントについて高級クラブの事情に詳しい税理士へ依頼すれば、専門知識を基に合法な交渉をしてもらうことができます。



まとめ

高級クラブの税務申告を依頼する税理士は、水商売の事情と税務署や国税局の事情の両方に詳しく、税務調査対応の実績が豊富であることが望ましいでしょう。税務調査の際に注意するべきポイントも、早めに対策を取ることで慌てずに済みます。高級クラブの税務申告でお困りの場合は、税理士法人松本の初回電話相談無料をぜひご利用ください。