働き方が多様化し、副業への関心が高まっています。本業をしながら、副業で気軽にチャットレディを始めている人も多いのではないでしょうか。昨今、会社員がインターネット取引で得た所得の申告漏れが相次いでおり、国は収入があるのに、無申告でいる人への税務調査を強化しています。もちろん、副業のチャットレディにも税務調査の連絡が入っています。
収入があるのに、無申告でいた場合のリスクや税務調査の「事前通知」が来た時にどうしたらよいのかについて、詳しく解説します。
すでに事前通知が届き、自分ではどうしたらよいか不安を抱えている人は税務調査に強い税理士法人松本までお気軽にご相談ください。




チャットレディに税務調査が入る理由

チャットレディが稼いだ報酬は、振込の形態が多いのが実情です。振込ということは、金融機関を経由していることになります。税務署の調査権限は非常に強力で、口座名義人の同意がなくても銀行口座の取引履歴などを調べることが法的に認められています。 税務署が調査する銀行口座の取引履歴は10年と長いのも特徴です。
そのため、口座からチャットレディとしての収入があることを税務署は容易に把握できてしまうのです。
また、チャットレディには、登録しているサイト(会社)から稼いでいる収入がバレてしまうリスクもあるのです。会社はチャットレディに報酬を支払っているため、会社が1月に税務署に提出する支払調書から収入がバレるケースです。
支払調書には、支払を受ける者の住所や所在地、マイナンバー、年間の支払合計額などが記載されており、あなたがチャットレディで得た収入分の申告をしていない場合、税務署側はあなたに収入があるのに無申告でいることを把握している状況になります。
さらにバレるリスクとしては、サイトを運営している会社に税務調査が入った場合です。所属しているチャットレディのリストを税務署に提出するように求められることがあります。そこから確定申告をしていないチャットレディに反面調査がいく場合があります。
いずれにせよチャットレディが無申告でいるのは、非常にリスクが高いため毎年必ず確定申告を行うことをおすすめします。

国は無申告者への税務調査を強化

無申告の人が増えてしまうと、適正な申告納税をしている人に強い不公平感をもたらすことになってしまいます。税務署は、資料情報を活用しながら、的確に無申告者を把握し、積極的に調査を実施しています。

参考国税庁レポート2023:https://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/report/report2023/pdf/2023_06.pdf

【無申告の調査事例】
・動画配信により多額の利益を得ていたが、当該利益を隠蔽し、申告をしなかった事実を把握
・いわゆる「ギャラ飲み」による多額の収益を得ており、所得税の申告が必要であったが、申告をしなかった事実を把握
・被相続人の銀行口座から生前に出金して自宅に保管していた多額の現金があり、相続税の申告が必要であると認識しながら、申告をしなかった事実を把握

無申告の調査事例から見ても、2022年は暗号資産や被相続人の相続税についての調査事例でしたが、2023年は昨今ニュースにもなっている、動画配信やギャラ飲みの無申告者への税務調査を強化していることが確認できます。

税務調査の連絡が来たらどうしたらいいのか

チャットレディの場合、報酬を現金でもらうことは少ないと思います。多くの人は銀行口座などに報酬が振り込まれます。
そのため、税務調査となる場合、税務署から自宅に「事前通知」が届きます。
「事前通知」には、①調査を行うこと ②調査対象期間 ③調査対象税目 ④回答期限 ⑤連絡先等の記載があります。
また、「事前通知」ではなく、事業内容のお尋ねなどの書類が届いた場合は、あなたの収入を税務署はなんらかのかたちで把握していることが推測されます。税務署に申告がないけど、どうされていますか?と確認されているという状況です。収入があるのに無申告だった場合は、すぐにでも税理士に相談し確定申告を行うようにしましょう。





調査となった場合、調査対象期間は一般的に3年分の調査になることが多いですが、税務署があなたの収入状況を把握している場合、最初から調査対象期間が5年となっていることが多いです。
最初から5年の調査期間と言われている場合は注意しておきましょう。
最近は、チャットレディの方からの税務調査相談が多く、チャットレディの方はとても稼いでいる人が多いため、税務調査が入った場合は、本税のほかに無申告加算税や延滞税など多額の納税になることが非常に多いのが特徴です。
納税できないからと自己破産を考える人もいますが、金融機関や消費者金融、友人知人からの謝金返済は免除されますが、税金の支払いは免除されませんので覚えておきましょう。

本業に副業していることがバレるリスク

税務調査が入り、無事に確定申告も終え一安心とはいかないのが副業をしているチャットレディです。チャットレディが本業の場合は、申告をして納税をすれば問題はありません。
しかし、チャットレディを副業としている人、親や配偶者の扶養に入っている人もたくさんいらっしゃいます。
税務調査が入り、多額の納税を済ませました。この納税は国税(所得税・消費税)です。収入が変更となった場合、地方税である住民税も変更されます。自分自身で税務調査に対応し、税務署の協力を得ながら確定申告を済ませた場合、住民税が「特別徴収」で申告してしまっている可能性もあります。本業に副業がバレたくない人は、確定申告書の第二表に記載されている「住民税に関する事項」は「普通徴収」にし、確定申告後に役所に確認し、住民税が普通徴収になっているか確認するようにしましょう。
親や配偶者の扶養に入っている人はとても危険な状況となっています。
税務調査が入ることで、多額の納税資金が必要になり、すでに使ってしまっていた場合は、親や旦那さんに相談するしか方法がなくなってしまいます。
家族にもチャットレディをしていることがバレ、それなりに収入があると扶養ではなかったことになってしまいます。そうなった場合、親や配偶者の扶養控除から外れることになりますので、親や配偶者の所得も修正する必要が出てきます。
親や配偶者が自身で修正申告を行うことはできますが、所得を修正するということは、住民税も変更されることになり、親や配偶者の会社に住民税の変更通知が届くことになります。親や配偶者は会社から確認が入ることになり、会社に事情を説明することになるかもしれません。
また、親や配偶者が働く会社から扶養に関する手当などが出ていた場合、会社に嘘をついていたということになり、親や配偶者の会社でのメンツは丸つぶれとなってしまいかねません。
そんな事態となる前に、扶養から外れる収入になることを事前に伝え、収入があるうちは毎年必ず確定申告を行うようにしましょう。

まとめ

チャットレディが無申告でいることは、非常にリスクが高いことです。国も無申告者への税務調査を強化しています。チャットレディが無申告でいる場合、自身の口座やクレジットカードの利用履歴から税務調査になるケース、登録しているサイトからの情報流出、動画や画像として残ってしまうことで、お客さんや同業者によりタレコミのリスクなどがあります。
少し稼ぐだけと始めてみたところ、気づいた時には予想以上の収入になっていることがあります。チャットレディは報酬がポイントになっていることも多く、お金の感覚が薄くなってしまう側面もあります。少しだからと甘く考えず、日々記帳を行い確定申告に向けて準備を行いましょう。
確定申告を自分で行うのが難しいと考えている人、税務署から税務調査の「事前通知」が来た人は、チャットレディの確定申告と税務調査に強い税理士法人松本までお気軽にご相談ください。