デリヘル、ソープ、ヘルスなどの性風俗業のお店を開業するためには性風俗関連特殊営業の届出を都道府県公安委員会へ提出する必要があります。東京都内で性風俗業を営む際には、警視庁へ届出を出すこととなります。警視庁に性風俗関連特殊営業の届け出を申請するには、どのような手順となるのでしょうか。
今回は、性風俗関連特殊営業の申請手順を参考までにご紹介します。

性風俗関連特殊営業に該当する業種とは

風俗業は「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)」の中で細かに分類されており、キャバクラやホストクラブ、バーなどの飲食店のほか、麻雀店、パチンコ店、ゲームセンターなどが風俗業に含まれます。デリヘル、ソープ、ヘルスなどの性風俗業は、風営法上の性風俗関連特殊営業と呼ばれる業種に該当します。
性風俗関連特殊営業は、その営業形態や提供サービスの違いによってさらに以下のように細かく分けられています。

店舗型性風俗特殊営業

お店を構えて、サービスを提供するスタイルでそのサービスの違いから1号営業から6号営業までの細かい分野に分けられています。

・1号営業 ソープランド
浴場業の施設として、個室において異性の客に接触する業務を営むスタイルの業種です。

・2号営業 店舗型ファッションヘルス
個室において異性の客の興味に応じたサービスを提供する業種です。

・3号営業 ヌードスタジオ・個室ビデオ・のぞき部屋・ストリップ劇場等
性的好奇心をそそるために衣服を脱いだ人の体を見せる興行やそのような映像を見せる業種です。

・4号営業 ラブホテル・モーテル・レンタルルーム
異性を同伴する客の宿泊や休憩施設を営む業種です。

・5号営業 アダルトショップ・大人のおもちゃ屋等
性的好奇心をそそる写真やグッズを販売又は貸与するスタイルの業種です。

・6号営業 出会い系喫茶
店舗において異性と面会や紹介を提供するスタイルの業種です。

無店舗型性風俗特殊営業

店舗を構えずにサービスを提供するスタイルで、営業方法の違いから1号営業と2号営業に分けられています。

・1号営業 派遣型ファッションヘルス等
客の住居やホテルなどの施設で異性の客の興味に応じてその客に接触するサービスを提供する業種です。

・2号営業 アダルトビデオ等利用のアダルト画像送信営業
電話などの方法を使って、客に性的好奇心をそそる写真やビデオなどの販売、貸与を行う業種です。

映像送信型性風俗特殊営業

・インターネット等利用のアダルト画像送信営業
性的な行為や衣服を脱いだ人の様子など性的な好奇心をそそるための映像を見せる業種です。

電話異性紹介営業

電話で面識のない異性と一時的に性的好奇心を満たすための機会を提供する業種です。店舗を設けて営業するテレクラのような「店舗型電話異性紹介営業」、店舗を設けずに営業するツーショットダイヤル、伝言ダイヤルなどの「無店舗型電話異性紹介営業」があります。

性風俗関連特殊営業を警視庁に申請する手順とは

デリヘルやソープ、ヘルスなど性風俗関連特殊営業のお店を開業するためには、どのような手続きが必要になるのでしょうか。

1:警視庁に提出する営業開始届書の作成

各都道府県の公安委員会に営業開始届出書と必要書類の提出が必要となります。東京都の場合には、警視庁にこれらの書類を申請することになります。
申請書は警視庁のホームページからダウンロードすることも可能です。
警視庁「性風俗関連特殊営業様式一覧」
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/fuzoku/style/style2.html

2:添付書類の準備

警視庁に営業開始届出書を提出する際には、指定された添付書類を一緒に提出する必要があります。必要となる書類は、性風俗関連特殊営業のどの営業に該当するかによって異なりますので、不安な方は専門の行政書士の先生に依頼するようにしましょう。
主に必要となる書類は以下のようなものです。
・営業開始届出書
・営業の方法を記載した書類
・営業の本拠となる事務所、受付所及び待機所の使用について権限を有することを疎明する書類
・営業所の平面図
・営業所の平面図及び営業所の周囲の略図
・待機所の平面図
・営業を営もうとする者が個人であるときは、住民票の写し
・営業を営もうとする者が法人であるときは、定款、登記事項証明書及び役員に係る住民票の写し

3. 警視庁へ営業開始届出書と必要書類の提出と届出確認書の交付

書類の準備が整ったら、警視庁へ届出します。無事に届が受理されると「届出確認書」が交付されます。

4.開業

営業開始届出書が受理されると10日後に、開業することができます。その際、店舗のある営業形態の場合は店舗に届出確認書を明示しておくことが必要です。また、店舗を持たない営業形態の場合は広告宣伝を行う際や求人を行う際に提示することが義務付けられています。

性風俗関連特殊営業の営業開始届出書の提出は、専門家への依頼を

性風俗関連特殊営業の営業開始届出書やそれに伴って提出が必要となる書類の作成には、店舗の測量なども必要となり、専門的な知識も必要となります。そのため、性風俗関連特殊営業を営もうとする人が個人で書類を作成することはかなりの時間と労力が必要となります。したがって、性風俗関連特殊営業の業務を行っている事業者の多くは、書類作成の専門家である行政書士に書類作成業務を依頼しているのが現状です。性風俗関連特殊営業は、届け出から10日後に開業することができますが、書類の不備等でなかなか営業開始届出書が受理されない場合には開業までに長い時間が必要となってしまいます。
行政書士の中には、性風俗関連特殊営業の申請届に詳しい人もおり、手数料は発生するもののスムーズに届出を行うことができます。税理士のほとんどは行政書士と提携しているため、税務顧問を依頼しているまたは依頼する予定の税理士に行政書士を紹介してほしい旨相談をしてみましょう。きっと風俗業界に詳しい行政書士を紹介してもらえるはずです。

まとめ

警視庁に性風俗関連特殊営業の営業開始届出書と必要書類を提出すると受理から10日後に開業することができます。デリヘル、ヘルス、ソープなどの性風俗関連特殊営業を開業するためにはこの手続きは欠かせないものです。
営業開始届出書と提出すべき書類の作成には専門的な知識が必要となるため、スムーズに届け出を申請するためには風営法に詳しい行政書士に相談することをお勧めします。どのどの行政書士に依頼をしていいのかわからない場合には、顧問の税理士に気軽に相談してみるといいでしょう。

※法改正等により変更がある可能性がございますので、詳しい内容は行政書士の先生にお問い合わせくださいますようお願いします。