ギャラ飲みは、空いた時間を活用して収入を得られる新しい働き方として広がっています。しかしその一方で、確定申告の必要性や税金の扱いを正しく知らないまま、報酬を受け取っている方も少なくありません。

実際、ギャラ飲みで得た収入は原則として課税の対象となり、条件によっては確定申告が必要となります。もし申告が必要にも関わらず申告を行わない場合、後日、税務署から指摘を受けるなど、思わぬトラブルにつながる恐れもあります。

本記事では、ギャラ飲みの仕組みやパパ活との違い、確定申告が必要になるケース、申告しなかった場合のリスクから具体的な申告方法まで分かりやすく解説します。

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ギャラ飲みとは?仕組みやパパ活との違い

ギャラ飲み

ギャラ飲みとは、飲食の場に同席して会話や場を盛り上げることで、その対価として報酬を受け取る働き方です。 副業やスキマ時間を活用できるといった手軽さから、収入源として人気が高まる一方で、「パパ活とは何が違うのか」「税金はどうすればいいのか」といった疑問を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこでまずは、ギャラ飲みの基本的な仕組みとパパ活との違いを確認しておきましょう。

ギャラ飲みの基本的な仕組み

ギャラ飲みは、飲食店や会食の場に同席し、接客などの「サービス」を提供することで報酬を得る仕組みです。 報酬は時間制や1回あたりの定額で支払われることが多く、マッチングアプリを通じて案件を受けるケースのほか、個人間で直接やり取りする形態も見られます。

多くの場合、会社に雇われる「雇用契約」ではなく、対等な立場で仕事を請け負う「業務委託」のような関係となります。そのため、受け取るお金は会社員がもらう「給与」ではなく、所得税法上の「雑所得(ざつしょとく)」または「事業所得」として扱われるのが大きな特徴です。

なお、ギャラ飲みに特化したアプリには、以下のようなものがあります。

  • ・aima(アイマ)
  • ・paters(ペイターズ)
  • ・glass(グラス)
  • ・姉aima(アネアイマ)
  • ・pico(ピコ)
  • ・tea lounge(ティーラウンジ)
  • ・pato(パト) など

パパ活とは何が違う?

ギャラ飲みと混同されやすいものに「パパ活」がありますが、両者には税務上の扱いに違いが生じるケースがあります。 パパ活は交際や生活支援といった「私的な関係」を前提とすることが多い一方、ギャラ飲みは「飲食への同席」というサービスの対価として報酬が支払われるのが一般的です。

税務上はどちらの名目にも関わらず「お仕事としての対価」であれば課税対象となります。特にギャラ飲みは、継続的に行われることが多く、営利を目的としたサービス提供であることから、所得税(一般的には雑所得)の対象となる可能性が高いと言えるでしょう。

一方で、パパ活のように特定の人から「お手当」をもらう場合、それがサービスへの対価ではなく、純粋なプレゼント(贈与)とみなされれば、所得税ではなく贈与税の対象となる場合があります。
ただし、実態が「継続的なサービスの対価」とみなされれば所得税がかかるため、個別の判断が重要となります。

参考:国税庁|所得税のしくみ

参考:国税庁|贈与税の申告

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ギャラ飲みの収入は確定申告が必要?

確定申告

ギャラ飲みで得た報酬について、「副業だから申告しなくても大丈夫」「少しくらいいいだろう」と考えている方は少なくありません。

しかし、確定申告が必要かどうかは、収入の金額だけではなく、本業の有無、所得の種類、住民税や扶養に入っているかいないかなどの状況によって決まります。特にギャラ飲みは「給与」とは扱いが異なるため、自分に申告義務があるかしっかり確認する必要があります。

ここでは、確定申告が必要になるケースや不要なケース、会社員・学生・主婦それぞれが気をつけたいポイントについて解説しますので、ご参考ください。

参考:国税庁|申告が必要かなどを調べる

確定申告が必要になるケース

ギャラ飲みの収入で確定申告が必要になる代表的なケースは、年間の「所得金額」(収入から経費を引いた残り)が一定額を超える場合です。 たとえば、会社員が副業としてギャラ飲みをしている場合、給与以外の所得が年間20万円を超えると、原則として確定申告をしなければなりません。

専業でギャラ飲みを行っている方や、他に収入がない場合においても、基礎控除額である合計所得金額48万円(所得税の場合)を超えると申告義務が生じます。

また誤解しやすい点として、「アプリ経由だから」「現金で手渡しだから」といった理由で申告が不要になると思われる方もいるかもしれませんが、継続的に報酬を得ているのであれば、金額にかかわらず申告が必要になる可能性がある点に注意が必要です。

参考:国税庁|確定申告が必要な方

関連記事:夜職で働く人が確定申告してないとどうなる?不要な人もいるの?

確定申告が不要なケース

一方で、条件によっては確定申告が不要となる場合もあります。 たとえば、会社員の方で年末調整を受けており、ギャラ飲みなどの副業所得が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要です。
ただし、住民税については「20万円以下」という免除ルールがないため、お住まいの市区町村への申告が必要になる点には注意しましょう。

また、収入から必要経費を差し引いた結果、所得がゼロまたは赤字(マイナス)になる場合も、申告義務は生じません。とはいえ、後から税務署に説明を求められた際に困らないよう、収入や経費の記録は必ず残しておくのが賢明です。

会社員・学生・主婦の場合の注意点

会社員で本業がある場合、副業所得が20万円以下なら所得税の申告は不要ですが、「住民税」を通じて会社に副業が知られるリスクがありますので、注意してください。 会社員の場合、確定申告をすると副業分の住民税が本業の給与から天引き(特別徴収)されるようになり、こうした税額の変化から、会社に副業が推測されるケースがあります。

副業所得を知られないようにするためには、確定申告時に住民税の納付方法を「自分で納付(普通徴収)」に設定しましょう。こうすることで、ギャラ飲み分の住民税は自宅に届く納付書で支払う形となり、勤務先に情報が伝わりにくくなります(※市区町村によっては普通徴収が認められない場合があるため、事前の確認が推奨されます)。

また、学生や主婦の方は「扶養」のルールが重要となります。年間の所得が一定額を超えると、親や配偶者の扶養から外れてしまうため、本人だけでなく家族の税負担が増える恐れがあります。よく言われる「103万円の壁」はアルバイトなどの給与所得者の基準であり、ギャラ飲みのような雑所得・事業所得の場合は、所得税の基礎控除基準である「48万円」が扶養判定の一つの基準となる点に気をつけましょう。

参考:国税庁|No.1199 基礎控除

参考:国税庁|住民税の徴収方法の選択

参考:個人住民税と特別徴収について – 東京都主税局

ギャラ飲みの所得区分は何になる?

ギャラ飲みで得た収入の所得区分は、多くの場合「雑所得」または「事業所得」に分けられます。 単発や不定期で行っている場合や、本業の傍らで行っている場合は「雑所得」と判断されるのが一般的ですが、一方で、ギャラ飲みを本格的な事業として継続的に行い、大きな収入を得ている場合は「事業所得」と判断される可能性もあります。

ただし、2022年(令和4年)のルール改正により、副業の収入が年間300万円以下で、かつ帳簿(取引の記録)を付けていない場合は、原則として「雑所得」として区分されることになりました。

所得区分によって、経費の認められ方や「青色申告」ができるかどうかが異なります。自分の働き方がどちらに該当するかは、収入額だけでなく、継続性や営利性を総合的にみて判断しましょう。

参考:国税庁|No.1500 雑所得

参考:国税庁|No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)

ギャラ飲みで経費にできるもの・できないもの

ギャラ飲みにかかった費用のうち、業務に直接必要と認められるものは経費として収入から差し引くことが認められる可能性があります。 たとえば、仕事で使用する衣装代やメイク用品、現地までの交通費などは、業務との関連性が明確であれば認められやすい費用です。

一方、私生活でも使うような普段着の服代、日常的な美容代、プライベートでの飲食代などは経費として認められません。また仕事とプライベートの両方で使っているものについては、使用比率(仕事で何割使っているか)に応じて分ける「家事按分(かじあんぶん)」という考え方に基づき、経費を算出する必要があります。

また、領収書がない場合でも、レシートなどに日付・金額・内容をメモしておくことで説明できるケースもありますが、より確実な証拠とするために、領収書や証憑(しょうひょう)を必ず残し、保管する習慣をつけましょう。

参考:国税庁|No.2210 必要経費の知識

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確定申告をしないとどうなる?

ギャラ飲み収入

ギャラ飲みの収入について、「金額が少ないから大丈夫」「現金でもらっているからバレない」と考えて申告をしていない方もいるかもしれません。

しかし、本来確定申告が必要なのにもかかわらず申告を行わない場合、後から税務署に把握され、本来よりも重い税金やペナルティが課される可能性があります。特に近年はマイナンバーの活用やキャッシュレス決済の普及により、個人の収入は以前よりも把握されやすくなっていますので、注意しましょう。

ここでは、ギャラ飲みの収入が税務署にどのように把握されるのか、また申告しなかった場合の具体的なリスクとはどのようなものなのかについて解説します。

税務署にバレる可能性はある?

ギャラ飲みの収入が税務署に把握される可能性は、決して低くありません。 まず、アプリを通じて報酬を受け取っている場合、運営会社への税務調査などをきっかけに、利用者の取引履歴が判明することがあります。
また、銀行口座への定期的な入金も調査の対象になりやすく、マイナンバーを通じて収入の実態が紐づけられることも考えられるでしょう。

さらに、取引先や関係者からの情報提供、他の関係者への調査から芋づる式に判明するケースもあります。 「現金だから大丈夫」「副業だから目立たない」といった理由で申告しないままでいると、後から数年分まとめて指摘を受け、大きな負担を背負うリスクがあることを覚えておきましょう。

関連記事:夜職はなぜ“密告”されやすい?税務署にみられやすいポイントと税務調査対策

無申告加算税・延滞税のリスク

確定申告が必要にもかかわらず申告をしなかった場合、本来納めるべき税金に加えて、無申告加算税や延滞税が課される可能性があります。 無申告加算税は、原則として納付すべき税額に対して、50万円以下の部分は15%、50万円超300万円以下の部分は20%、300万円超の部分は30%(2024年改正)が上乗せされるペナルティで、税務署から指摘を受けてから申告すると、負担が大きくなりがちです。

また、延滞税は申告や納付が遅れた日数に応じて発生するため、放置している期間が長ければ長いほど金額が増えていきます。そのため、「あとでまとめて払えばいい」と考えるのはリスクが高く、早めの対応が重要です。

なお、意図的な隠蔽とみなされた場合は、さらに重い重加算税(最大40%)が課されることもありますので、十分に注意しましょう。

参考:財務省|加算税制度の概要①(基本情報)

参考:国税庁|No.9205 延滞税について

過去分はあとから申告できる?

もし過去に申告漏れがあったとしても、今から申告することは可能です。これを「期限後申告」と呼びます。特に重要なのは、税務署から指摘を受ける前に自主的に申告を行うという点で、これにより、ペナルティである無申告加算税が大幅に軽減される場合があります。

収入や経費の記録が残っていれば、過去の分については申告が可能ですので、不安を感じるようであれば放置せず、まずは状況を確認し、必要に応じて税理士に相談し対応しましょう。

参考:国税庁|No.2024 確定申告を忘れたとき

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ギャラ飲みで確定申告が必要な場合のやり方

夜職の確定申告

ギャラ飲みの収入について、確定申告が必要だと分かっても、「何から手をつければいいのか分からない」「手続きが難しそう」と感じる方は多いのではないでしょうか。

しかし事前に必要な情報を整理し、準備して進めていけば申告は可能です。 ここでは、申告前の準備から申告書の書き方、提出方法まで解説します。

申告前に準備するもの

確定申告をスムーズに進めるためには、事前準備が大切です。 まず必要となるのが、ギャラ飲みで得た収入の記録です。アプリを利用している場合は、アプリ内の取引履歴や報酬明細を確認し、個人間取引の場合は振込明細や受取日・金額を整理しましょう。

次に、仕事に関連してかかった経費の領収書や、領収書がない場合は支出内容を記録したメモ(レシートなど)を用意します。 加えて、本人確認書類としてマイナンバーカード(なければ通知カード+運転免許証などの本人確認書類)を準備しておきましょう。 また社会保険料の控除証明書などもあるようでしたら、揃えておきましょう。

確定申告書の書き方の基本

ギャラ飲みの収入を申告する際、まず所得区分を確認しましょう。

単発や副業で行っているギャラ飲みの収入は、多くの場合「雑所得」として申告します。具体的には、1年間の「収入総額」と、かかった「経費の合計」を計算し、その差額(所得)を申告書に記載します。

一方、継続的な活動で事業としての実態がある場合は「事業所得」として申告します。その場合、より詳細な「収支内訳書」や「青色申告決算書」が必要となり、帳簿付けも求められますので、事前準備が必要になることを頭にいれておきましょう。

なお、青色申告は「所得税の青色申告承認申請書」を事前に提出している場合に限り利用できるため、いきなり当年の申告から適用できるわけではない点に注意してください。

参考:国税庁|確定申告書等の様式・手引き等

e-Taxと書面提出、どちらがいい?

確定申告の提出方法には、e-Tax(電子申告)と書面提出の2種類から選べます。

e-Taxはパソコンやスマートフォンから提出ができます。24時間、好きな時に自宅で申告ができ、還付金(戻ってくるお金)がある場合の振込も早いため、おすすめです。マイナンバーカードがあれば比較的簡単に手続きができますので、是非試してみてください。また、青色申告特別控除を受ける場合、e-Taxを利用することで控除額が最大65万円になるというメリットもあります。(※雑所得の場合はこの控除は適用されません。)

一方、書面提出は申告書を印刷し、税務署に持参または郵送する方法です。パソコンやスマートフォンの操作に不安がある方や、紙に残しておきたい方には安心感がありますが、e-Taxと比べると手間はかかるといえるでしょう。

初心者の方の場合、画面の案内に従って入力できる国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用するのがスムーズでしょう。ご自身の環境や慣れに応じて、無理のない方法を選ぶことが大切です。

参考:国税庁|No.2072 青色申告特別控除

参考:国税庁|確定申告書等の作成

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ギャラ飲みをしている人が今からできる対策

収入

ギャラ飲みは気軽に始めやすい一方で、収入管理や税務対応を後回しにしてしまいがちです。 ですが、日頃から対策をとっておくことで、確定申告の負担や税務上のリスクを減らすことができます。

ここでは、ギャラ飲みをしている方が今すぐ始められる習慣を3つご紹介します。

収入と支出を日頃から記録する

アプリの場合は取引履歴を定期的に確認すること、また個人間取引の場合は受取日や金額をその都度記録しておくこと、さらに、業務に関連する交通費や衣装代などの支出についても、領収書を専用の封筒に保管するなど、内容をきちんと記録しておくことが大切です。

日頃からこうした記録を取っていけば、確定申告が必要になった場合でも慌てずに対応できますし、申告漏れや過少申告のリスクも抑えられます。
後でまとめてやるのではなく、日常的に管理することで申告時の負担はぐっと軽くなりますので、習慣化を目指して取り組みましょう。

確定申告が必要か早めにチェックする

収入が増え、年末になってから慌てなくてすむように、年の途中でも一度「今の収入はいくらか」「経費はどのくらいか」を計算してみてください。

会社員であれば副業所得が20万円を超えるかどうか、専業や学生・主婦の場合は基礎控除の48万円を超えるかどうか、また扶養の基準を超えないかどうかを確認しましょう。

不安な場合は税理士に相談する

「雑所得か事業所得か分からない」「この費用は経費になる?」「扶養から外れそうだけど、どうすればいい?」など、判断に迷う場合は専門家である税理士に相談するのが一番の近道です。 自己判断で進めた結果、後から税務署に指摘を受け、修正が必要になるケースも少なくありません。

特に継続的に収入がある場合は、早めに税理士に相談し、正しく申告することで、将来的な追徴課税のリスクをゼロにでき、安心してまた活動に専念できるようになるでしょう。

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ギャラ飲みも正しく申告しよう

ギャラ飲み

ギャラ飲みの収入は、たとえ副業であっても「所得」として扱われます。 申告を忘れると後から重い負担がかかる可能性があるため、早めの確認と準備が欠かせません。正しく納税し、トラブルのないクリーンな働き方を実現しましょう。

もし判断に迷うことがあれば、一人で悩まずに税理士などの専門家を頼ってみてください。それが結果的に、あなたの収入と生活を守ることにつながります。


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