キャバクラ業界特有の商慣習の一つに「罰金制度」があります。 遅刻や当日欠勤などに対するペナルティとして多くの店舗で導入されていますが、その金額や適用ルールは店舗ごとに異なり、場合によっては報酬の手取り額を大きく圧迫する要因となります。
本記事では、キャバクラの罰金制度の仕組みや目的、ペナルティを回避して安定した収入を確保するためのポイントを解説します。 また、確定申告時の「罰金の取り扱い」についても触れています。正しい知識を身につけ、賢く働くための参考にしてください。
目次
キャバクラの罰金制度とは何か?

キャバクラの罰金制度とは、働いている女性スタッフが勤務中にルール違反をした際や勤務態度に問題があった場合などに、一定の金額を給料(報酬)から差し引く仕組みのことを指します。実際に、キャバクラ業界では、多くの店舗が独自の罰金制度を導入しています。罰金の金額や対象となる行為の具体的な内容は店によって異なり、それぞれの運営方針に基づいて決められています。
罰金制度の主な目的は、キャストに対して仕事への責任感を促し、業務に対する意識を高めてもらうことが挙げられます。キャストの働き方はお店の売上に直結するので、安定した経営にはスタッフのモチベーション管理が重要になるのも事実です。
また、キャバクラ業界では慢性的な人手不足が課題となっており、優秀な人材を長期的に確保する目的で、一定のルールを設けることが必要とされています。このような背景から、罰金制度を採用している店舗も多いのです。
キャバクラの罰金の種類

キャバクラでは、罰金制度が多岐にわたって存在しており、その内容は店舗によって大きく異なります。
具体的なキャバクラの罰金の種類については、以下の5つが挙げられます。
- 種類①:遅刻
- 種類②:当日欠勤
- 種類③:無断欠勤
- 種類④:風紀違反
- 種類⑤:ノルマ未達成
それぞれの罰金の種類について解説していきます。
種類①:遅刻
キャバクラでよく見られる罰金のひとつに、遅刻が挙げられます。寝坊や前の予定が長引いたことによって出勤時間に間に合わなくなると、多くの店舗で罰金の対象となります。
キャストの中には、昼間は別の仕事をしていたり、子育てをしながら夜も働いている人もいるので、忙しい日常の中でどうしても遅刻してしまうケースも少なくありません。数分の遅れでも、何度も繰り返すと合計で大きな金額になる可能性があるので、時間管理には十分注意が必要です。
しかし、店舗によっては事前に連絡を入れれば罰金が免除される場合もあるので、「間に合わないかも」と思った時点で、できるだけ早くお店に連絡を入れることが大切です。
種類②:当日欠勤
キャバクラ業界では、当日欠勤は店舗の営業に直接的な影響を与えるので、重要な問題とされているので、罰則の対象としている店舗が多く見られます。
実際に、キャバクラではその日の売上が、出勤するキャストの人数や配置に大きく左右されます。予定していたキャストが急に出られなくなると、接客のバランスが崩れたり、来店客への対応に支障が出ることもあるので、店舗としては大きな打撃を受けてしまうのも事実です。
そのため、当日キャンセルに対しては厳しいペナルティが科されることが多く、一般的には2〜3時間分の報酬相当額が罰金として設定されている場合があります。しかし、体調不良やインフルエンザなど正当な理由がある場合には、医師の診断書を提出することで罰則が免除されるケースもあります。
種類③:無断欠勤
キャバクラで働く上でもっとも重い処分の対象となるのが無断欠勤です。
事前の連絡もなく出勤しない行為は、店舗の運営に深刻な影響を及ぼすだけでなく、社会的な常識やマナーからも大きく逸脱しているのも事実です。無断欠勤は、営業体制の混乱や来店客への対応不足など、多方面に迷惑が及ぶので、罰則の対象として重く見られます。
このようなトラブルを避けるためにも、体調不良ややむを得ない事情がある場合は、必ず事前に店舗へ連絡を入れるようにしましょう。
種類④:風紀違反
風紀とは、キャバクラにおいて女性キャストと男性スタッフが交際関係を持つことを指します。
こうした関係が発生すると、スタッフが特定のキャストに対してえこひいきするようになり、他のキャストとの間に不公平感が生じる恐れがあります。その結果、職場の雰囲気が悪化し、キャストが辞めてしまう原因にもなってしまいます。
さらに、深刻なケースでは、男女関係になったキャストとスタッフが一緒に退職してしまうこともあり、店舗にとっては大きな損失につながります。こうした事態を避けるために、多くの店舗では風紀関係を厳しく禁じており、違反した場合には処分の対象となります。
種類⑤:ノルマ未達成
キャバクラ業界で、ノルマ未達成も罰金として科す店舗は多く見られます。実際に、キャバクラ業界では、売上が重要視されており、一部の店舗ではキャストや男性スタッフに対して、具体的な業績目標=ノルマが課されることがあります。
これらの制度は、スタッフの意識を高め、店舗全体の業績向上を目指す目的で導入されています。ノルマの種類はさまざまで、月間の売上額や同伴回数、指名数などが挙げられます。
しかし、ノルマに達しなかったからといって必ず罰則があるわけではなく、現実には罰金制度を設けていない店舗の方が多い傾向です。その代わり、目標を達成した場合にはインセンティブやボーナスが支給されるなどモチベーションを高める仕組みとして機能している場合が一般的です。
キャバクラの罰金制度は違法?

キャバクラの罰金制度が違法かどうかについては、雇用形態や罰金の内容によって判断が分かれます。一般的な雇用契約のもとで勤務している場合、罰金の取り決めは労働基準法第16条(賠償予定の禁止)に違反する可能性があります。
実際には、キャバクラのキャストは「個人事業主(業務委託)」として契約するケースが多く、その場合は原則として労働基準法が適用されません。そのため、契約内容に基づいたペナルティであれば、直ちに違法とは言えないのが現状です。
ただし、例外もあります。 形式上は個人事業主であっても、「出勤時間や業務内容がお店に完全に管理されている」など、実態が「雇用(労働者)」に近いと判断される場合は、労働基準法違反(賠償予定の禁止など)となる可能性があります。 また、個人事業主契約であっても、報酬に対してあまりに高額すぎる罰金は「公序良俗違反」として無効になるケースもあります。
キャバクラの罰金は経費(または売上の減額)として処理できる

結論から言えば、キャバクラのお店から科された罰金は、確定申告の際に経費として計上、もしくは売上から差し引くことが可能です。
税金の世界では、国や自治体に支払う「交通違反の反則金」や「税金の延滞金」などの『公的な罰金』は経費にできません。しかし、キャバクラの遅刻や欠勤による罰金は、あくまで「お店との契約上のペナルティ」であり、公的な制裁ではないためです。
税務上は、以下のいずれかの方法で処理するのが一般的です。
・売上値引: 最初から罰金分を差し引いた金額を「売上」とする
・必要経費: 罰金分を「雑費」などの経費として計上する
どちらの場合も、罰金が引かれていることがわかる「給与明細(支払明細書)」が証拠となりますので、必ず保管しておきましょう。
キャバクラの罰金制度の目的

キャバクラの罰金制度の目的については、以下の2つが挙げられます。
- ・出勤人数の確保
- ・モチベーションアップ
それぞれの目的について解説していきます。
出勤人数の確保
キャバクラでは、一定数のキャストを安定的に出勤させる目的で、遅刻や欠勤に対する罰金制度を導入している店舗が多く見られます。
特に、週末や繁忙期など来店客が増える時期には、事前に必要な出勤人数を設定していることが一般的です。しかし、当日欠勤などで休んでしまうと、人数が揃わず、営業に支障をきたすケースも起こり得ます。
こうした状況を防ぐために、勤怠への責任感を持たせる目的で罰金が設けられています。
モチベーションアップ
キャバクラにおける罰金制度には、キャストのモチベーションアップの目的も含まれています。実際に、キャバ嬢の売上はそのまま店舗の利益に直結するので、全体のパフォーマンスを維持するには、個々のモチベーション管理が重要となります。
このように、店舗側としては全員に一定の責任と働きを求めるので、ノルマや罰金といった制度を設け、不公平感が生まれないよう調整しています。
キャバクラで罰金を避けるためのポイント

キャバクラで罰金を避けるためのポイントについては、以下の5つが挙げられます。
- ・罰金制度について理解する
- ・勤怠を守る
- ・体調管理をしっかりとおこなう
- ・得意なものからノルマ達成を目指す
- ・状況に応じて診断書を提出する
それぞれのポイントについて解説していきます。
罰金制度について理解する
キャバクラで働く際に、後から思わぬ罰金を請求されないために、入店前に契約内容をしっかりと確認することが重要です。
通常、罰金に関する取り決めは、面接時に渡される書面や契約書に明記されているので、気になる点があれば、その場で内容を明確にしておきましょう。特に、未経験のキャバ嬢の場合、こうした罰則制度の存在自体を知らずに働き始めてしまうこともあり、結果として店舗側とトラブルになるケースも少なくありません。
また、面接時に罰金制度について尋ねても明確な説明がなかったり、話題を避けるような店舗には注意が必要です。
勤怠を守る
キャバクラで働く上で、罰金を避けるためには、日々の勤務態度に注意を払うことが大切です。特に、無断での欠勤や遅刻をせず、決められたシフトをきちんと守ることは、基本的なルールとして重要です。こうした基本を守るだけで、罰金のリスクを大幅に減らすことができます。
また、普段から真面目に勤務し、売上に貢献しようとする姿勢が見られるキャストであれば、少し遅刻したり、ノルマにわずかに届かなかった場合でも、柔軟に対応してくれるケースもあります。
さらに、体調が優れないなど正当な理由で出勤が難しい場合には、必ず事前にお店に連絡を入れ、状況をしっかり伝えることが大切です。
このように、円滑なコミュニケーションは、信頼関係を築く上で重要と言えます。
体調管理をしっかりとおこなう
キャバクラで罰金を避けるためにもっとも大切なのが体調管理です。実際に、夜遅くまで働くスタイルは生活リズムが崩れやすく、体調を維持するためには、日頃から意識的に健康に気を配る必要があります。
例えば、バランスの良い食事を心がけ、特に出勤前には胃に負担の少ない食べ物を選ぶことが挙げられます。また、体力の維持や免疫力の向上には、軽い運動の習慣も効果的です。
このように、日々の生活でちょっと意識することが、体調不良による欠勤や罰金のリスクを減らすことにつながります。
得意なものからノルマ達成を目指す
キャバクラで罰金を避けるポイントとして、得意なものからノルマ達成を目指すようにしましょう。キャバクラで課されるノルマにはいくつかの種類があり、それぞれ達成のしやすさには違いがあるので、無理なくクリアするためには、自分が得意とする分野のノルマから優先して取り組むことが効果的です。
また、多くの店舗では、出勤頻度に応じてノルマの内容が調整されることがあります。例えば、週に5日勤務するキャストには2件の指名を求められるなど出勤日数が多くなるほど求められる成果も高くなる傾向があります。
そのため、自分の働き方やスケジュールに合わせて、無理のない形でノルマをクリアしていくことが大切です。
状況に応じて診断書を提出する
キャバクラの勤務日に体調を崩して出勤が難しい場合は、病院で診断書を発行してもらうことをおすすめします。
本来であれば、無断欠勤や遅刻とみなされて罰金の対象になるケースでも、医師の診断書を提出すれば、処分が軽減されたり免除されたりする可能性があります。診断書の発行にはおおよそ3,000円程度の費用がかかりますが、高額な罰金を支払うことを考えると、結果的に負担が少なく済むケースもあります。
また、こうした病気による欠勤時の対応や罰則の有無については、できれば入店前の面接時にしっかりと確認しておくと安心と言えます。
キャバクラで罰金を受けるリスク

キャバクラで罰金を受けるリスクについては、以下が挙げられます。
- ・給料(報酬)から天引きされる
- ・時給が下がってしまう可能性がある
それぞれのリスクについて解説していきます。
給料(報酬)から天引きされる
キャバクラで罰金を受けるリスクとして、給料(報酬)から天引きされることが挙げられます。
キャバクラで科される罰金は、多くの場合、給与から自動的に差し引かれる形式で処理されます。例えば、罰金を何度か繰り返してしまうと、給与明細を見て初めて「ほとんど手取りが残っていなかった」という状況になってしまうケースも少なくありません。
注意点として、店舗側の計算ミスによって、本来よりも多く罰金が引かれてしまう可能性もあるので、日頃から自分の出勤状況やノルマの達成状況を記録しておくことが重要です。
そのため、自分自身の勤怠や業績をきちんと管理することで、不当な控除がおこなわれた場合にも冷静に対応できます。
時給が下がってしまう可能性がある
キャバクラで罰金を受けてしまうと、時給が下がってしまうリスクがあります。実際に、キャバクラでは、定期的にキャスト一人ひとりの働きぶりを評価し、その結果に応じて翌月の時給が見直されるシステムを導入している店舗が多くあります。
月間の売上が好調であれば、次の月の時給がアップし、より効率的に収入を得られるチャンスになります。
一方、ノルマの達成率が低かったり、当日欠勤などのトラブルが続いたりすると、罰金の影響もあって時給が下がってしまう可能性があります。また、罰金が繰り返されるようになると、徐々に信頼を失ってしまい、待遇面にもマイナスの影響が出てしまうリスクもあります。
キャバクラで働くなら罰金に注意!

今回は、キャバクラの罰金制度について紹介しました。
キャバクラの罰金制度は、キャストとして働く女性が勤務中に規則を破ったり、勤務態度に問題があると判断された場合に、対処として一定額を報酬から控除するシステムを指します。
罰金は1回ごとの金額が小さくても、重なれば数万円、時には数十万円もの差し引きが発生してしまうので、遅刻や欠勤などをしないことを徹底することが重要です。
今回の記事を参考にして、罰金のない安定した働き方を目指しましょう。
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