確定申告を終えたあとに、少額の申告漏れに気づいた際、「修正申告をすべきか、それとも放置してもいいのか」と迷う方も少なくありません。
「少額だからバレないだろう」と安易に考えて申告漏れを放置すると、思わぬペナルティが科される可能性があります。
そこでこの記事では、少額の申告漏れがバレる理由やバレたときの対策、そしてバレる前にできる予防策について解説します。
自分ひとりでの対応に不安がある方は、税務のプロである税理士法人松本まで気軽にご相談ください。
目次
確定申告後に少額の申告漏れがあった場合は?
確定申告を提出したあとに「副業収入を忘れていた」「経費を一部申告し忘れていた」といった少額の申告漏れに気づくことは珍しくありません。
少額だから「そのままにしても大丈夫だろう」と考えがちですが、放置するのはリスクがあります。
税務署は支払調書やマイナンバーを通じて収入を把握できるため、金額の大小にかかわらず申告漏れを指摘される可能性があります。
そのため、少額の申告漏れであっても「誤りに気づいた時点で正しく修正する」ことが原則です。
早めに対応すれば、ペナルティを最小限に抑えることができるため、少しでも心当たりがあれば修正申告を検討しましょう。
少額の申告漏れでもバレる?
1万円程度の少額でも、税務署や市区町村が申告漏れに気づく可能性は十分にあります。
実際には、金額によってどの機関が指摘するかが異なります。
税務署
税務署が指摘してくるのは、所得税や消費税など国税にかかわる申告漏れがある場合です。
たとえば、会社員の副業収入については「年間20万円以下であれば確定申告は不要」とされています。
そのため、税務署が把握していても、わざわざ指摘しないケースもあります。
ただし、これは「確定申告が不要なケース」で、少額でも税金が発生するケースでは税務署から指摘されることがあります。
市区町村
市区町村は住民税を所管しており、住民税に「20万円以下なら申告不要」といった特例はありません。
副業収入が少額であっても、住民税の課税対象となるため、市区町村から指摘や追加徴収を受ける可能性があります。
このように、少額の申告漏れを最も厳しく見ているのは市区町村です。
副業や臨時収入があった場合は、たとえ金額が小さくても必ず申告しておくことが、後々のトラブルを避けるために重要です。
少額の申告漏れでも税務署にバレる理由
少額の申告漏れがどのようにして税務署にバレるのか、主な3つの要因を紹介します。
マイナンバー制度と情報照合の強化
マイナンバー制度が導入されて以降、給与や報酬の支払先から提出される各種書類はもちろん、一部の銀行口座や証券口座、株式や投資信託などの金融資産もマイナンバーとひもづけられているため、税務署は必要に応じて容易に情報の照合が可能です。
そのため、少額の収入であっても申告内容と実際の取引情報に差異があれば把握される可能性が高くなります。
従来は税務署が調査しにくかった副業収入や金融商品の利益なども、現在では電子データで連携されているため、監視の精度が飛躍的に向上しています。
このように「少額だから大丈夫」という考えは、マイナンバー制度の普及後は通用しません。
給与支払報告書や支払調書による収入の把握
会社員の給与や副業報酬は、勤務先や取引先が提出する「給与支払報告書」や「支払調書」によって、税務署や市区町村に自動的に報告されます。
これらの書類は本人の申告とは別ルートで提出されるため、たとえ本人が少額の副業収入を申告し忘れたとしても、第三者の提出書類によって収入の存在が明らかになる仕組みです。
税務署はこの情報をもとに、本人の申告内容と照らし合わせ、間違いがあれば申告漏れとして指摘することがあります。
このように、支払者側の提出書類から少額の申告漏れでもバレるようになっています。
銀行口座やクレジットカード利用履歴からの調査
税務署は調査に必要であれば、銀行口座の入出金やクレジットカードの利用履歴を本人の承諾なしに確認できます。
そのため、1回あたりの入金額が数千円〜1万円程度の少額であっても、継続的に入金が繰り返されていれば副業や事業収入の可能性が疑われます。
また、現金取引が中心の場合でも、カード払いによる経費や生活費との整合性から「収入に対して支出が多すぎる」といった形で、申告内容に不自然さが見つかるケースも少なくありません。
このように、細かいところまで税務署は確認する傾向にあるため、バレないだろうと安易に考えるのは危険です。
少額でもペナルティの対象になる?
少額の申告漏れでもトータルの金額や悪質性によってはペナルティを科せられる可能性があります。
過少申告加算税
過少申告加算税とは、確定申告したものの、本来より少ない金額で申告してしまった場合に科される加算税のことです。
たとえば、副業収入を一部申告し忘れていたり、経費計上ミスで本来の税額より少なく申告してしまったときが対象となります。
ただし、納税者が税務署から指摘される前に、自主的に修正申告を行った場合には過少申告加算税は科されません。
そのため、自主的に気づき、早めに修正することがリスクを最小化するポイントです。
一方、税務署から指摘を受けたあとに修正した場合は以下の加算税が課されます。
【修正申告の場合(税務署の指摘を受けて納税者が再申告する場合)】
・50万円までは5%
・50万円を超えた部分からは10%
【更正の場合(修正申告に応じず、税務署が強制的に税額を決定する場合)】
・50万円までは10%
・50万円を超えた部分からは15%
無申告加算税
無申告加算税とは、本来申告すべき収入があるにもかかわらず、法定の申告期限までに確定申告を行わなかった場合に課される加算税です。
課税割合は、期限後申告をしたタイミングによって変動します。
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50万円以下 |
50万円超300万円以下 |
300万円超 |
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|
税務署の調査前に自主的に期限後申告(1か月超え) |
5% |
5% |
5% |
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事前通知後〜実地調査前 |
10% |
15% |
25% |
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実地調査後 |
15% |
20% |
30% |
ただし例外として、法定申告期限から1か月以内に自主的に申告を行った場合や、期限内に申告する意思があったと税務署に認められる場合には、無申告加算税は課されません。
少額の収入であっても「忘れていた」と放置するより、早めに申告するほうが結果的に負担を軽くできるため、気づいた時点で速やかに対応することが重要です。
重加算税
少額の申告漏れであっても、行為の悪質性が高いと判断されれば、加算税のなかで最も重い「重加算税」が科される場合があります。
たとえ、数万円の収入であっても、帳簿を改ざんしたり、架空の領収書を提出したりといった「仮装・隠ぺい」にあたれば、重加算税の対象です。
重加算税の課税割合は以下のとおりです。
・過少申告者や不納付加算税に該当する場合:35%
・無申告者に該当する場合:40%
少額だから大丈夫と油断するのではなく、意図的な隠ぺいや虚偽申告と誤解される行為を避けることが重要です。
延滞税
延滞税とは、申告そのものに誤りがあった場合に課される「加算税」とは異なり、税金の納付が遅れたことに対して課されるペナルティです。
イメージとしては「税金の利息」のようなものであり、納め忘れや支払い遅延が発生すると、自動的に加算されます。
そのため、不足税額や加算税に加えて延滞税も負担することになり、本来納めるべき金額より確実に多く支払わなければならなくなります。
【令和3年1月1日以降の計算方法】
・納期限の翌日から2か月以内まで:年7.3%または延滞税特例基準割合+1%のいずれか低いほう
・納期限の翌日から2か月を超えた日以降:年14.6%または延滞税特例基準割合+7.3%のいずれか低いほう
このように、早く支払うほど負担額は小さくなります。
少額の申告漏れであっても、納付が遅れれば延滞税が積み重なり、長期間放置するほど大きな負担になります。
気づいた時点で速やかに納付することが、延滞税を最小限に抑えるための最も有効な対策といえるでしょう。
参照:国税庁|延滞税の計算方法
少額の申告漏れに気づいたときの対応
少額の申告漏れに気づいた場合の対応は、申告額が不足していたケースと、経費や控除の申告忘れがあったケースとで異なります。
ここでは、それぞれの対応方法について詳しく解説します。
税務署や市区町村にバレる前の予防策にもなるので、ぜひ参考にしてください。
修正申告
申告額が本来より少なく、追加で納税が必要な場合には「修正申告」を行います。
たとえば、副業収入を一部申告し忘れていた、売り上げを過少に記載していた、経費を過大に計上していたといったケースが該当します。
修正申告は、誤りに気づいた時点で早めに行うことが重要です。
自主的に修正をすれば、過少申告加算税や無申告加算税が免除または軽減される可能性があります。
一方、税務署から調査や指摘を受けてから修正した場合には、加算税や延滞税が重く課されることになります。
少額の誤りでも「故意に隠していた」と判断されれば重加算税の対象となる場合もあるため、気づいた時点で自主的に修正申告を行うのが良いでしょう。
更正の請求
申告漏れによって本来より多くの税金を納めてしまった場合には「更正の請求」を行います。
たとえば、医療費控除を記載し忘れた、必要経費を計上し忘れた、といったケースが該当します。
更正の請求を行えば、納めすぎた税金を還付してもらうことが可能です。
更正の請求ができるのは、法定申告期限から原則5年以内とされています。
期限を過ぎてしまうと還付を受けられないため、誤りに気づいたら早めに対応することが大切です。
少額であっても積み重なれば大きな還付額になることもあり、損をしないためにも必ず請求を行うようにしましょう。
少額の申告漏れがバレたときの対処法
少額の申告漏れが税務署や市区町村にバレたときの対処法を解説します。
必要経費を計上する
少額の申告漏れが税務署や市区町村に発覚した場合でも、適切に対応すれば余計な追徴課税を避けられる可能性があります。
重要なのは「必要経費を正しく計上すること」です。副業や事業収入がある場合、仕事に直接関連する支出は経費として計上できます。
領収書やレシート、クレジットカード明細など、経費であることを証明できる資料を必ず準備して申告内容を修正しましょう。
経費計上を適切に行えば課税所得が下がり、結果的に税額を減らせます。
場合によっては「収入-必要経費」がマイナスとなり、所得が赤字扱いになることもあります。
この場合、その年の所得税については課税されず、確定申告が不要となる場合があり、追徴課税の対象とならない可能性があります。
大切なのは「経費を裏付ける証拠を揃え、税務署や市区町村に説明できる状態を整える」ことです。
税理士への相談
税務署や市区町村から申告漏れを指摘された場合、まずは税理士へ相談することをおすすめします。
税務署は税務のプロであり、専門知識がない個人が説明や反論を試みても、十分に対応できないケースがほとんどです。
その結果、必要以上に不利な対応をしてしまい、余計な税負担を背負ってしまう可能性もあります。
税理士に相談すれば、税務の専門家として間に入り、納税者に代わって対応・交渉を行ってくれます。
状況に応じて追徴課税を最小限に抑えたり、不要な課税を避けたりすることも可能です。
特に税務調査では専門的な知識と経験が求められるため、専門家に依頼するメリットは大きいでしょう。
税理士法人松本は税務調査に強みを持つ事務所で、国税OBが10名以上在籍していることから、内部事情に精通した実践的な対応が可能です。
また、水商売や夜職関連の税務知識にも詳しく、これまでに5,000件以上の相談実績があり、追徴課税ゼロに抑えたケースも多数あります。
全国から相談可能なため、少額の申告漏れから本格的な税務調査まで、幅広く頼れる存在として気軽にご相談ください。
まとめ
少額の申告漏れであっても、税務署や市区町村から指摘される可能性は十分にあります。
特に住民税を所管している市区町村は、金額の大小にかかわらず追加徴収を行うケースが多いため注意が必要です。
また、納税義務がある金額であれば、過少申告加算税や無申告加算税といった追徴課税が科されることもあります。
申告漏れに気づいた際には、正当に計上できる経費がないかを確認し、所得額を正しく減らす工夫をしましょう。
とはいえ、自己判断だけでは限界があり、場合によっては余計な税負担を招くこともあります。
最も安心なのは、税理士に相談し、専門的なサポートを受けながら修正申告を行うことです。
少額だからと放置せず、気づいた時点で対応することで、ペナルティを最小限に抑え、将来のリスクを防ぐことができるでしょう。
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