おっパブやセクキャバに税務調査が入る際には、調査官が事前に潜入して調査を行っている場合があります。こうした調査はどういった目的で、どのように行われるのでしょうか。ここでは、おっパブやセクキャバに行われる内観調査の流れに加え、税務調査がやって来ても恐れずに対処できる方法などについて分かりやすく解説しています。水商売の税務申告や税務調査について知りたい際の参考としてお役立てください。



おっパブやセクキャバに行われる内観調査とは?

おっパブやセクキャバなどのキャバクラと風俗の中間のような業種や、現金取引の多い業種では「内観調査」と称する調査が行われることがあります。この内観調査とは、どのようなものなのかを解説していきます。

国税の調査官が店舗へ潜入する覆面調査

内観調査とは、おっパブやセクキャバなどのお店に、税務調査をする前に客を装った調査官が潜入し、営業の実態を把握する調査のことです。
いわゆる「覆面調査」のようなもので、調査官は自身の身分を一切明かすことなく、客として接待を受けます。内観調査で訪れる店舗はさまざまで、通常の中華料理やフレンチなどの飲食店からキャバクラやラウンジまで現金商売のお店は対象となります。

内観調査が行われる理由

内観調査が行われる理由としては、以下のような点が挙げられます。

・店舗の営業実態を把握する
実際に営業されているか、従業員はどの程度いて、客の入りはどのくらいあるのかなどを確認します。在庫なども目視して、売上や固定費などを推定する際の参考とします。

・内装や構造を把握する
資産や証拠品などを隠ぺいできる金庫や地下室のようなものがないか、調査の際に逃亡できる裏口がないかといった店舗の構造を確認します。

・売上や現金支払いの証拠取り
調査官が実際に客として訪れた際の日付と時刻、会計金額や内容などを証拠として残す目的です。後日の税務調査で、帳簿にその時の取引が正しく記帳されているかを確認します。特に現金で支払いをした場合には、伝票ごとなかったことにして売上や現金収入をごまかすことができるため、現金取引の多い業種では内観調査はよく行われます。

内観調査されているかを判断する方法はある?

国税調査官は、内観調査の際かなり周到な準備をして臨みます。素性を明かさないだけでなく、勤務先やフルネームなども別のものを設定して潜入するのです。
内観調査の歴史は古く、調査官はバレないように潜入する方法を熟知しているため、内観調査だと気づくのはかなり難しいといえるでしょう。

税務調査で多額の追徴課税を受けたセクキャバの事例

大阪国税局では、2019年にセクキャバ(ツーショットキャバクラ)を一斉調査し、総額5億円もの追徴課税となった件が新聞などで報道されました。
20店舗以上に及ぶ系列グループであったためこのような多額の追徴課税となっていますが、ペナルティの対象となったのは売上の申告漏れや、従業員への支払い給与からの源泉申告漏れなど、通常規模のセクキャバでも調査が入れば指摘を受けるような点ばかりでした。
小規模経営のおっパブやセクキャバであっても、ひとたび税務調査となれば、数百万単位の追徴課税となることも珍しくないのです。

税務調査がやって来ても恐れずに対応できる方法は?

たとえ内観調査で実態を把握されていたとしても、税務調査で恐れることなく対応するためには、以下の方法がおすすめです。

現金取引や売上は漏れなく記帳する

おっパブやセクキャバでは、来店したことを知られたくない顧客が、クレジットよりも足のつきにくい現金払いにするケースがあります。こうした現金取引を「計上しなくてもバレないだろう」と隠したり、売上伝票を破棄してなかったことにしたりするのはおすすめしません。
水商売や風俗店では、税務調査は内観調査をした上で行われるケースが多いため、現金売上は必ず厳しくチェックされます。
隠したり記帳漏れしたりすることのないよう、申告の際はしっかりとチェックすることが大切です。

支払給与からの源泉徴収漏れに注意する

おっパブ嬢やセクキャバ嬢へ支払う報酬や給与についても、源泉徴収の申告漏れがあれば必ず調査で指摘されることとなります。
体験入店や数日だけの勤務などで、日払いや週払いした報酬や給与の源泉管理は手間がかかりますが、3年から5年以上も遡って追徴課税の対象となれば、かなり多額の税金を追加で納税しなければならなくなってしまいます。
悪意がなく、うっかり忘れていたとしても、意図的に隠したと疑われかねないため、これも厳重に確認することが大切です。



経費の証拠となる書類やデータはすべて取っておく

仕入伝票や請求書、領収書やレシートなど、経費の証明となる書類はすべて保管し、月ごとにファイリングして見やすく管理しておきましょう。
プライベートでの旅行や買い物を経費として計上していないか、経費を水増ししていないかといった点も、調査で指摘を受けやすいポイントです。
「○○会社○○部長への昇進祝い」など、名目と送り先である取引相手先名の誰かまで記入しておくようにするとよいでしょう。

税務調査の対策が難しいと感じる場合は税理士法人松本へご相談ください

「忙しくて帳簿の管理が難しい」「経理担当者が退職し、以前の帳簿について説明できない」など、適正な申告の大切さが分かっていても、しっかりと対応するのが難しい場合もあるでしょう。
もしも税務調査の可能性が考えられるなら、税務調査に強みのある税理士法人松本へご相談ください。突然税務調査がやって来てからのご連絡でも構いません。おっパブやセクキャバ、デリヘルなどの申告サポートや税務調査対応など、元国税OB税理士が多数所属しているため、しっかりとご相談に応じます。

まとめ

おっパブやセクキャバを含め、現金取引の多い店舗や水商売業界では、内観調査と呼ばれる潜入調査が行われます。客を装って店舗の実態を把握してから税務調査にやって来るため、言い逃れができずに多額の追徴課税となるケースも多いのです。
もし突然税務調査が来てしまっても慌てず、税務調査に強い税理士法人松本に相談しましょう。