
夜職を始めると、一般的なアルバイトよりも収入が増えます。
収入が増えると、税金や扶養の制度で親に夜職がバレてしまう可能性があります。
親バレを防ぐためには、自身で確定申告をしておかなければいけません。
所得によっては親の税金の負担が増える可能性がありますので、正しく知識を身に着けておく必要があります。
夜職で収入が増えるとなぜ親にバレるのか?
扶養を外れるとどうなるのか?
夜職で確定申告をするとメリットはあるのか?
など、夜職と確定申告、扶養に関する基礎知識についてお話します。
親に夜職がバレる時
夜職が親にバレてしまうのは、どんな時なのでしょうか。
よくある親バレのタイミングについて、確認しておきましょう。
- 扶養から外れて親バレ
- 住民税額決定通知書から親バレ
- 確定申告をせずに親バレ
- 自身の行動から親バレ
扶養から外れて親バレ
扶養とは、経済的に自力で生活できない子供や親などの親族を援助する制度です。
収入が少ない状態であれば親の扶養に入りますが、
収入が一定金額を超えると扶養から外れるようになります。
親には扶養から外れた旨が通知されますので、高収入であるという事実がバレてしまいます。
突然扶養から外れると親を驚かせてしまうかもしれませんので、事前に収入があると伝えておくといいでしょう。
住民税額決定通知書から親バレ
夜職で収入が増えると、住民税が増加します。
本業で会社員をしていなければ住民税の決定通知書は自宅に郵送されますので、もし親が開封してしまうと住民税の金額を見られてしまう危険があります。
住民税が多いと、「なぜこんなに稼いでいるのか?」と聞かれてしまうかもしれません。
ただ親が勝手に開封しなければ住民税の金額はバレませんし、職種が記載されているわけではありません。
確定申告をせずに親バレ
キャバクラなどの夜職で働くと収入が増えるので、確定申告が必要になります。
確定申告とは、1年間の所得を税務署に申告し、納税をするものです
夜職の場合は会社員とは違い、個人事業主として業務委託を受けている状態となりますので、自身で確定申告をしなくてはいけません。
確定申告をせずに放置して親の扶養に入り続けていると、
税務署から連絡が入る場合があります。
「お子さんは収入が一定を超えているので、扶養から外れて確定申告をしてください」という連絡です。
このような形で親バレをすると、職種も追求されてしまうでしょうから確定申告はきちんとしておきたいものです。
自身の行動から親バレ
特に親と同居している場合は、衣服や行動、活動時間の変化などで夜職がバレる可能性があります。
化粧や髪型の変化、またお酒やタバコの匂いなどから疑われてしまうようです。
娘の生活が派手になると、交友関係や金銭面が心配になるのは親として当然です。
ドレスや化粧品など持ち物も変化していきますので、親と同居しながら夜職を隠すのは難しいかもしれません。
扶養から外れると「夜職」が親にバレる?
収入が増えると親の扶養から外れなくてはいけませんが、
この時点で夜職が必ずバレるというわけではありません。
「収入が増えた」という事実は伝わりますが、職種までは特定できないためです。
夜職と自分から口にしなければ、「居酒屋のバイトでシフトに入りすぎた」という言い訳が通じるかもしれません。
ただし化粧や交友関係の変化など、疑いを持たれている状態であれば夜職を親に指摘されても不思議ではありません。
親の扶養に入るとは
親の扶養に入っていると、具体的にどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
税法上の面と、社会保険上の面から、扶養についてご説明します。
- 税法上の扶養
- 社会保険上の扶養
税法上の扶養
家族が扶養に入っていると、扶養控除が受けられますので税金の負担を減らせます。
例えば16歳から19歳の「一般の控除対象扶養親族」を扶養に入れている場合、所得税は38万円控除となります。
親の扶養を抜けると扶養控除がなくなる分、親の税金の負担が増します。
社会保険上の扶養
親の扶養に入っていると、親が勤める会社の社会保険に加入しています。
親が被保険者となっており、被扶養者である子供は自身で社会保険に加入しなくても保険が受けられる仕組みになっています。
親の扶養に入っていれば、子供自身が健康保険料を負担する必要はありません。
親の扶養から外れる時とは
キャバクラ嬢など夜職のキャストは業務委託された個人事業主として働くケースが多いので、その場合は年間所得が48万円以上になると扶養を外れなければいけません。
雇用されているキャストは、給与として年間103万円を超えると扶養を外れます。
夜職で働いていると報酬として受け取る金額は多くなりますが、所得とは経費を引いた金額です。
仕事のために必要な化粧品やドレス代などは経費となりますので、経費の計算を正しくできるようにしておきましょう。
夜職で親の扶養を外れるデメリットとは
親の扶養から外れていれば夜職がバレる可能性が低くなりますが、扶養を外れるデメリットはないのでしょうか。
夜職で親の扶養を外れるデメリットについて、理解しておきましょう。
- 健康保険料を自分で納める必要がある
- 世帯主の税負担が増えてしまう
健康保険料を自分で納める必要がある
扶養家族は健康保険料が無料なので、親の扶養に入っていれば親の健康保険が使えます。
親の扶養を外れたら、健康保険料を自分で納める必要があります。
所得により健康保険料は変動しますが、毎月数千円~数万円の負担となります。
年間だと大きな金額になるので、うっかり稼ぎすぎて健康保険料の負担が大きくなりすぎないよう注意した方がいいでしょう。
世帯主の税負担が増えてしまう
世帯主は、扶養家族がいると税金の控除を受けられます。
子が扶養を外れるとなると扶養控除が使えなくなり、結果的に支払う税金が多くなってしまいます。
働き方によっては家庭全体でみた時に、所得が少なくなってしまうケースがありますので注意しましょう。
扶養から外れずに夜職を続ける方法
扶養から外れるとデメリットがあるため、扶養から外れたくないと考える方もいるでしょう。
扶養から外れずに夜職で働くには、以下のようなポイントを理解しておきましょう。
- 経費の管理をして確定申告する
- 青色申告を選択する
- 扶養の範囲内で出勤する
経費の管理をして確定申告する
夜職でかかった経費を正しく計算し、自身で確定申告を行いましょう。
確定申告で経費の計算を行い、所得を抑えられれば扶養から外れる心配はありません。
経費として認められるものとして、以下のようなものが挙げられます。
- ヘアメイクのためのサロン代
- ドレス代
- 出退勤時のタクシー代
- お客さんへのプレゼント代
領収書やレシートを保管し、何のためにかかった経費なのかを説明できるようにしておきます。
確定申告をしていれば必ず扶養に入れるという意味ではなく、確定申告をしていても所得が一定を超えると扶養から外れますので注意しましょう。
青色申告を選択する
確定申告は、白色申告と青色申告の2種類があります。
青色申告で確定申告をすると最大65万円の控除が受けられますので、所得が抑えられて節税効果が高くなります。
白色申告よりも複雑な手続きが伴うのがデメリットで、
事前に青色申告の申請書も必要となります。
しかし収入が多い場合は青色申告の方がお得なので、検討していくといいでしょう。
扶養の範囲内で出勤する
扶養に入ったままでいるために、一定ラインの収入を超えないようにするという方法もあります。
「時短で働く」「週末だけ働く」というように出勤時間を調整すれば、親の扶養を外れる必要はありません。
夜職では個々に合わせた働き方に理解を示してくれるお店も多いので、正直に相談してみるといいでしょう。
夜職キャストが確定申告をするメリット
親バレを防ぐためには、自身で確定申告をするのがひとつの対策になります。
確定申告は「難しそう」「よくわからない」というイメージが先行してしまいがちですが、正しく確定申告をすればメリットがあります。
- 税金が還付される可能性がある
- 追徴課税のリスクを減らす
税金が還付される可能性がある
毎月の報酬明細書を見て、源泉徴収として10%天引きされていれば、すでに税金を支払っているという状態になります。
確定申告では、この払いすぎた税金を還付してもらえる可能性があります。
そのためには手にした「報酬」ではなく、経費などを差し引いた「所得」を明らかにしなくてはいけません。
経費を計算した上で、税金を払いすぎているとわかれば税金が還付されます。
払いすぎた税金は年末調整か確定申告でしか、取り返せません。
年末調整を行うキャバクラは少ないため、自身で確定申告をするといいでしょう。
追徴課税のリスクを減らす
キャバクラなどの水商売をしている店舗は、税務調査の対象になりやすいという特徴があります。
脱税が多い職種であると税務署が認識しているため、正しく税申告をしているかの調査を行うものです。
所属するお店に税務調査が入った場合、キャストが個人事業主として正しく確定申告しているかも芋づる式に調査されるでしょう。
確定申告をしていないとバレると、ペナルティが課される可能性があり、本来支払わなくてよい税金を納めなくてはいけなくなるかもしれません。
税務署に指摘される前に、正しく確定申告をしておきましょう。
売れっ子は税理士依頼で負担軽減
夜職で働くキャストは確定申告が必要ですが、慣れない事務処理に負担を感じる方もいるかもしれません。
領収書を集めて経費の計算をするのは、あまり楽しい時間ではないでしょう。
1年に1回の確定申告とはいえ、精神的なストレスになるかもしれません。
費用がかかりますが税理士に依頼するという選択肢もありますので、負担がかからない方法を検討していくといいでしょう。
親に夜職がバレた時の対応
隠していた夜職が親にバレてしまった時、嘘をついて親をだますような対応はあまりおすすめできません。
夜職を続けるためにも、誠意をもって話合いができるよう心の準備をしておきましょう。
- 素直に謝る
- 夜職について話し合う
素直に謝る
親に夜職がバレてしまったら、まずは素直に謝る姿勢をみせましょう。
嘘を重ね続けるのは苦しいですし、親との信頼関係にもヒビが入ってしまうかもしれません。
親としては子供に「隠し事をされていた」という事実にショックを受けています。
秘密にしていたという事実に対し、謝罪するようにしましょう。
夜職について話し合う
夜職に対してどういうイメージをもっているかは、その親御さんによります。
「なぜ夜職を始めたのか」という目的があれば、親も納得してくれるかもしれません。
例えば「学費のためにお金がほしい」「将来の夢のための貯金目標がある」などです。
前向きなプランがあっての夜職であれば、親も頭ごなしに怒るわけではないでしょう。
なぜ親が心配しているのか、なにが不安なのか、という点をクリアにし、丁寧に説明していけば考え方が変わってくるかもしれません。
夜職の確定申告に関するよくある質問
夜職の確定申告に関するよくある質問をまとめました。
- 夜職は会社にバレますか?
- 夜職の報酬は手渡しなので確定申告は不要ですか?
- 昼間の会社が年末調整をしていれば確定申告は不要ですか?
夜職は会社にバレますか?
昼間の本業があり、副業として夜職をしている場合は、会社バレが気になるでしょう。
会社にバレてしまうキッカケとして多いのが、住民税の金額です。
会社員であれば会社が住民税を払っていますので、金額が多いと副業をしているとバレてしまいます。
確定申告をする際に「自分で納付」を選択し、自宅に納付書が届くようにしておきましょう。
夜職の報酬は手渡しなので確定申告は不要ですか?
夜職では手渡しで報酬が渡されるお店があります。
振込のように履歴が残らないと思われがちですが、お店側はきちんと帳簿をつけています。
手渡しの報酬であっても確定申告をしないと税務署にバレてしまいますので、確定申告をするようにしましょう。
昼間の会社が年末調整をしていれば確定申告は不要ですか?
昼間に勤めている会社が年末調整をしていても、夜職で得た収入分の確定申告が必要です。
副業の場合は、副業所得が年間20万円を超えたら確定申告が必要となります。
収入ではなく所得が20万円を超えるかがポイントなので、
夜職にかかった経費を正しく計算しておきましょう。
夜職キャストは確定申告を
夜職を親や会社にバレないようにするには、自身で確定申告をしておくのが重要です。
確定申告をすれば払いすぎた税金が還付される可能性がありますし、万が一お店に税務調査が入った時には自分の身を守るための対策となります。
個人事業主として自分で確定申告をするのが難しいと感じる場合は、税理士にご相談ください。
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