アフター

キャバクラなどの夜職には「アフター」と呼ばれるキャストとお客さまがプライベートな時間を過ごす時間があります。

キャバ嬢として働き始めた人や、夜職を検討している方にとっては「アフターはどんなことをするのか」「アフターでホテルに誘われないか」と気になる部分もあるでしょう。

本記事では、接客業におけるアフターの基本的な内容やメリット、注意すべき点を整理します。

賢くアフターを活用し、売上アップに繋げるためにも、ぜひ最後までご覧ください。

アフターとは営業後の店外デート

夜職

キャバクラ業界で使われる「アフター」とは、店舗の営業終了後に従業員と顧客が外出することを指す業界用語です。店舗の公式サービスに含まれるものではなく、あくまで従業員と顧客の個人的な関わりとして行われるケースが多いとされています。

キャバ嬢のプライベートな時間を過ごせるので、お客さまにとってはデートのような気分を味わえるのが特徴です。

アフターはキャバクラ店の売上に直接つながるものではありませんが、一般的には、こうした交流がきっかけで顧客との関係性が深まり、結果的に来店機会や指名につながることもあります。ただし、実施の有無や取り扱いは店舗や従業員ごとに異なり、必ず行われるものではありません。

また、キャバクラだけでなく、一部の高級クラブなどでも同様の慣習が見られる場合があります。

同伴との違い

アフターと混同されやすいものに「同伴」があります。どちらもお客さまとキャストが店舗の外で過ごす点では共通していますが、違いは出掛けるタイミングと店舗における取扱いにあります。

アフターは営業終了後にキャストがプライベートな時間としてお客さまと食事などに行くことを指します。食事の代金などをお客さまが支払うケースはあっても、報酬が直接発生しないことが多いのが特徴です。

一方、同伴は出勤前にお客さまと一緒に食事などをしたうえで来店することを指します。店舗によっては「同伴料」や「指名料」が発生し、キャストに手当が支給されるケースがあります。

このように、両者は似ているように見えて、報酬の有無や時間帯に明確な違いがあります。

顧客がアフターに誘う理由

キャバクラで働いていると、営業終了後に「アフターに行ける?」とお客さまから声をかけられることがあります。

お客さまがアフターを希望する理由としては、以下のようなものが挙げられます。

  • ・お気に入りのキャバ嬢と二人きりの時間を過ごしたい
  • ・より長くの時間を一緒に過ごしたい
  • ・店外で会える特別感や優越感を味わいたい
  • ・店でお酒を頼むよりお得感がある
  • ・二次会として楽しく盛り上がりたい
  • ・うまくいけばホテルに行けるのではないか

このように、お客さまは店の雰囲気とは異なるプライベートな空間で、キャバ嬢とより親密になりたい、コミュニケーションをとりたいという欲求がある場合が多いです。

ただし、アフターは店舗の公式サービスではなく、キャスト個人の判断によるケースが多いため、労務管理やトラブル防止の観点から注意が必要です。

アフターでは何をする?ホテルに行かなくて良い?

疑問

アフターの終了時間は、お客さまとキャスト双方の合意によって決められるのが一般的で、1~2時間程度で終わるケースが多いといわれています。

では、アフターではどのような時間を過ごすのでしょうか。特に、経験が少ない方の中には「どのような雰囲気なのか分からず不安に感じる」という声もあります。

一般的には、飲食をしたり軽く遊びに行ったりと、リラックスした時間を共有するケースが多く見られます。もちろん内容は人によってさまざまであり、あくまで双方が無理のない範囲で過ごすことが前提となります。

ここでは、アフターでよくある行き先についてご紹介します。

居酒屋やバー、深夜営業のレストランで飲食

キャバクラのアフター先として多いのは、バーや居酒屋です。

営業時間中に十分に飲食できなかった場合や、さらに交流の時間を持ちたい場合に選ばれ、雰囲気の良いバーで飲み直したり、軽食をとったりする場合があります。

また、場合によっては深夜まで営業しているレストランや、富裕層のお客さまが多いキャバクラに勤めている場合は、割烹や高級料亭に行くなど、特定のニーズに応じた飲食店を利用するケースもあります。

カラオケなどの娯楽

飲食店以外のアフター先として、カラオケも選ばれやすいです。歌うだけで盛り上がれますし、親睦を深めやすいです。また、カラオケは個室なので周囲に気兼ねなく過ごすことができ、親睦を深める場としても有効です。

歌が苦手な場合はアフターに行く前に提案しないようにする、もしくは初めから「あまり歌わない」と伝えておくのが良いでしょう。

他にも、ダーツやボーリング、シミュレーションゴルフなど、複数の人とのアクティビティに参加するケースもあります。

系列店のキャバクラやガールズバーに行く

キャバクラやガールズバーはキャバ嬢も客として入ることができるため、お客さまとのアフター先として、系列店のキャバクラやガールズバーに行くケースもあります。

キャバ嬢が在籍するキャバクラの系列店であれば、いつも店で対応しているときと同じ感覚で楽しめますし、何かあった際にサポートしてもらいやすいです。

なお、キャバクラのアフターで系列店ではない他店のキャバクラに行くことも稀にありますが、店のルールによって禁止されているケースもあるので注意しましょう。

キャバ嬢がアフターでホテルに誘われることはある?

夜職では、アフターの後、お客さまからホテルに誘われるケースは全くないわけではありません。中には、「アフター=ホテル」と考えるお客さまがいるのも事実です。

「枕営業をした方が仕事上有利だろう」と考える方がいるかもしれませんが、アフターでホテルへ行くことは、トラブルに発展したり恋愛感情を利用した営業行為に発展し、処分を受けたりする可能性もあるので注意が必要です。

2025年6月28日に施行された改正風営法によって接待飲食営業での色恋営業(恋愛感情を利用した営業手法)は禁止されました。違反した場合、警察からの指導や、店の営業停止や許可取り消しなどの行政処分を受ける可能性があります。。

安全かつ健全な関係性を保つことは、長期的なビジネスの信頼確保にもつながります。リスクが高い行為は避け、適切な判断のもとでアフターを行うことが推奨されます。

参考:e-Gov 法令検索|風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

キャバ嬢がアフターに行く理由は?メリットを紹介

メリット

キャバ嬢の中には、「なぜ仕事が終わった後のプライベートな時間を使わなければならないのか」と感じる方もいるでしょう。確かに、アフターは基本的に同伴のようにバックがないため、やりがいを感じられない人もいるかもしれません。

しかし、お客さまとアフターに行くことで、以下のようなメリットもあります。

  • ・関係が深まり次回指名してもらえる可能性がある
  • ・指名被りのフォローができる
  • ・人脈が広がる可能性がある
  • ・タクシー代がもらえる場合がある
  • ・食事が楽しめる
  • ・プレゼントをもらえることがある

それぞれ詳しく見ていきましょう。

関係が深まり次回指名してもらえる可能性がある

アフターに行っても給与や報酬は基本的に発生せず、あくまで任意の活動です。アフターを行うかどうかは個々の判断に委ねられており、業務上の必要性や成果が保証されるものではありません。

ですが、アフターをしないキャバ嬢に比べてお客さまと親密な関係を築きやすく、好感度も高まりやすいとされているため、次回そのお客さまから指名される可能性があります。

人気のキャバ嬢になるにはサービスの良さも大事なポイントとなるため、指名を多く取るために積極的にアフターに行くのも方法の一つです。

指名被りのフォローができる

人気キャバ嬢などは、指名してくれるお客様が被ってしまうケースも良くあります。そうすると、せっかく指名してもらったのにテーブルを離れなければならない場合もあり、ガッカリさせてしまうこともあるでしょう。

そのため、よく指名してくれるお客さまや、今後指名してくれそうなお客さまに対してアフターを活用するのは有効です。そこで、テーブルにつけなかったことへのフォローができれば、お客さまの優越感も高まり、再び指名してもらえる可能性があります。

人脈が広がる可能性がある

アフター先で、お客さまの友人や知り合いに会うこともあるでしょう。

その際、友人や知り合いとの交流も深めることで、その人たちからも店に来て指名してもらえる可能性があります。

また、アフター先で他の業界で働く人と知り合うことにより、自身の知見を広げることができるほか、将来的なビジネスチャンスを得られる場合もあります。

そのため、アフターは単なる店外交流だけでなく、人脈構築の場として利用できるのです。

タクシー代がもらえる場合がある

お客さまとアフターに行くと、帰りにタクシー代をもらえることがあります。なぜなら、キャバクラの営業終了後に出掛けると、終電を逃してしまう可能性があるためです。

どのくらいタクシー代がもらえるかは一概に言えませんが、5,000円〜10,000円もらえるケースが多いです。もしくは、タクシー運転手におおよその金額を聞き、それに合う金額を渡す場合があります。

ただし、タクシー代を渡すかどうかはお客さま次第であり、特に若い男性客やキャバクラに慣れていない人などはタクシー代を渡すこと自体知らない場合もあるため、必ずもらえるとは限りません。そのため、アフターに行く前にお客さまの仕事や懐事情について把握しておくのがおすすめです。

食事が楽しめる

単純に美味しい食事を楽しみたい方もアフターに行くのが向いています。

アフターは仕事の一環でもありますが、自分ではなかなか行くことができないような高級な店で料理やお酒を楽しめる可能性もあり、普段はなかなか体験できないことができる点もアフターの魅力です。アフターにかかる食事代などはお客様が全て支払うケースが多く、お客さまから行きたいお店を聞かれることもあります。

そのため、アフターで行ってみたいお店をリストアップしておくのも良いでしょう。

プレゼントをもらえることがある

お客さまからプレゼントをもらいやすくなる点もアフターのメリットです。

お客さまとの関係を深めると、お客さまもお気に入りのキャバ嬢に「何かプレゼントをしてあげたい」という気持ちになり、プレゼントしてくれる場合があります。中には、お小遣いをくれたり、比較的高価なプレゼントをしてくれたりするケースもあります。

ただし、お客さまから年間110万円を超えるプレゼントを受け取っている場合、贈与税の課税対象となる点に注意が必要です。それにも関わらず申告を怠ると、税務署から指摘され、無申告加算税や延滞税、重加算税などが課される場合があります。贈与税の申告の仕方がわからない場合は税理士に相談するのが有効です。

参考:国税庁|贈与税がかかる場合

キャバクラのアフターにおける心構えや注意点

夜職

キャバ嬢のアフターは、次の指名につながるなどのさまざまなメリットがある反面、お客さまから肉体関係を迫られたり、泥酔して判断を誤ったりするリスクもあります。そのため、あくまでも仕事の延長線上であるのを理解し、安全確保を優先することが大切です。

ここでは、アフターをする際の心構えや注意すべきポイントについて説明します。

なるべく密室で二人きりにならないようにする

アフターは深夜帯に出掛けるため、リスクを避けるために、お客さんと二人きりになるのは避けるべきとされています。

特に、会話や行動を監視されない場所では、お客さまの言動がエスカレートしてしまい、トラブルに巻き込まれる可能性もあるので注意が必要です。

例えば、カラオケなどの密室で1対1にならないようにしたり、お客さんの車やタクシーに二人で乗らないようにしたりと、危険な目に遭わないようにする対策をとりましょう。

警戒した方が良い相手とのアフターは断るなどしてなるべく控えるか、どうしてもアフターする場合は、店に相談し、グループ行動をしたり、スタッフに同行してもらったりするなどの方法が有効です。また、アフター先を店の系列店のキャバクラなどにするのも良いでしょう。

飲み過ぎに注意する

自分で飲酒量をコントロールすることも大切です。アフター中は制限がないことから、つい飲みすぎてしまうケースがあります。

しかし、飲みすぎて酔いが回ってしまうと判断力が鈍る恐れがあり、適切な対処ができなくなる可能性があるので注意が必要です。

また、飲み物に何かを混入されるトラブルもあるため、自分が飲食するものについては気を配る必要があります。

万が一、泥酔してホテルに連れ込まれてしまっても、店外だと店のスタッフは守ってくれないため、自分で自分の身を守れるようにリスク管理するようにしましょう。

プロ意識を持つ

アフターは店からの報酬が発生しないサービス的な側面がありますが、キャバ嬢としての仕事の一つです。プライベートの時間だからといって友達や恋人感覚で接しすぎてしまうと、境界線が曖昧になってしまい、トラブルにつながる可能性があります。

そのため、報酬の発生しないサービス提供でも、仕事の一環として行う場合は、業務上の責任や線引きを意識することが重要です。

お客さまからの無理な提案には適切に対応するようにしましょう。例えば、アフターを受けられない場合は、「翌日の業務に影響するため対応できない」など丁寧な断り方を身につけておくと安心です。

顧客との関係性を深めて売上につなげよう

女性

キャバクラにおけるアフターでは、営業終了後にお客さまと一緒に飲食や娯楽を楽しみます。

店の外でコミュニケーションを図ることで関係性が良くなり、次回の来店や指名につながり、売上アップが期待できます。

プライベートな時間を使うアフターであり、店の管理外で行うため、デメリットや危険性もあります。あくまでも仕事の一環としてプロ意識を持ってお客さまと接することが大切です。

ぜひこの記事を参考にリスク管理を十分行い、賢くアフターを活用しましょう。


免責事項

当ブログのコンテンツ・情報について、できる限り正確な情報を提供するように努めておりますが、正確性や安全性を保証するものではありません。内容は記事作成時の法律に基づいています。当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。