副業 確定申告してない人 多い

副業で所得を得ていながら、確定申告を行っていないケースは少なくありません。その背景には「勤務先に副業を知られたくない」「手続きが複雑でハードルが高い」といった、個人特有の事情や不安が潜んでいます。
しかし、申告を怠れば、延滞税や加算税といった罰則の対象となるほか、青色申告の特別控除を受けられないなど、金銭的・社会的なリスクを伴います。本記事では、副業において未申告者が多い実態とその背景を紐解き、放置することで生じるペナルティやリスクについて詳しく解説します。
適切な申告を行い、安心して副業を継続するためのガイドとして、ぜひ本記事をお役立てください。

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副業で確定申告してない人は多いの?

副業で確定申告してない人は多いの?

令和5事務年度における国税庁の資料によれば、税務調査や簡易な確認が実施された約60万5000件のうち、およそ31万1000件で申告の不備が発見されました。

対象者のおよそ半数が、何らかの形で誤った申告や未申告の状態であったことを意味しています

また、申告自体をしていないケースに対しても厳格な調査が行われており、同じ年度に実施された所得税の無申告に関する調査は5200件以上に達しています。

このように、申告義務があるにもかかわらず、確定申告を行っていない人が相当数存在する実態が明確に読み取れます。

参考:令和5事務年度 所得税及び消費税調査等の状況|国税庁

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副業で確定申告してない人が多い理由

副業で確定申告してない人が多い理由

副業で確定申告してない人が多い理由については、以下の6つが挙げられます。

  • ・確定申告の知識不足
  • ・会社に副業が把握されるのが怖い
  • ・確定申告が面倒
  • ・確定申告を忘れた
  • ・領収書を保管してない
  • ・税金を支払いたくない

それぞれの理由について解説していきます。

確定申告の知識不足

確定申告についての知識不足は、申告漏れの一因となります。例えば、副業をしている場合、年間の所得が20万円を超えると申告が必要になり、源泉徴収されている税金が還付されるケースでも申告の対象になります。※住民税には20万円の免除規定がなく、1円でも所得があれば自治体への申告が必要です。

しかし、副業を始めたばかりの方や税制に詳しくない方の中には、こうした申告義務の有無を十分に把握していないケースも少なくありません

特に、本業で受け取っている給与以外に収入がないサラリーマンの場合、「確定申告の必要がない」と思い込んでしまい、申告すべき副収入があっても見過ごしてしまうケースが多く見られます。

会社に副業が把握されるのが怖い

副業をしていることを会社に把握されたくないという理由から、確定申告を躊躇するケースは非常に多く見られます。多くの企業が副業を解禁し始めていますが、依然として禁止されている、あるいは「なんとなくイメージが悪い」と懸念する方は少なくありません。

会社にバレる最大の要因は、副業所得によって「住民税」の額が変わることです。通常、会社員の方は住民税が給与から天引き(特別徴収)されますが、確定申告をすると副業分の所得が合算され、算出された住民税の総額が勤務先に通知されます。給与水準に対して住民税が不自然に高いと、人事や経理担当者に副業の存在を疑われるきっかけとなります。

この対策として、確定申告書の住民税に関する項目で「自分で納付(普通徴収)」を選択する方法がありますが、副業がアルバイトなどの「給与所得」である場合、自治体の判断によっては本業の給与と合算して通知されてしまうケースがある点に注意が必要です。

確定申告が面倒

確定申告の必要性を理解していても、確定申告が面倒といった理由から申告を行っていない人が一定数います。確定申告を行うには、1年間の収入と必要経費を整理し、正確に所得を算出する必要があります。

また、申告書の作成には細かなルールがあり、初めて申告する方にとっては「何を書けばいいのか分からない」「入力の仕方が難しい」と感じることも少なくありません。こうした「手続きの煩雑さ」や「申告方法への不安」から、申告を先延ばしにしたり、結果的に行っていない方が見られます。

確定申告を忘れた

確定申告は、毎年2月16日から3月15日までの間に、前年1月1日から12月31日までの所得を申告する制度で、法律によって義務付けられています。しかし、この申告期間は年度末と重なってしまうので、仕事が立て込む時期とかぶってしまう方も多くみられます。

その結果、多忙を理由に申告を後回しにしてしまい、気づけば期限を過ぎて「無申告」の状態になってしまうケースも少なくありません。こうした事態を防ぐためにも、自宅からでも申告可能な「e-Tax」など、オンラインで手軽に手続きできる方法が整備されています。

万が一、期限までに申告をしないと、追徴課税や罰則の対象となることがあるので、忙しくても申告は忘れずに済ませることが重要です。

参考:確定申告を忘れたとき|国税庁

領収書を保管してない

副業にかかった支出を経費として申告するには、レシートや領収書、請求書といった証拠書類の保管が欠かせません。確定申告で必要経費を認めてもらうには、これらの書類を日頃からきちんと保管しておく必要があります。

所得税法等の規定により、これらの書類は原則として7年間(白色申告の場合は5年間)の保存義務があります。軽い気持ちで領収書を捨ててしまうと、税務調査の際に経費として認められず、結果として多額の追徴課税を招くリスクがあることを忘れてはいけません。

また、注意したいのが2024年1月から義務化された「電子帳簿保存法」への対応です。以前のように「紙に印刷してスクラップブックに貼っておけば安心」というルールは、データで受け取ったものに関しては通用しません。改ざん防止のルール(事務処理規程の備え付けなど)や、日付・金額・取引先で検索できる状態での保存が求められるようになっています。

参考:所得税法|e-Gov

電子帳簿保存法の概要|国税庁

税金を支払いたくない

「確定申告をすると税金を払わないといけない」などの理由で、あえて申告を行わない人も一定数存在します。確定申告は、課税額を正しく算出するための重要な手続きですが、申告しなければ税金を免れることができると、軽く考えてしまうケースも少なくありません。

しかし、申告義務があるにもかかわらず、それを怠る行為は非常に問題があり、悪質とみなされた場合には刑事処分の対象になることもあります。納税額を少しでも抑えたいのであれば、正規の方法で経費をしっかり計上するなど、適切な節税を行うことが重要です。

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副業で確定申告しないペナルティ

副業で確定申告しないペナルティ

副業で確定申告しないペナルティについては、以下の3つが挙げられます。

  • ・ペナルティ①:延滞税
  • ・ペナルティ②:無申告加算税
  • ・ペナルティ③:重加算税

それぞれのペナルティについて解説していきます。

ペナルティ①:延滞税

延滞税とは、所得税や住民税などを期日までに納めなかった場合に発生する税金です。未納となった税額に対して日ごとに計算され、納税が遅れた日数に応じて課されます。

具体的には、令和8年(2026年)現在、納期限の翌日から2ヶ月を経過する日までは年2.8%、それ以降については年9.1%(特例基準割合を適用した割合)が加算されます。納付が遅れれば遅れるほど負担が増していくので、「忘れた」と気づいた時点で、できるだけ早急に対応することが大切です。

参考:延滞税の割合|国税庁

ペナルティ②:無申告加算税

無申告加算税とは、確定申告を所定の期限までに提出しなかった場合に課される追加的な税金です。申告期限を過ぎてから申告(期限後申告)した場合に発生する附帯税の一種です。

原則として納付すべき税額に応じて算出され、税額のうち50万円までは15%、50万円を超え300万円以下の部分は20%、300万円を超える部分には30%の割合で計算される仕組み(令和6年1月以降の法定申告期限分から適用)となっています。また、課税が確定すると税務署から通知書が送付され、それを受け取った日の翌日から1ヶ月以内に納付する必要があります。

参考:加算税の概要|財務省

ペナルティ③:重加算税

重加算税は、申告をしていなかった場合や事実を隠したり虚偽の内容で申告したと判断された際に課される、非常に重いペナルティの税金です。意図的な不正行為があったと認定された場合に適用される点が特徴です。

課税される税率は高く、過少申告に対しては通常の加算税の代わりに35%、無申告の場合は40%が適用されます。さらに、直近5年以内に無申告加算税や重加算税を課されたことがある場合は、税率がさらに10%加重される措置もあります。納付期限についても厳格で、税務署から送付される通知書を受け取った翌日から起算して1ヶ月以内に支払う必要があります。

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副業で確定申告しないリスク

副業で確定申告しないリスク

副業で確定申告しないリスクについては、以下の4つが挙げられます。

  • ・会社に副業が判明してしまう可能性がある
  • ・青色申告控除が受けられなくなる
  • ・税務調査の対象になる
  • ・刑事罰の対象となる恐れがある

それぞれのリスクについて解説していきます。

会社に副業が判明してしまう可能性がある

副業先が税務署へ提出する支払調書などから無申告が判明した場合、税務署から申告の是正を求められます。その結果、本来納めるべきだった住民税額が再計算され、自治体から本業の勤務先へ「住民税の更正通知(税額変更の通知)」が送付されることがあります。

この通知には税額が変更された理由や内訳が記載されることがあり、本来の申告時期ではないタイミングで届くため、「なぜ今、税額が変わったのか?」と会社側に不審に思われる可能性が高いのです。意図的な無申告による通知は、単に副業がバレるだけでなく、法令遵守意識(コンプライアンス)の欠如として、社会的な信用を失うリスクも含んでいます。

青色申告控除が受けられなくなる

青色申告控除を受けるには、所定の期限内に正しく申告を行うことが条件となっており、期限を過ぎてしまうと最大65万円の特別控除が受けられなくなるので注意が必要です。

青色申告特別控除は、期限内申告を行うことで最大65万円(または55万円)の控除を受けられる制度ですが、期限後に申告した場合、原則として10万円の控除に減額されます。こうした損失を防ぐためにも、青色申告を行う際は、必ず提出期限を守ることが大切です。

参考:青色申告制度|国税庁

税務調査の対象になる

確定申告を行う義務があるのに申告をしていない場合、税務調査の対象となる可能性があります。税務調査とは、提出された申告が正確かどうかを税務署の職員が調べるための手続きで、対象となるのは大企業に限らず、中小企業や個人事業主、フリーランスも含まれます。

特に、無申告のケースは、税務当局が重点的にチェックを行う領域とされています。このように、申告を怠れば、予告なく調査が入ることも十分に考えられるので、正しい手続きを怠らないことが重要です。

刑事罰の対象となる恐れがある

確定申告を怠る行為が特に悪質であると判断された場合、刑事罰の対象となる可能性もあります。所得税法では、一定の条件を満たした場合に申告義務があることが明確に規定されており、その義務を無視して申告しないことは、明らかな法令違反にあたります

副業をしている方が実際に刑事処分を受けるケースはそれほど多くはありませんが、申告をしないことが深刻な問題に発展するリスクがあることは理解しておきましょう。

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副業で確定申告しないで税務調査に入ってしまった際の対処方法

副業で確定申告しないで税務調査に入ってしまった際の対処方法

副業で確定申告しないで税務調査に入ってしまった際の対処方法については、以下の3つが挙げられます。

  • ・税理士に相談する
  • ・期限後申告をする
  • ・書類を整理して所得確認する

それぞれの対処方法について解説していきます。

税理士に相談する

税務調査を受けることが決まった場合は、まず税務対応に詳しい税理士へ相談することをおすすめします。実際に、会社員や公務員など、税務の専門知識を持たない方が一人で対応しようとすると、手続きや対応に戸惑ってしまうことが多いのも事実です。

税務調査では、調査官から売上や経費に関する具体的な質問を受けたり、帳簿や領収書などの書類提出を求められます。準備が不十分だと、質問に答えられなかったり、何をどう用意すればいいのか分からず不安になるケースも少なくありません。

税務調査に精通した税理士であれば、事前準備のポイントや、当日の流れについて丁寧にアドバイスを受けられます。また、調査当日に同席を依頼することも可能で、調査官から専門的な質問を受けた場合でも、税理士が適切に対応してくれます

期限後申告をする

副業による所得が確定申告の対象となる金額に達している場合、税務調査が始まる前に「期限後申告」を行うようにしましょう。期限後申告とは、本来の申告期限を過ぎた後に行う申告手続きのことを指します。

また、税務署からの指摘を受ける前に自主的に申告を行えば、「無申告加算税」の税率が通常より軽くなり、5%に抑えられます。また、税務調査の通知があった後でも申告は可能であり、その際の加算税率は以下のように段階的に設定されています。

  • ・50万円までは10%
  • ・50万円超~300万円の部分には15%
  • ・300万円を超える金額には25%

さらに、延滞税は納期限から実際の納付日までの期間によって税率が変動します。できるだけ早めに期限後申告を行うことで、無申告の状態を解消し、最終的に支払う税額を抑えることにもつながります

書類を整理して所得確認する

税務調査では、副業による収入や経費に関する証拠書類の提出を求められることがあるので、あらかじめ関連する資料を整えておくことで、調査時に慌てることなく、円滑に対応できることにつながります

具体的には、以下のような書類を準備しておくようにしましょう。

  • ・副業収入に関する証明(支払調書等)
  • ・副業に関連する支出を示す資料(領収書、請求書等)
  • ・銀行口座の通帳

上記の書類がそろったら、1年間の売上や支出をまとめ、実際の所得額を把握することが重要です。万が一、内容に不安がある場合は、税理士に書類を確認してもらうことで、必要な追加資料などについて的確なアドバイスが得られます。

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正しい確定申告を行おう!

正しい確定申告を行おう!

今回は、副業で確定申告してない人が多い理由を紹介しました。確定申告をしていない理由には、税に関する知識の不足や手続きの面倒さや副業が会社に知られることへの不安など、さまざまな理由が挙げられます。

しかし、申告を怠ったままでいると、税務署による調査が入ったり、多額の追徴課税を受けたりなどのリスクがあります。まずは、自分が申告対象者であるかどうかを確認することから始めることが重要です。

このように、確定申告を後回しにせずに、しっかりと対応することが安心につながります。今回の記事を参考にして、副収入がある方は、ルールを理解したうえで、適切に確定申告を行いましょう。


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