ソープランドは無予告で税務調査が入ることが多いのが特徴です。
売上の改ざんや裏帳簿の作成など、所得隠しが疑われる店舗には税務署の調査官が自ら客として入店し、内偵調査を行います。ソープランドが国税庁に告発されたニュースも踏まえ、税務調査で見られやすいポイントとともに、ここでは解説していきます。

一番見られやすいのは売上が適切に計上されているか

ソープランドはカード売上よりも現金売上が多いのが特徴です。現金商売であるがゆえ、売上が適切に計上されているかを必ず確認されます。
調査が入った時には、伝票や帳簿などの資料をすべて破棄していたとしても、経営者が高級車を何度も買い替えていたり、ブランド品をたくさん購入していたり、経営者の生活実態からどれだけの利益が出ていたかを推計することが可能です。税務署は、出ていた利益に対する税金を徴収することでしょう。
また、女の子に対する報酬から、売上比率やタオル代などの費用から逆算を行うなどしたときに、つじつまが合わない点から脱税が発覚するケースも多くあります。

売上を少なく申告し、実際に告発された例

過去に、ソープランドの売り上げの一部を除外し、法人税計約6900万円を脱税したとして、東京国税局査察部が法人税法違反容疑で、川崎市の運営会社を横浜地検に告発されたニュースがありました。
そのニュースの内容によると、2社は川崎市内の歓楽街で、それぞれソープランドを経営していたが、2店舗の売り上げの一部を除外しており、約4年間で計約2億9100万円の所得を隠し、法人税計約6900万円を脱税した疑いが持たれていたとのことでした。
実態としては、所得を隠すために、経理担当者を通じて店長に指示し、売上を少なく見せ掛ける虚偽の業務報告書を作らせていたそうです。
国税局が税務調査に入った際に、税務申告用と店舗経営用の「二重帳簿」が裁断されているのが見つかったという例もありますので、二重帳簿をつけている場合はいますぐやめるようにしましょう。

ソープランドの税務調査は無予告で入ることが多い

ソープランドは現金商売であるがゆえに無予告で税務調査が入ることが多いのが特徴です。無予告で入る前に、調査官も調査対象の店舗には自ら客として入店し、女性スタッフから売上や報酬、経営者にまつわる情報などを言葉巧みに聞き出す内観調査を行っています。そこから、お店の実態を把握して、申告されている内容と乖離しているか調べます。
また、調査官はWebサイトやSNS、掲示板からも情報収集を行っています。ネットの情報だから削除してしまえばいいと思っている方もいるかもしれません。
税務署はそのネット情報を紙で印刷して資料として保存しています。一度アップした投稿は税務署にはすでに見られていると認識しておいたほうがよいでしょう。

実際に税務調査が無予告で突然入った場合は、店舗や代表者の自宅に行き、店舗では伝票やリスト表、予約表、本指名本数表などを確認します。代表者の自宅では代表者の調査への了承を得るともに、銀行通帳の確認なども行われます。
初めて税務調査となった経営者は税務署に言われるがままとなってしまうことが多いでしょう。
税務調査が来たときは、まだ税理士がついていなくとも税理士に立ち会ってほしいと調査官に伝え、ソープランドの税務調査に強い税理士法人松本までお気軽にお電話ください。
税務調査は後日日程を改めて実施されるようにしましょう。




現場の調査では、
・調査官自らが内偵調査で受けたサービスの売上がきちんと計上されているか
・調査官が依頼した延長サービスや追加プレイがきちんと売上に計上されているか
・リスト表に記載がある女の子の売上がすべて計上されているか
・予約帳に記載がある客の売上が計上されているか
・売上管理システムのデータを修正・削除している履歴はないか
・オーナーに報告しているメールと売上帳にかかれている数字が一致しているか
など、たくさんの情報を調査官はチェックします。
こうして把握した矛盾点から、脱税額を指摘し、修正申告を提出するよう経営者に求めるというのが、大体の流れです。

どんな店舗が調査対象になるのか

まず、税務署で調査対象を決めるときには、
・儲かっている店舗がどうか
・店舗の規模はどのくらいで経営しているか
・すでに申告されている内容と売上が乖離していないか
あの手この手で所得隠しを行っても、調査官の目は厳しいのが現状です。
ソープランドなどの風俗業界は申告漏れが多い業種として挙げられており、税務署からマークされていることも多く、税務調査の対象になりやすい業界であることを覚えておきましょう。
税務署は店舗のサイトで得られる情報や、実際に店舗を訪れたときの女の子との会話やお店の掲示物などを確認し、小さな情報も逃さずに収集しています。そんなところまで見ているのかという細かい情報も見ています。店側はごまかしたつもりでも、ふとしたことからバレている可能性があります。

まとめ

ソープランドなどの風俗業の税務調査は他業種と比較しても多いのが特徴です。現金商売であることや、無申告や申告漏れなどが数多くあるためです。 そのほかにも経営者の通帳、WebサイトやSNSの調査、同業他社からのタレコミや、トラブルを起こした元従業員が報復としてインターネット掲示板などに公表して、税務署に情報が流れるなどの事例もあります。
売上を意図的に除外したり、二重帳簿を作成したりする脱税行為は違法です。
また、売上除外を疑われないように、売上帳やリスト表の管理の徹底、帳簿の整備をきちんと行い、適正申告適正納税を行いましょう。
脱税の規模が大きく、溜まりが大きくなると、マルサに入られるリスクも高まります。
最初からマルサに入られてしまった場合は、強制調査になりますので、調査当初の対応はされるがままとなってしまいます。マルサ以外の国税局資料調査課や税務署の調査の場合は、調査時の対応によって結果が大きく変わる場合が少なくありません。
対応する税理士の能力・交渉力によって結果が左右される部分が大きいと言えます。
税理士法人松本はソープランドなどの風俗業界に特化した税理士事務所です。
全国の風俗・水商売業界のお客様から5,000件以上の相談実績があり、業界のことを深く知っているからこそできる税務相談・税務調査サポートをさせていただいております。
税務調査でお困りの方は税理士法人松本までお気軽にご相談ください。