最近、人気のメンズエステを開業する方が増えています。メンズエステの経営を始めたら、申告を行って正しく納税をしなければなりません。売上があるにも関わらず申告をしない無申告の状態を続けていると、脱税につながります。もし、無申告のまま営業を続けた場合はどのようなリスクがあるのでしょうか。
今回は、メンズエステの経営者にぜひお伝えしておきたい、無申告のリスクについてご説明します。



メンズエステは脱税が多い?メンズエステに税務調査が入りやすい理由

メンズエステは、国税局が調査に入りやすい業種だということをご存じでしょうか。なぜ、メンズエステに税務調査が入りやすいのか、その理由についてご説明します。

風俗業は申告漏れの多い業種

脱毛やフェイシャルエステなどを男性に行う美容目的のエステではなく、女性が男性にマッサージなどを行うメンズエステは風俗業に該当する場合もあります。国税局では「事業所得を有する個人の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種」を発表しています。この中で、風俗業は毎年上位にランキングされており、正しく申告を行っていないことが多い業種として知られています。そのため、風俗業は国税局の税務調査の対象として選ばれる可能性が高く、風俗業に該当するメンズエステを運営している場合は、例外ではないのです。

メンズエステの税務調査ではどんなことが行われるの?

税務調査では、税金を正しく納めているかの調査が行われます。税金の額はお店の儲け額に応じて変動します。そのため、不正申告を行っている場合は、儲けを少なく見せかけるために売上額を過少に申告していたり、経費を水増しして計上していたりというケースが多く見受けられます。
この不正を見抜くために、税務調査の際には、売上を正しく計上しているか、売上の計上時期に誤りがないかなど、売上額の正当性をチェックします。また、人件費を水増しするために架空の人物に給与を支払っているように見せかけていないか、勤務時間に応じた正しい金額の人件費を支払っているか、名簿やタイムカードと照合しながら人件費の確認を行います。そのほか、おしぼりやオイルなどの消耗品の仕入れ額を水増ししていないか、本来はプライベートな飲食代などを交際費として計上していないかなどの細かいチェックがなされます。

メンズエステの無申告と脱税がバレたらどうなる?

メンズエステの経営者の中には、お店の運営が軌道に乗ってから売上や利益を申告すればいいのではと思っている方がいるようです。しかし、そのような考えでお店を経営していると、もし税務調査が入った場合にどうなってしまうのでしょうか?

メンズエステの脱税や無申告はバレない?

メンズエステで売上が生じているにも関わらず、確定申告を行っていない場合は無申告の状態に該当します。申告をしない状態であれば、税務署に税金を納めていないことがバレないのではと考えているかもしれません。しかし、オイルやおしぼりなどの業者が取引先として店の名前を記載して申告を行っていたり、取引先が税務調査を受けたりしたときに、商品の提供先として店の名前が記載された帳簿があったことなどをきっかけに、税務署に脱税や無申告がバレるケースが多くなっています。
無申告の状態は、納税額を抑えるために売上や経費を操作した不正申告よりも悪質性が高いと判断されます。
無申告の状態で税務調査が入った場合は、通常の税務調査よりも調査対象となる期間が長くなります。通常の調査では過去3年分の申告状況が調査の対象となりますが、無申告の場合は過去5年にまでさかのぼり、税務調査が行われます。調査によって、その5年間において脱税していたことが発覚すれば、さらに2年間さかのぼった調査が行われます。
つまり、無申告の状態が発覚した場合には、過去7年分の調査、そして延滞したことや無申告であったことに対するペナルティの税率が加えられ、正しく納税をしていた場合に比べて多額の税金を納めなければならなくなるわけです。

メンズエステの経営を始めたら必要なこと

メンズエステは、税務調査の対象となりやすい業種です。無申告の状態は脱税につながり、先ほど、紹介したように多額の税金を納税しなければならない状況になります。
また、税務調査が入った場合には、売上や経費を記載した帳簿の提出が求められます。もし、日々の帳簿を付けていなかった場合は、売上や経費を証明できるものがないため、仕入れに支払った額や報酬として支払った額などをさかのぼって調査し、売上と経費の額を推計した上で計算した額を納税しなければなりません。これらの作業にもかなりの時間と手間を要します。

メンズエステの経営を始めたら、儲けが大きくなってからやればいいと後回しにするのではなく、必ず最初から売上と経費を帳簿に記録しておくようにしましょう。そして、売上と経費を正しく計算して確定申告を行い、しかるべき額の納税を行うようにしましょう。



申告をすることにメリットも

メンズエステを開業したばかりのときには、初期費用もかかります。初年度は利益が出ないこともあるでしょう。しかし、申告を行えば脱税や無申告によるリスクを避けるだけでなく、このようなメリットも受けることができるのです。
申告には税務の専門知識が必要です。申告が初めての方やこれまでずっと無申告状態だったような方は、まずはメンズエステに詳しい税理士に相談してみるとよいでしょう。

まとめ

メンズエステのなかでも風俗業に該当する場合は、税務調査の対象となりやすい業種です。申告をしないまま営業を続けていた場合には、納めるべき税金を納めていない脱税行為になります。もし、無申告の状態が発覚した場合には、多額の税金を納めなければならなくなる可能性があります。お店の儲けが大きくなり始めてから申告をするのではなく、今から帳簿を正しく作成し、しっかりと申告を行うようにしましょう。
これまでずっと無申告を繰り返し、申告をしてこなかった場合には、税務調査に入られる前に自ら申告を行うことで課せられる税額を抑えられる可能性があります。まずはメンズエステに詳しい専門の税理士に現状を相談してみることをおすすめします。