高級クラブでホステスとして働くことに興味を持っていても、実際の仕事内容や求められるスキルについてよくわからず、自分に素質があるのか不安になる方は多いのではないでしょうか。ホステスの仕事は華やかなイメージがあり、店舗によっては接客マナーやコミュニケーション能力が重要視されることがあります。そのため、「容姿や学歴がなければできない」と誤解される方もいるかもしれません。
実際には、ホステスとして働くために必須の資格や学歴、特定の容姿の条件は定められていません。ただし、仕事の内容や目指す収入によっては、接客スキルやコミュニケーション能力を磨いておくと安心です。
ここでは、高級クラブのホステスに求められるスキルについて解説します。
ホステスの仕事内容やキャバ嬢との違いなどについても説明しますので、夜職の働き方について理解を深めるための参考にしてください。
ホステスの主な仕事内容

高級クラブで働くホステスの仕事内容は単にお酒を作るだけでなく、以下のように多岐にわたります。
- ・接客と会話(顧客に楽しい時間を提供)
- ・ドリンクの提供(タイミングを見てお酒を補充)
- ・灰皿交換・グラス管理(テーブルを清潔に保つ)
- ・同伴・アフター(店外で顧客と過ごす)
- ・営業連絡(顧客に来店のお礼や次回の来店につなげる連絡をする)
お客さまに楽しい時間を過ごしてもらい、お酒を注文してもらったり、次回来店につなげたりするために、さまざまな仕事をこなす必要があります。店舗によって内容は多少異なりますが、ホステスとして働くのであれば、基本的な仕事内容やルール、役割は押さえておくと良いでしょう。
未経験でもホステスになれる?ホステスを始めるのに必要な資格や手続き

ホステスという仕事に興味を持っていても、未経験からスタートするのはハードルが高いと感じる人もいるでしょう。そもそも、ホステスになるのに特別な資格は必要なのでしょうか。
結論として、夜職未経験でもホステス業を始めることは可能です。最初はヘルプとして働きながら、接客スキルを磨くことができ、努力の積み重ねによってホステスとして成功し、高収入を得られる可能性もあります。
働き方には、雇用契約として給与を受け取る形と、個人事業主として報酬を受ける形があり、個人事業主として働く場合は、開業届の提出や所得税の申告など、必要な手続きがあります。
ここでは、ホステス業を始めるのに必要な資格や手続きを説明します。
ホステスになるのに資格はいらない
ホステスになるのに、特別な資格は必要ありません。
店側は開業時に開業時に食品衛生責任者や防火管理者などの資格が必要であり、飲食店営業許可や風俗営業許可などの許可申請が求められます。しかし、ホステスとして働く女性自身には学歴や資格は特に必要ありません。ただし、働く店舗によっては年齢や接客経験などの条件が設けられている場合があります。
初めてホステスの仕事に挑戦する場合は、いきなり高級クラブに入店しても経験不足で稼ぎづらい傾向にあります。そのため、初心者でも入りやすい一般的なクラブに入店するか、キャバクラやガールズバーなどで接客の経験を積んだうえで高級クラブなどに挑戦するのも一つの方法です。
参考:e-Gov法令検索|風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
ホステスになるには開業届が必要?
ホステスとして働き始めた場合、税務関係の手続きに不安を感じる方も少なくありません。
まず考えなければならないのが「開業届」です。ホステスが店側から受け取る収入が「事業所得」に該当する場合、開業届の提出が必要です。夜職の場合は店と雇用契約がなく、個人事業主として収入を得るケースが多く、「事業所得」に該当する可能性が高いため、基本的に開業届の提出が求められます。
開業届を提出しなかったとしても、特に罰則はありません。しかし、開業届を提出することによって青色申告承認申請を行えるようになり、青色申告特別控除などの税制上のメリットを受けられる可能性があるため、提出を検討するとよいでしょう。具体的には、税理士など専門家に相談して、自身の契約形態に合った申告方法を確認することをおすすめします。
参考:国税庁|個人事業の開業届出・廃業届出等手続
所得額に応じて確定申告をする
ホステスが開業届のほかに忘れてはいけないのが「確定申告」です。開業届の提出有無に関わらず、年間の所得が48万円(基礎控除額)を超えた場合に確定申告が必要となります。
仮に、副業としてホステス業を営む場合には、副業による所得が1年間で20万円を超えた場合に確定申告が必要です(給与所得の場合)。
確定申告を怠り、税務調査で指摘されると、無申告加算税や延滞税などさまざまなペナルティが課せられる恐れがあるため、期限通りに正しく確定申告を行いましょう。
参考:国税庁|所得税の確定申告
【高級クラブとキャバクラの違い】ホステスとキャバ嬢どちらが向いている?

ホステス業と似た職種にキャバ嬢(キャバクラ)がありますが、自分に適した働き方はどちらなのか気になる方もいるでしょう。
ホステスとキャバ嬢のどちらが良いかは、自身の性格はもちろん、客層への対応や目指す働き方、稼ぎたい金額などによって異なります。そのため、それぞれの特徴を比較して自分に合った働き方を選択するのが望ましいです。
ホステスとキャバ嬢の働き方の違いについて、それぞれ詳しく説明します。
給料システム
給料システムは店舗によって異なりますが、クラブは日給、キャバクラは時給形態をとる店が多いです。
クラブは出勤日数によって日給が決まる場合が多く、日給はキャバクラの時給よりも高く設定される傾向があります。
一方、キャバクラは基本的に【時給制+インセンティブ(バック)】が特徴となっており、顧客の利用金額や指名数によって給料が増減し、努力次第で多く稼げる可能性があります。ただし、これはあくまで一般的な例で、店舗によって給与形態や金額の設定は異なります。
参考:厚生労働省|地域別最低賃金の全国一覧
お客さまのランクや年齢層
クラブとキャバクラでは価格帯や接客スタイル、働く女性の雰囲気も異なるため、顧客のランクや年齢層にも違いがあります。
クラブは年齢層が比較的高めで、経営者や医師、士業といった、比較的地位が高い方が利用するケースが多いです。働くホステスは20代後半から30代、場合によっては40代の女性が中心で、落ち着いた雰囲気や一定の会話スキル、教養が求められるので、キャバ嬢と比べると女性の年齢層が上がります。
一方、キャバクラは入りやすいイメージもあり、若い方から中高年まで幅広い年齢層の男性が利用する傾向にあります。活躍するキャバ嬢も20代の若い女性が中心です。
ママが存在するか
クラブとキャバクラでは、「ママ」と呼ばれる統括者(教育者)の存在があるかないかも大きな違いです。
ホステスが働くクラブには「ママ」と呼ばれる店の中心的な存在があり、店全体を統括、新人教育を行います。
そのため、ホステスはママの方針に従ってその店独自の接客スタイルを形成する必要があります。一方、キャバクラでは一般的に「ママ」は存在せず、ボーイ(黒服)が新人の教育やアドバイスを行ったり、先輩のキャバ嬢から業務について学ぶのが一般的です。
接客スタイル
ホステスが在籍するクラブは一人のお客様に複数のホステスが付くケースが多いです。そのため、高級クラブでは、他のホステスと協力して店全体の雰囲気を良くしてお客さまを満足させることが求められており、チームワークを重視する傾向にあります。また、顧客の年齢層や地位が比較的高い傾向にあるため、ホステスの対応も基本的に落ち着いた上品な接客を心掛け、品格を重視する店が多いです。
一方、キャバクラの場合、一人のお客様に対して一名のキャバ嬢が付くのが一般的です。クラブと比較すると活発でカジュアルな接客が多くみられます。
向いている人の特徴
先述したように、ホステスとキャバ嬢では働く店や接客スタイル、給料システム、客層などにさまざまな違いがあります。そのため、それぞれの特徴を踏まえて自分に合った働き方を選択するのがベストです。
ホステスとキャバ嬢、それぞれに向いている人の特徴は以下の通りです。
【ホステスに向いている人】
- ・格式高い店でキャリアを積みたい人
- ・ハイクラスな顧客との人脈を作りたい人
- ・細やかな気遣いができる人
- ・協調性がある人
- ・聞き上手な人
【キャバ嬢に向いている人】
- ・未経験でも挑戦しやすい店を探している人
- ・短期間で高収入を目指したい人
- ・格式高い店よりもカジュアルな方が好きな人
- ・場を盛り上げるのが得意な人
- ・話し上手で自己表現が得意な人
クラブに訪れる顧客の年齢層は比較的高く、それに応じて落ち着いた雰囲気の女性が求められるため、キャバクラに比べて働く女性の年齢も高くなる傾向があります。
ホステスとキャバ嬢どちらの職業であっても、お酒を提供しながらの接客やお客さまを楽しませる点は共通しています。
容姿に自信がなくても大丈夫!人気ホステスが持っているスキルとは

ホステスの仕事をしてみたいと思っても、「容姿が優れていないと採用されないのではないか」と思う方もいるかもしれません。しかし、全てのホステスが容姿が優れているという理由で採用されているわけではありません。
ホステスの仕事では、接客スキルやコミュニケーション能力など、容姿以外の能力も重要視されます。そして、お客様との信頼関係を築くためには、知識や話術、対応力など幅広いスキルが求められます。
ここでは、ホステスに必要とされるスキルについてご紹介します。
身だしなみや清潔感
ホステスはどのような見た目が求められるのか気になる方も多いでしょう。容姿の採用基準は人によって異なるため、一概には言えませんが、「可愛い人」よりも「綺麗な人」の方が好まれる傾向にあります。そのため、綺麗で上品に見えるメイクを心がけるのも有効です。
ただし、容姿のみで採用されるとは限らず、接客レベルや将来性も見ているため、容姿に自信がなくても諦める必要がありません。
第一印象でお客さまに安心感を与えるために、身だしなみや服装に気を配り、髪型や服装、靴など細かい部分にまで清潔感を保つことが大切です。清潔感のない見た目では、「周りにも気を遣えない」「不潔だ」という印象を与えかねないので注意しましょう。
洞察力と気配り
ホステスの仕事の基本は、お客さまに楽しく飲食してもらうようもてなすことです。そのため、ホステスには先回りした行動が求められます。
例えば、お客さまのグラスが空いたタイミングで次のドリンクを提案したり、お客さまが楽しく会話できるよう話題を振ったりするなど、周りを把握する洞察力と細やかな気配りが必要です。
ホステスとして成功するには、場の雰囲気を読む力やきめ細やかな気配りを養えるようにスキルを磨くようにしましょう。
教養を深める努力
特に、新人やヘルプのときなどはいろんなテーブルにつくため、お客さまのさまざまな話題に対応できる力が求められる傾向にあります。自分の得意なジャンルしかわからなかったり、自分が興味を持てないテーマでは会話ができなかったりすると、お客さまを楽しませられず、自分自身も困ることになるでしょう。
そのため、一般常識はもちろん幅広い知識や教養を身につけられるよう努力するのが望ましいです。人気ホステスの中には、仕事以外の時間にも自己成長のために読書や学習の時間を確保し、自身のスキルや知識を向上させる努力をしている人もいます。
ホステス業で身につけた知識や教養は、他の接客業でも役立ちますし、自分自身の教養としても役に立ちます。
自己管理能力
ホステスに限ったことではありませんが、夜職は不規則な勤務時間になるケースが多いため、長く続けていくために自己管理能力が求められます。 具体的には、スケジュール管理や体調管理、時間の使い方、金銭管理、外見の維持など、自分を律する力を養うことで、プロフェッショナルな振る舞いができるようになるでしょう。
自己管理能力を高めることで、生活リズムを整えられ、体調や精神状態を維持しやすくなります。それにより、質の高い接客を維持し続けることや、夜の仕事を長く続けていくことにもつながります。
参考:風俗業・キャバクラ・ホストクラブ専門税理士 税理士法人松本
スキルを磨いて売れっ子ホステスを目指そう!

高級クラブのホステスになるために、特別な資格や学歴は必要ありません。また、求められる容姿レベルが明確に定められているわけではありません。そのため、どのような女性であってもホステスを目指すことは可能です。
しかし、ホステスは一般常識やさまざまなものに対する知識、マナーや品性のある女性が求められる傾向にあります。ホステスとして高収入を目指すのであれば、自分が働きやすい環境を見つけ、仕事内容や必要なスキルを把握してスキルを磨くことが大切です。
また、ホステスが店側から受け取る報酬が「事業所得」に当たる場合には、開業届の提出が推奨され、所得に応じて確定申告も必要です。ホステスの税務手続きに不安を感じる方は、税の専門家である税理士に相談することをおすすめします。
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