2025年に風営法が衆議院の本会議において可決され、同年6月28日より施行されています。この法改正は、不当な高額請求など、深刻なトラブルが社会的な注目を集めたことを契機に進められてきたものです。今回の法改正の影響は、さまざまな形態のナイトビジネスにも広く関わってくることでしょう。
本記事では、風営法改正についてだけでなく、「2025年風営法改正での変更点」、「2025年風営法改正で求められる対応」についても解説していきます。ぜひこの記事を参考にして、風営法改正について理解を深めてみてください。
風営法改正とは何か?

2025年(令和7年)5月20日、改正された風俗営業法が衆議院の本会議で可決され、同年6月28日から新たに施行されています。今回の法改正は、ホストクラブ等における悪質な色恋営業や過剰な金銭請求といった問題がきっかけとなりました。実際に、これらの行為が社会的に大きな批判を受け、規制強化が求められていたのも事実です。
また、SNSを悪用した違法なスカウト行為や未成年の関与、曖昧な営業形態の拡大が問題視され、今回の法改正ではそれらへの罰則も厳格化されました。万が一、違反があった場合には従業員や経営陣だけでなく、法人全体にまで責任が問われる体制が整えられています。
さらに、反社会的勢力の排除や未成年者の保護も一層強化されており、従来の運営スタイルでは事業継続が困難になるケースも少なくありません。
2025年風営法改正での変更点

2025年風営法改正での変更点については、以下の4つが挙げられます。
- ・変更点①:接待飲食営業に関する遵守事項・禁止行為の追加
- ・変更点②:性風俗店によるスカウトバック全面禁止
- ・変更点③:無許可営業等に対する罰則の大幅強化
- ・変更点④:不適格者の範囲の拡大
それぞれの変更点について解説していきます。
変更点①:接待飲食営業に関する遵守事項・禁止行為の追加
2025年風俗営業法の改正により、ホストクラブやキャバクラなどの接待を伴う飲食業種に対して、より詳細かつ厳格なルールが定められることとなりました。例えば、色恋営業と呼ばれる感情を利用した営業手法や実際とは異なる料金説明、注文していない飲食物を強制的に提供する行為など、利用者の判断力を損なうような接客が明確に禁止されます。
顧客に対し売春やアダルトビデオ出演を求めるような悪質なケースも厳罰の対象となります。未成年者の雇用や同伴に関しても規制が強化され、厳密な年齢確認の義務が課されます。違反があった場合には、営業停止命令に加え、最長で6か月の拘禁刑または最大100万円の罰金といった刑事罰が科される可能性もあります。
参考:風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律|e-Gov
変更点②:性風俗店によるスカウトバック全面禁止
これまで一部の業界で慣習として行われていた「スカウトバック」は、トラブルの原因となっていたことから、今回の風営法改正では明確に禁止されました。対象となるのは性風俗関連を含む複数の業種で、スカウト行為を行った個人だけでなく、その関係者や店舗側にも処罰が及ぶ可能性があります。
違反が発覚した場合には、店舗の営業停止処分に加えて、スカウト行為に関わった者に対する刑事責任が追及されるケースも少なくありません。事業者は、採用方法を含めた法令対応を早急に進めることが求められます。
変更点③:無許可営業等に対する罰則の大幅強化
顧客の隣に座って会話や接客を行う営業スタイルは、「風俗営業法」において「1号営業」として分類されます。風俗営業は、提供されるサービスの内容に応じて5つの種類に区分されており、いずれの形態であっても営業を開始するには、所轄の警察署を通じて公安委員会から正式な許可を取得することが義務付けられています。
許可を得ずに営業を行った場合は風営法違反となり、法的な制裁を受ける可能性があります。しかし現実には、許可を得ずに営業を行っている店舗も多いため、取り締まりの実効性について課題があるのも事実です。
変更点④:不適格者の範囲の拡大
今回の法改正により、「不適格者」とされる対象の範囲も広がりました。反社会的勢力や暴力団関係者、過去に重大な法令違反歴を持つ人物だけでなく、親会社や関連企業が過去に営業許可を取り消された場合でも、グループ全体が一定期間(5年間)営業から排除される仕組みが導入されました。
また、行政処分を回避するための「許可の返納」や「名義変更」などの行為についても、新たな規制によって厳しく制限されています。そのため、事業者側には、従業員や取引先企業に対する適正な管理体制の構築と運用が求められます。
参考:風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律|e-Gov
2025年風営法改正で求められる対応

2025年風営法改正で求められる対応については、以下の4つが挙げられます。
- ・規制強化について正しく理解する
- ・管理体制の見直し
- ・法人全体でコンプライアンス意識の強化を図る
- ・従業員への社内研修や勉強会の実施
それぞれの項目について解説していきます。
規制強化について正しく理解する
風営法改正で求められる対応としては、まず規制強化について正しく理解することが挙げられます。今回の法改正では、事実と異なる説明や「色恋営業」と呼ばれる感情を利用した接客手法などが明確に違法とされ、無許可営業に対する刑罰もこれまでより厳格化されています。営業許可の取り消しが及ぼす影響範囲も広がり、関係者や関連企業にまで波及する可能性が出てきました。
こうした背景を踏まえれば、違反行為がもたらすリスクは一層大きくなっており、事業者側には、改正内容を正確に把握し、自社の運営体制を見直す姿勢が強く求められているといえるでしょう。
管理体制の見直し
企業全体でリスクを再検討し、その分析結果に基づいてリスク管理体制の再構築を行うことが求められます。例えば、各店舗の営業活動において、風俗営業法に違反する可能性がある項目を洗い出す作業が必要です。具体的には、スタッフの接客における発言内容やメディア発信、売掛金の管理・回収方法などの実態を把握し、法令に照らした問題点を確認する必要があります。
問題が認識された場合には、適切な改善策を検討・実行しましょう。例えば、業務マニュアルの内容を見直したり、従業員向けに定期的な法令遵守研修を実施するなどの取り組みが挙げられます。
さらに、売掛金の扱いに関しても、ツケ払いを全面的に禁止したり、売掛金に明確な上限を設けるといったルールを設け、健全な運営体制を整えることが求められます。
法人全体でコンプライアンス意識の強化を図る
今回の風営法改正では、グループ企業の中で1社でも営業許可を取り消された場合、その影響が他の関連法人にも及ぶので、法人全体でコンプライアンス意識の強化を図ることが求められます。
具体的には、法人全体として統一したガバナンス体制を築く必要があります。子会社や関連会社を含むすべての法人が、風営法をはじめとする関連法令を適切に守っているかを定期的に点検し、リスクを未然に防ぐ仕組みが重要になります。グループ全体でコンプライアンス意識を底上げする取り組みも必要で、社員一人ひとりが法令遵守の重要性を理解することが必要です。
従業員への社内研修や勉強会の実施
風俗営業法で定められたルールや禁止事項を従業員に確実に理解・遵守させるためには、業務マニュアルの再整備が重要になります。例えば、違反行為に該当する具体的なケースをまとめた解説資料の作成や、現場で避けるべき対応を明示したガイドラインを用意することが効果的です。こうした資料を通じて、接客時に問題のある発言や対応を未然に防ぐ環境づくりが求められます。
さらに、単にマニュアルを整えるだけでなく、すべての従業員にその内容を確実に理解させることも重要です。社内で定期的に研修や勉強会を開催し、法改正の内容や法令違反がもたらすリスクについて、具体的で継続的な教育を行うとよいでしょう。
風営法の違反行為と罰則

風俗営業法に反する行為が発覚した場合、行政からの営業停止や許可の取り消しといった処分にとどまらず、刑事責任を問われる可能性もあります。特に、営業許可を得ずに営業を行った場合や未成年者を接客業務に従事させた場合などは、実際に摘発や逮捕につながる事例が少なくありません。
これらは厳しく取り締まられる行為であるため、十分な注意と法令遵守の意識が必要です。具体的な風営法の違反行為と罰則については、以下の4つが挙げられます。
- ・違反行為①:無許可・不届の営業
- ・違反行為②:未成年の接待
- ・違反行為③:悪質な客引き
- ・違反行為④:名義貸し
それぞれの違反行為について解説していきます。
違反行為①:無許可・不届の営業
風俗営業や性風俗関連の特殊営業を行うには、営業開始前に所轄の公安委員会へ許可申請または届出を行う義務があります。正規の届出を行わずに営業を始めた場合、「不届営業」として違法とみなされます。営業許可を取得せずに運営していた場合には「無許可営業」となり、これらの行為はいずれも重大な法令違反として取り扱われます。
違反が確認された場合、行政による営業停止や許可の取り消しといった処分に加えて、刑事罰が科されるリスクもあります。具体的には、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)第49条第1項に基づき、「5年以下の拘禁刑」または「1000万円以下の罰金」、あるいはその両方が科せられることになります。
参考:風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律|e-Gov
違反行為②:未成年の接待
風俗営業においては、18歳未満の未成年をキャストとして採用し、接待業務に従事させることは法律上、厳しく禁じられています。キャバクラ、ホストクラブ、性風俗関連店舗などに18歳未満の利用者を入店させる行為も違法とされており、違反した場合には、店舗の経営者や責任者が法的責任を問われます。
実際に、身分確認を怠り未成年者をスタッフとして雇っていたケースや、深夜の営業中に年齢確認を行わず未成年の来店を許したケースでは、摘発や処分に至った事案が報告されています。
こうした違反行為は、行政処分だけでなく拘禁刑や罰金刑などの刑事罰が科される可能性があり、年齢確認を怠ることは店舗運営において重大なリスクとなるため注意が必要です。未成年に関する風営法違反の罰則としては、風営法第52条第1項で定められており、最大で1年の拘禁刑または100万円以下の罰金、あるいはその両方が規定されています。
参考:風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律|e-Gov
違反行為③:悪質な客引き
風俗営業法では、通行人が多いエリアで営業目的で声をかける行為や、しつこく付きまとうような客引き行為を禁止しています。例えば、繁華街などで通行人に対し執拗に勧誘を行ったり、店舗の名刺やチラシを配布したりする行為は、悪質な勧誘と判断され、取締りの対象となる場合があります。
このような違反が発生した場合、責任は店舗の運営者だけでなく、実際に声かけやスカウト行為を行ったスタッフ個人にも及ぶ可能性があります。特に悪質な勧誘が確認されたケースでは、行政からの営業停止命令や営業許可の取り消しにとどまらず、刑事処分の対象となるケースもあります。
法律上、こうした客引き行為に対しては、風営法第22条および第52条第2項によると、最長で1年の拘禁刑または100万円以下の罰金、あるいはその両方が科されることがあります。
参考:風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 | e-Gov 法令検索
違反行為④:名義貸し
風俗営業法では、営業の許可を受けた本人自らその営業を行うことが大前提とされています。そのため、名義だけを借りて他人に営業を実質的に任せる、いわゆる「名義貸し」は明確な違法行為とされ、厳しく処罰の対象となります。
名義を貸した側・借りた側の双方に責任が問われるケースも多く、こうした行為が確認されれば、行政による営業停止や許可の取り消しなどの処分に加えて、刑事罰が科される可能性もあります。
風営法第49条第1項では、名義貸しに対して「5年以下の拘禁刑」または「1000万円以下の罰金」、もしくはその両方が科される旨が定められています。処罰の対象とならないためにも、適正な運営体制の構築と名義に関する法令について理解することが重要です。
参考:風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律|e-Gov
風営法改正内容を正確に理解しよう!

今回は、風営法改正について紹介しました。2025年の風俗営業法改正は、接待を伴う飲食業を営む事業者にとって、事業運営に深刻な影響を及ぼします。新たに追加された禁止行為や強化された罰則内容によっては、店舗の継続が困難になるリスクもあります。
このような事態を未然に防ぐためには、改正された法令の内容を正しく把握し、社内の統制体制を見直すとともに、業務マニュアルの更新や従業員への教育体制の強化といった組織全体での迅速な対応が求められます。
今回の記事を参考にして、風営法改正内容を正確に理解しましょう。
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