キャバクラやホストクラブ、スナックなどの水商売では、利益を正しく申告していなかったり、納めるべき税金を納めていなかったりする不正や脱税を行うお店や人が多いと言われています。本当に水商売では脱税や不正が多く行われているのでしょうか。脱税や不正が多い業界であれば、自分が正しく納税しなくても簡単に見つかることはないのでしょうか。
今回は、水商売は脱税が多いという噂と脱税が多い業界だからこそ不正はバレないという噂の真相についてご紹介します。
ずっと無申告状態でそろそろ確定申告をしないとやばいと感じている方は過去分からの申告も可能な税理士法人松本までお気軽にご相談ください。



水商売は脱税が多い業界っていうのは本当?

水商売では、脱税や不正をしているお店やスタッフが多いのは本当です。国税庁が発表している「事業所得を有する個人の1件当たりの申告漏れ所得が高額な業種」では、水商売のお店が該当する「キャバクラ」や「バー」が毎年のように上位にランキングされています。
参照元:https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2017/shotoku_shohi/sanko02_02.htm
キャバクラやホストクラブ、スナックなどの水商売のお店が、脱税や不正の常連となっている背景には、お客様から現金で代金を受け取る現金商売であるという理由が挙げられます。カード決済の場合には、いつ、だれが、いくらを支払ったのか取引の記録が残ります。しかし、現金は誰がいつ支払ったか、後から確認をする術がありません。そのため、バレずに売上を操作できるのではと考え、会計時に受け取った金額を実際よりも少ない金額として計上するなどの不正行為が横行しやすくなっています。

水商売は脱税・不正が多い業界だからこそ、税務調査に狙われやすい

税務署は、正しく税金を納めている人が不公平感を感じることがないように、正しく税金を納めていない法人や個人に対して厳しく対応を行っています。そのため、脱税や不正が多い業界として知られる水商売は、税務調査の対象として狙われやすい傾向にあります。
税務調査とは、確定申告の申告内容が正しいものかどうかを調べる税務署の調査です。水商売の場合、どのような営業実態なのかを把握するために調査員が事前に客を装って店に入り、内観調査を行っているケースがあります。このとき、お客の入り具合や客単価、お店の広さ、スタッフの数などを確認し、後の税務調査において帳簿上の数字と大きな相違がないかを確認します。実際にお店で働くスタッフの数に比べて、人件費として申告されている額が極端に高いような場合やお客の入り具合に比べて申告されている売上額が極端に低いような場合、虚偽の申告がなされているのではと見なされることとなります。

脱税が多い水商売では、不正がバレない?

キャバクラやホストクラブなどの水商売のお店を経営している方や実際にお店で働いているキャバ嬢やホストの方の中には、ほかにも脱税をしている店が多い業界だからこそ、自分が不正をしていてもバレないのでは?と思う方もいるかもしれません。
しかし、脱税や不正が多いからこそ水商売のお店や水商売で働く方は、税務署からマークされやすく、不正や脱税はバレやすいと言うことができます。
昨今では、大阪の北新地で働くキャバ嬢が2億円超の所得を申告せずに脱税したとして国税局から告発されたケースや新宿2丁目のゲイバーの経営者が法人税約6,400万円を脱税したとして告発された事件が起きています。また、東京や大阪の都市部だけでなく、地方にもその動きはあり、福島県で2件のキャバクラを経営していた飲食業の経営者も1億7,100万円を脱税したとして告発されています。
税務調査が入れば、過去3年にまでさかのぼって、徹底的に申告内容の調査が行われます。お店がスタッフに支払っている人件費についても詳しく調べるため、お店の税務調査からお店で働くキャバ嬢やホストの個人の申告状況にまで調査が及ぶことも少なくありません。
脱税や不正が多い水商売だからこそ、自分だけが不正をしていてもバレないということはあり得ません。

脱税や不正が発覚した場合はどうなるの?

税務調査により所得を正しく申告していないことが発覚した場合には、過少申告加算税や無申告加算税などの税金が加算されます。したがって、支払うべき額の税金に加えて、ペナルティとしてこれらの税額を加えた額の納付が求められることとなります。
さらに、無申告期間が長い場合や納税の必要性を知っていながら故意に納税を行わずにいた場合など、悪質性の高い案件だと判断された場合には、脱税を犯した犯罪者として逮捕・処罰される可能性があります。脱税の容疑がかけられた場合には、刑事裁判に発展し、裁判によって刑事責任が追及されるほか、さらに税負担が重たい重加算税が課せられることとなります。

正しい申告・正しい納税のためには、税理士に相談を

キャバクラやホストクラブ、スナックなどの水商売は、脱税や不正が行われていることが多い業種です。そのため、税務署も申告内容については目を光らせており、税務調査の対象として狙われやすくなっています。
税務調査の対象となり、不正が発覚した場合には上に紹介したようなリスクを負うことになります。しかし、適正な申告し、適正を納税していれば税務調査が入った場合でも何も恐れることはありません。税務に関する知識が少ないことで帳簿の付け方や申告の仕方に不安を感じているようであれば、水商売の業界に深い知識を持つ税理士に相談してみることをお勧めします。水商売を知り尽くしている税理士だからこそ、申告をスムーズにかつ的確に行うためのアドバイスを受けられることでしょう。
税理士法人松本は水商売、風俗に特化した税理士事務所です。まずはお気軽に初回LINE無料相談をご利用ください。



まとめ

水商売は、利益を正しく申告せずに税金の納付額を低く抑えるための不正や脱税が多く行われている業界です。水商売が脱税の多い業界であることは国税庁のデータからも明確に示されています。したがって、申告内容に虚偽がなく、しっかりと納めるべき額の納税が行われているかどうか、税務署側も厳しくチェックを行っています。万が一、税務調査によって脱税や不正がバレてしまった場合には、多額の追徴税額の納付を求められるほか、脱税容疑で告発される可能性もあります。
脱税や不正は必ずバレます。もし、納税に関して不安を感じているようであれば早めに税理士に相談してみてください。