夜職で働いていると「確定申告をしなくても問題ない」といった話を耳にし、そのまま申告せずに過ごしている方も少なくありません。
しかし実際には、夜職は申告漏れが多い業種のひとつとして税務署からも注目されており、税務調査が入りやすい職業です。
さらに、確定申告をしないことで受けられるはずの控除や給付金を逃したり、加算税や延滞税といったペナルティを課されるリスクもあります。
この記事では、何年も確定申告しない場合のデメリットや発覚した際のペナルティ、対策方法などを紹介します。
これまで一度も確定申告をしたことがない方は、ひとりで悩まず税理士法人松本まで気軽にご相談ください。
目次
何年も確定申告していない個人事業主はどうなる?
ホステスやキャバ嬢のような個人事業主で、何年も確定申告をしていない場合、主に5つのデメリットがあります。
1. 各種控除を受けられなくなる
個人事業主の場合、確定申告をしなければ、以下のような控除が適用されません。
【所得控除】
所得控除は、所得から差し引くことで課税対象額を減らせる制度です。
社会保険料控除、生命保険料控除、配偶者控除、扶養控除、医療費控除、基礎控除などが該当します。
【税額控除】
税額控除は、算出された税額から直接差し引くことができる制度です。
配当控除、住宅ローン控除、外国税額控除、認定NPO法人等寄附金特別控除、公益社団法人等寄附金特別控除などが対象です。
【源泉徴収の清算】
企業から業務委託を受けている場合、報酬から源泉徴収が天引きされることがあります。
確定申告を行えば払い過ぎた税金が還付されますが、申告しなければ取り戻せず、無駄に支払ったままになります。
【青色申告特別控除】
青色申告特別控除は、事前に青色申告承認申請を行い、複式簿記で申告すれば最大65万円の控除を受けられる制度です。
課税所得を大きく減らせるため、納税額を抑える有効な手段となります。
2. 住民税・国民健康保険へ影響がある
住民税は、収入がない場合や赤字の場合でも申告が必要です。確定申告をしていればその情報が市区町村に共有されるため、住民税の申告を別途行う必要はありません。しかし、確定申告をしていない場合は、自分で申告を行う必要があり、1月1日時点で住んでいる市区町村の役所に出向いて手続きをしなければなりません。
また、国民健康保険にも大きな影響があります。本来、国民健康保険には所得に応じて2割・5割・7割の軽減措置が設けられていますが、確定申告を行わないと所得が確認できないため、たとえ所得基準を満たしていても軽減措置の対象外となってしまいます。結果として、本来より高い保険料を支払うことになるでしょう。
3. 給付金や助成金の対象外になる
各種の給付金や助成金は、国民健康保険と同様に所得額を基準に対象者や支給額が決まる仕組みとなっているものが多くあります。
たとえば、子育て世帯への給付や生活支援金、事業者向けの助成金などは、所得証明をもとに判断されるのが一般的です。
そのため、確定申告をしていないと所得が証明できず、本来であれば受け取れるはずの給付金や助成金の対象外となってしまう可能性が高まります。
結果として、生活支援や事業継続のための大切な制度を活用できず、損をしてしまうことになるでしょう。
4. 各種融資やローンを受けられない
個人事業主が事業融資や住宅ローンなどを利用する際には、確定申告書の控えが公的な所得証明として用いられます。
しかし、確定申告をしていなければ所得を証明できないため、必要な融資を受けられず、住宅ローンや自動車ローンの審査にも通りません。
さらに、確定申告をしていない状態は「収入を証明できない=社会的信用がない」と判断されるため、金融機関からの信頼も得られず、資金調達の機会を失ってしまいます。
こうした状況は事業や生活に悪影響を及ぼし、申告していないことで信用を失い、ますます融資が受けられないという悪循環につながります。
5. 賃貸契約ができない
所得証明となる確定申告をしていない個人事業主は、住宅ローンが組めないだけでなく、賃貸契約そのものも難しくなります。
不動産会社や大家は入居審査の際に収入証明を求めるのが一般的であり、それが提示できなければ契約を断られるケースがほとんどです。
なかには保証人を立てたり、多めの保証金を支払うことで契約できる物件もありますが、そのような大家や管理会社は少なく、非常に限られたケースと考えておいたほうがよいでしょう。
さらに、収入の申告をしていない状態で賃貸契約を進めれば、必然的に税務署に無申告の事実が発覚する可能性も高まります。
そのため、1日でも早く自主的に確定申告を行い、状況を正しく整えることが最善の対応です。
もし何年も確定申告をしておらず、「どこから手をつけたら良いのかわからない」という方は、風俗・水商売に精通した税理士法人松本へ気軽にご相談ください。
専門家のサポートを受けることで、安心して生活基盤を整えることができます。
個人事業主で確定申告していない人の割合
国税庁が公表した令和5年度の調査によると、税務調査で申告漏れなどが指摘された件数のうち、確定申告をしていない個人事業主の割合は「約0.9%」です。
・申告漏れなどの問題があった件数の合計:60万5,000件
・所得税無申告者の税務調査件数:5,274件
・無申告者の申告漏れ所得金額の合計:1,366億円
このように無申告者は統計上では少数派ですが、調査対象となった場合には巨額の申告漏れが明らかになっています。
確定申告を怠れば、いずれ税務署に把握され、必ず目をつけられる可能性があることを理解しておくべきでしょう。
個人事業主が確定申告していないとバレる理由
「これまで一度も確定申告をしていなければ税務署に情報をつかまれることがないため、バレる心配はない」と考える人も少なくありません。
しかし実際には、過去に申告履歴がなくても、無申告が発覚する要因はいくつも存在します。
税務署はさまざまな情報をもとに調査を行うため、申告をしていないからといって安心はできません。
ここでは、個人事業主が無申告であることがバレる主な4つの要因について解説します。
取引先の支払調書からバレる
個人事業主が無申告であることは、取引先が税務署に提出する支払調書から発覚するケースがよくあります。
支払調書とは、取引先と個人事業主の間で行われた報酬の支払いを証明する書類であり、税務署に提出される公的な資料です。
そのため、取引先(例:キャバクラやクラブなど)が「報酬を支払った」と記録しているのに、受け取った側であるキャスト本人が申告をしていなければ、税務署はすぐに矛盾に気づきます。
結果として、無申告の疑いがかけられ、税務調査に発展する可能性が高くなります。
銀行口座や送金アプリ
税務署は必要に応じて、銀行口座や送金アプリの取引履歴を確認する権限を持っています。
そのため、口座に振り込まれた収入や送金アプリでの受け取りが申告されていなければ、税務調査で不自然な入出金として把握され、無申告を指摘されるケースが少なくありません。
特に、継続的に高額の入金がある場合や、事業収入とみなされるようなパターンが見つかれば、調査の対象となる可能性が高まります。
銀行口座や送金アプリの利用は便利ですが、すべての取引が記録として残るため「バレない」と考えるのは危険です。
第三者からの密告でバレる
無申告は、第三者からの密告や通報をきっかけに発覚することがあります。
国税庁のホームページには「課税に関する情報提供窓口」が設けられており、誰でも匿名で情報提供できる仕組みが整っています。
そのため、知人や取引先、あるいは関係が悪化した相手から通報されるケースも珍しくありません。
SNSの投稿からバレる
税務署は、必要に応じて納税者のSNS投稿内容を調査の参考資料としています。
旅行や高級品の購入など、派手な生活ぶりを発信しているにもかかわらず、確定申告をしていない場合は、不自然な点として注目されます。
また、SNSは誰でも閲覧できるため、フォロワーや知人が通報する可能性も少なくありません。
特に、収入に見合わない豪華な暮らしを頻繁に投稿していると、嫉妬や不信感から第三者による情報提供につながりやすく、結果として税務調査に発展するリスクも高まります。
個人事業主が確定申告していない場合のペナルティ
個人事業主が確定申告していない場合に科せられるペナルティを紹介します。
延滞税
延滞税は、申告していなかった所得があることが発覚した際に、法定期限の翌日から実際に税金を納付する日までの日数に応じて、加算される税金です。
「利息」をイメージするとわかりやすいでしょう。
令和3年1月1日以降の延滞税の割合は以下のとおりです。
・納期限の翌日から2か月以内まで:年7.3%または延滞税特例基準割合+1%のいずれか低いほう
・納期限の翌日から2か月を超えた日以降:年14.6%または延滞税特例基準割合+7.3%のいずれか低いほう
参照:国税庁|延滞税の計算方法
無申告加算税
無申告加算税は、確定申告を法定期限内に行わなかった場合に課されるペナルティのひとつです。
期限を守らずに申告を怠った場合、納めるべき税額に加算される形で課税されます。
そのため、何年も確定申告をしていない個人事業主は、無申告加算税が科せられる可能性が高いでしょう。
さらに、この加算税の割合は「いつ申告を行ったか」によって変動するため、自主的に早めに申告した場合と、税務調査によって指摘を受けた場合とでは、課される税率が以下のように大きく異なります。
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50万円以下 |
50万円超300万円以下 |
300万円超 |
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税務署の調査前に自主的に期限後申告 (1か月超え) |
5% |
5% |
5% |
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事前通知後〜実地調査前 |
10% |
15% |
25% |
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実地調査後 |
15% |
20% |
30% |
重加算税
重加算税とは、意図的に無申告を続けるなど、悪質性が高いと判断された場合に科される最も重いペナルティです。
単なる申告漏れや期限遅れとは異なり、隠蔽や仮装といった行為があった場合に適用されます。
重加算税の課税割合は以下のとおりです。
・過少申告や不納付加算税に該当する場合:35%
・無申告に該当する場合:40%
特に無申告の場合は、ペナルティのなかでも最も重い40%が課されるため、経済的な負担は非常に大きくなります。
刑事責任に問われる
確定申告を正当な理由なく提出しない場合は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。
また、意図的に申告をしない悪質な脱税と判断された場合には、10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金、またはその両方が課されることがあります。
このような事態を避けるためには、刑事責任に問われる前に、税務のプロである税理士に相談し、早めに自主的な対応を行うことが重要です。
個人事業主の無申告の時効
個人事業主が確定申告せずに無申告のまま放置していた場合でも、時効が定められています。
・通常の無申告の場合:5年間
・意図的な隠蔽・改ざん、悪質な脱税が疑われる場合:7年間
このように、単なる申告忘れや放置であれば5年間で時効が成立しますが、隠蔽や仮装といった行為があると7年間に延長されます。
なお、これは行政上の課税権の時効であり、時効成立までの間に税務署から調査や指摘を受ければ課税処分が行われるため、「時効まで逃げ切れる」と安易に考えるのは危険です。
個人事業主で確定申告を何年もしていない場合の対処法
個人事業主として何年も確定申告をしていない場合、1日でも早く自主的に申告することが最も安心できる解決策です。
ただし、これまで一度も申告をしたことがない方が、いきなり過去数年分の帳簿や書類を整理して申告を行うのは非常に困難です。
書類の不備や計算の誤りがあれば、かえって余計なリスクを招いてしまう可能性もあります。
そのため、まずは税務のプロである税理士に相談することを強くおすすめします。
また、税理士にも得意分野があるため、夜職や水商売にかかわる法律や税務に精通している事務所を選んだほうが安心です。
税理士法人松本は風俗・水商売専門の税理士事務所であり、税務調査対応に豊富な実績を持っています。
さらに、国税OBが10名以上在籍しているため、内部事情を踏まえた的確なアドバイスや対策が可能です。
実際に、過去の税務調査でペナルティを科されずに解決した案件も多数あります。
確定申告を長年していないことで不安を抱えている方も、まずは気軽にお問い合わせください。
全国から相談可能です。
まとめ
何年も確定申告をしていない個人事業主は「納税を免れている」と思っていても、実際には各種控除を受けられず税負担が重くなったり、給付金や補助金の対象外になるなど、損をしている可能性が高いのが現状です。
確定申告書の控えは、個人事業主にとって法的に所得を証明できる重要な書類であり、社会的信用を確保するためにも欠かせません。
したがって、信用を守りたいのであれば必ず確定申告を行うべきでしょう。
もしこれまで申告をしていない方は、1日でも早く自主的に確定申告することが最善の解決策です。
ただし、過去の帳簿整理や申告準備をひとりで行うのは難しいケースも多いため、迷った場合は税務のプロである税理士に相談しましょう。
特に夜職や水商売に特化した専門知識を持つ事務所であれば、業界特有の事情を踏まえた適切な対応が可能です。
税理士法人松本は風俗・水商売に強い税理士事務所として、確定申告から税務調査対応まで幅広くサポートしています。
安心して事業を続けるためにも、まずは気軽にご相談ください。
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