本業として昼間に働きながら、副業で夜間の仕事(いわゆる「夜職」)をしている方の中には、「勤務先に副業が知られてしまわないか」と不安を抱く方も少なくありません。
副業が勤務先に知られるきっかけの多くは、住民税の通知や社会保険の加入状況、扶養条件の変化など、税務や社会保険の仕組みに起因するケースです。
副業を安心して続けるためには、なぜ副業が発覚するのかという原因を理解し、制度に沿った適切な手続きを取ることが不可欠です。
本記事では、昼職と夜職の掛け持ちがバレる主な原因と、そのリスクを抑えるための基本的な対策について解説します。
目次
夜職の掛け持ちがバレてしまう原因
自分から口にしたわけではないのに、昼職に夜職がバレてしまうのはなぜなのでしょうか。
掛け持ちがバレてしまうよくある原因について、確認しておきましょう。
- 住民税が昼職の給与から天引きされているから
- マイナンバーでバレてしまう!?
- 社会保険でバレる可能性は低い
- 自身の振舞いからバレるかも
住民税が昼職の給与から天引きされているから

昼職に夜職がバレてしまう原因として最も注意したいのが、住民税の天引きです。
昼職でお勤めの方は、給与から住民税が天引きされているはずです。
住民税の額は収入によって変動しますので、住民税が不自然に高額だと「他に収入があるのでは」「副業をしているのでは?」と推測されることがあります。
ただしこの段階では副業がバレてしまうだけで、すぐに夜職だと特定されるわけではありません。
住民税の金額だけで職種までバレることはありません。
マイナンバーでバレてしまう!?
夜職の面接時にマイナンバーの提出を求められるケースがありますが、マイナンバーを通じて昼間の勤務先に副業・兼業が知られる心配は基本的にありません。
マイナンバーは、所得税や社会保険の手続きなどにおいて行政機関が個人情報を適切に管理するために利用されるものであり、勤務先同士がマイナンバー情報を共有する仕組みは存在しません。したがって、マイナンバーから直接的に副業や兼業が勤務先に通知されることはありません。
また、夜間の仕事において身分証明書の提示が求められる場合でも、運転免許証や健康保険証などの一般的な本人確認書類で対応できる場合が多く、マイナンバーカードの提示は必須ではありません。
なお、雇用契約を締結せず、業務委託や日払いアルバイトなどで働く場合には、雇用保険や社会保険の手続きが発生しないため、マイナンバーが利用される機会も少ないのが実情です。
社会保険でバレる可能性は低い
「社会保険から副業がバレた」という話を耳にすることがありますが、これは副業先でも雇用契約を結び、双方の会社で社会保険に二重加入してしまうケースでの事例です。
夜職のキャストは多くの場合、業務委託や報酬型契約で働くケースが多いため、個人事業主として扱われるのが一般的です。
そのため、社会保険への加入義務は発生せず、昼間の勤務先で加入している社会保険にのみ加入している状態であれば、社会保険を通じて副業が勤務先に知られるリスクは低いと考えられます。
ただし、注意が必要なのは扶養から外れるケースです。例えば、親や配偶者の扶養に入っている場合に、副業などで収入が一定額を超えると、扶養から外れる手続きが必要になります。この際に、収入増加の事実から副業が推測される可能性があります。
参考:扶養控除|国税庁
自身の振舞いからバレるかも
税金や住民税の手続きを完璧にしていたとしても、自身の振舞いから周囲に夜職を疑われてしまうケースがあります。
「SNSで派手な投稿が目立つ」「急にブランド品を身に着けるようになった」というような目立つ行動はしないよう、心がけておきましょう。
夜職を隠したいのであれば、「高級飲食店で食事をした」「お酒に急に詳しくなった」というような会話の内容にも気を配るようにしてください。
昼職にバレないように掛け持ちする対策
夜間の仕事を副業として行う場合、「副業が勤務先に知られてしまうのではないか」と不安に感じる方も少なくありません。実際に副業が発覚してしまうケースがある一方で、昼職と副業を問題なく両立させている方も多く存在します。
もちろん、「これを守れば絶対に副業がバレない」という方法はありませんが、副業が知られるリスクを抑えるために意識すべきポイントはいくつかあります。
- 住民税を普通徴収にする
- 昼の職場の近くで夜職をしない
- 自身の言動や身なりに注意する
- 夜職の面接時には掛け持ちを伝えておく
- 掛け持ちしやすいお店の条件を考える
- スケジュールや体調を管理する
住民税を普通徴収にする
昼職に夜職での副業を隠したいのであれば、住民税に関しては必ず意識しておきましょう。
確定申告をする時に、住民税の支払い方法を「普通徴収」と選択してください。
住民税の支払い方法は2通りあり、会社が給与から天引きする特別徴収と、自身で納付する普通徴収があります。
副業分の住民税を「普通徴収」に設定することで、本業の勤務先に住民税額が通知されず、給与からの天引き額の増加によって副業が推測されるリスクを減らせます。
ただし、市区町村によっては副業分の住民税も特別徴収にまとめて処理される場合があるため、事前に役所へ確認しておくことが望ましいでしょう。また、確定申告時に「住民税・事業税に関する事項」欄で必ず「自分で納付(普通徴収)」を選択することが必要です。
昼の職場の近くで夜職をしない

昼と夜の職場が物理的に近いと、上司や同僚、お客様が来店するリスクがあります。
またお見送りや客引きでドレス姿で店の前に立っているのを見られるというように、こちらが気付かない状態で目撃されてしまう可能性があります。
単純な注意点ではありますが、職場から離れたお店を選ぶとバレるリスクを下げられます。
職場同士は近い方が利便性は高いですが、バレたらそもそも掛け持ちを続けられなくなってしまうかもしれませんので、最初に配慮しておいた方が無難です。
自身の言動や身なりに注意する
「副業をにおわせるような発言はしない」「夜職のSNSでは顔出ししない」というように注意し、発言や行動により、自分から夜職がバレるというような失態をしてしまわないようにしてください。
「仲の良い人だから」「信頼できる人だから」と思っても、夜職の話はしない方が無難です。
SNSでの発信をしたい方は、夜職用のアカウントを別で作成して、そちらで発信をするようにしましょう。
夜職の面接時には掛け持ちを伝えておく
昼職の方には夜職での勤務をバレないようにするとしても、夜職の方には掛け持ちであるという状態を正直に話しておきましょう。
出勤日数や勤務日数、また昼間の時間の過ごし方などの理解を得られるようになるためです。
夜職の勤務状況によっては昼間の時間も業務関係の連絡が発生する場合があります。
「昼は本業があるので、このような営業ができない」という状況を共有しておくと自分自身がお店で働きやすくなります。
掛け持ちしやすいお店の条件を考える
夜間の仕事を副業として選ぶ場合は、勤務条件やお店独自のルールを事前に確認することが重要です。
例えば、以下のようなルールがある店舗では、本業との掛け持ちが難しくなる可能性があります。
・遅刻や当日欠勤に対して罰金が科される
・一定の出勤日数や売上を求める「ノルマ」がある
一方で、「週1日から勤務可能」「シフトの自由度が高い」といった柔軟な勤務形態を採用している店舗を選ぶことで、本業への影響を最小限に抑えながら副業を継続しやすくなります。
副業を検討する際には、勤務条件・罰則・ノルマの有無などを事前に確認し、無理なく両立できる環境を選ぶことが大切です。また、副業収入が発生する場合は、確定申告や住民税の取り扱いについても事前に理解しておく必要があります。
スケジュールや体調を管理する

夜職でシフトに入ると効率よく稼げるため、ついついシフトを増やしたくなってしまうかもしれません。
しかし無理なスケジュールを組むと、本業に支障が出てしまうだけでなく、体調を崩してしまう危険もあります。
お休みの日を自分なりに確保してリラックスタイムを作る、栄養のあるものを意識的に食べて体調を整える等、簡単にできることからで構いません。
体調を崩してしまっては元も子もないので、まずは自分自身の管理を丁寧に行ってください。
昼職夜職掛け持ちの確定申告
確定申告とは、1年間の収支と納めるべき税金を税務署に報告するものです。
会社員であれば年末調整によって納税まで完了しますので、自身で書類等を作成する必要がありません。
夜職で副業をしている人は年末調整がありませんので、自身で確定申告をする必要があります。
- 夜職は年間20万円を超えたら確定申告を
- 毎月控除されている源泉徴収税とは
夜職は年間20万円を超えたら確定申告を

夜職で年間(1月1日~12月31日)20万円の所得を超えたら、確定申告が必要になります。
ここで注意したいのは、「収入」ではなく「所得」という点です。
所得とは、収入‐経費を引いて残った利益を指します。
例えばキャバ嬢の経費といえば、以下のようなものが該当します。
- 通勤のためのタクシー代
- ドレス代
- ヘアメイク代
- お客様との連絡のための通信費
このように、業務で必要なものであれば経費として計上できます。
収入から、これらの経費を差し引いて、所得が20万円以上あれば確定申告を行いましょう。
参考:確定申告|国税庁
毎月控除されている源泉徴収税とは
夜職で受け取った給与明細を見てみると、源泉徴収税が天引きされてはいないでしょうか。
源泉徴収税とは、所得税を天引きするものであり、天引きされた分はすでに所得税を納めた状態となります。
すでに納めた所得税を正しく申告しておかないと、二重払いになってしまう可能性があります。
確定申告によって、さらに所得税の納税が必要であれば支払いをし、所得税を払いすぎている状態であれば還付金を受け取れます。
確定申告をしないと昼職にバレる?
夜間の仕事を副業として行っている場合、確定申告を怠ると勤務先に副業が知られるリスクが高まります。これは、税務上の手続きや住民税の取り扱いに起因するものです。
主なリスクは以下の通りです。
住民税の手続きミスで懲戒処分
- 高額な罰金で給与差し押さえに陥るかも
- 税務調査によりバレる危険がある
住民税の手続きミスで懲戒処分

お伝えした通り、住民税を普通徴収に変更するという対策は最低限しておくべきです。
もし確定申告をせずに、住民税を特別徴収(会社の給与から天引き)という状態にしたままだと、住民税の金額から副業がバレる可能性があります。
副業が禁止の会社の場合は、会社の就業規則によって最悪の場合懲戒処分となってしまうかもしれません。
住民税からは、おおよその年収が推測できてしまいますので、金額によっては夜職を疑われてしまいます。
高額な罰金で給与差し押さえに陥るかも
確定申告をしないと無申告となり、税務署にバレると追徴課税が課せられます。
本来払うべき税金よりも、高額なペナルティが課され、資金繰りが悪化する恐れがあります。
参考:加算税の概要|財務省
税務調査によりバレる危険がある
税務調査とは、税務署が税申告や納税が正しく行われているかを確認する調査です。
調査官が訪問し、帳簿や領収書といった資料をチェックしていくもので、無申告の人や夜職の人は対象になりやすい傾向があります。
税務調査の過程で、税務署からの照会や通知により、間接的に勤務先へ副業が知られる可能性があります。
確定申告をしたことがない人へ
「確定申告をしたことがない」「何から始めればよいのかわからない」という方も少なくありません。会社員として給与所得のみであれば、通常は年末調整で税務手続きが完了するため、確定申告の経験がない方が多いのも自然なことです。
しかし、「わからないからやらなかった」では済まされません。確定申告を怠ると、無申告加算税や延滞税といった追徴課税の対象となる可能性があります。副業や夜間の仕事で収入がある場合は、確定申告が必要かどうかを早めに確認し、適切に対応することが重要です。
夜職の先輩に相談する、税理士に相談するなど、できる行動から始めていきましょう。
確定申告は税理士に相談を

確定申告は自分で書類を作成できるものではありますが、難しいと感じる方は税理士に依頼するのがおすすめです。
税理士は税務のプロであり、確定申告について相談すると
以下のようなメリットがあります。
- スムーズな確定申告書の作成
- 必要経費のボーダーラインが明確になる
- 過去の無申告にも対応してくれる
スムーズな確定申告書の作成
確定申告書の作成を税理士に依頼することで、申告内容の正確性を確保し、過不足のない申告が可能になります。専門家が関与することで、所得や経費の計上漏れ、記載ミスといったトラブルを防ぐことができます。
また、副業をしている場合に特に注意したいのが、住民税の納付方法の選択です。
税理士であれば、住民税の納付方法を含め、制度に則った適切な申告手続きについて確認・サポートを行うため、安心して申告が進められます。
初めての確定申告や副業収入の申告に不安がある場合は、税理士に依頼することで、正確かつ安心な手続きを進めることができます。
必要経費のボーダーラインが明確になる
夜職で経費と認められるものは、プライベートでも必要な物が多くなってきます。
「どこまでが衣装代?」「化粧品代はどこまでが経費?」という曖昧なボーダーラインも、税理士が確認してくれるので正しく申告でき、節税にもなります。
自分では判断しにくいグレーゾーンのものは、一度税理士に確認してから経費にするようにしましょう。
過去の無申告にも対応してくれる
「確定申告って難しそう」「去年しなくても大丈夫だった」という理由で、数年無申告状態という方はいませんか?
無申告は時間が経てば経つほど、加算税や延滞税などの法的リスクが高まります。
税務署に指摘される前に、自己申告をすればペナルティが課せられるものの、最小限に抑えられます。
税理士に正直に相談し、1日も早く無申告の分を申告するようにしてください。
昼夜の掛け持ちはバレずに続けられる
夜職を始めて、会社バレしてしまう人がいる一方で、バレずに掛け持ちを続けていける人もいます。
「なぜ会社バレしてしまうのか」というポイントを知らないと、対策の仕方がなく、何もできずに会社に夜職がバレてしまうのです。
確定申告を正しく行い、会社バレしないような対策を行うべきですが、一人では難しいと感じる方は、税理士にご相談ください。
税理士法人松本は、夜職関連の税務サポート実績が多くありますので、まずはあなたのお悩みをお聞かせください。
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