チャットレディは、空いている時間を有効活用して、自宅でも手軽にお金を稼げる仕事です。若い女性はもちろん、子育て中の主婦にもチャットレディとして活動している人がいます。一般的なアルバイトやパートの仕事に比べて時間の融通が利きやすく、さらに、効率よくお金を稼げる点もチャットレディの魅力です。
しかし、チャットレディとしてお金を得ている人も、会社員やアルバイトで働く人と同様、一定額を超える所得を得ている場合には確定申告が必要になります。そこで気になるのがチャットレディの確定申告の方法でしょう。また、確定申告書には「職業」を記載する欄があり、何と記載すればよいのか迷ってしまうケースも少なくないようです。
今回は、確定申告の職業欄の書き方をはじめ、チャットレディの確定申告の方法について分かりやすく解説します。
目次
チャットレディは確定申告書の職業欄に何て書く?
チャットレディが確定申告書の基本情報を記載する際、まず戸惑いやすいのが、職業欄の書き方です。
確定申告書に記載が求められる項目
確定申告書には、次のような事項の記載が必要です。
・住所
・氏名
・マイナンバー
・生年月日
・職業
・屋号
・世帯主の氏名
・世帯主との関係
・収入金額
・所得金額
・所得から差し引かれる金額
住所や氏名、生年月日などは迷うことなく記載することができるでしょう。しかし、職業欄には何と記載すればよいのでしょうか。
確定申告書に職業欄があるのはなぜ?
確定申告書の職業欄は、税務署が申告者の仕事の内容を把握するために記載が必要項目です。確定申告書を提出する人がすべて、正しく申告をしているとは限りません。中には、所得を低く装って、納税額を本来よりも低い金額に抑えようとする人がいるのも事実です。
税務署では、毎年、数多くの確定申告書をチェックしているため、申告された職業ごとのおおよその収入と経費のバランスなどを把握しています。例えば、レストランを営んでいる人であれば、材料の仕入れなどに費用がかかるため、経費は高くなる傾向があります。一方で、Webデザイナーやフリーランスの経営コンサルタントなどの場合、商品や材料を仕入れる必要がないため、経費の割合は低くなります。税務署では、確定申告書の職業欄もチェックしながら、収入や収入に占める経費の額に不審な点がないかを精査しているのです。
また、仕事の内容によっては、個人事業税と呼ばれる地方税の納付が必要になるケースがあります。個人事業税は職種によって税率が変わるため、事業内容を適切に把握できるよう、職業欄には具体的な仕事内容を記載する必要があります。
チャットレディの職業欄の書き方
職業欄には「チャットレディ」と記載しても問題ありません。しかし、チャットレディと記載することに抵抗を感じる人もいるかもしれません。そのような場合は、実際の仕事内容と乖離しない範囲で、「インターネット配信業」や「ライブチャット配信業」などと書き換えるとよいでしょう。
チャットレディは、インターネットの配信サイトを通じて利用者と接する仕事であり、実際の仕事内容を適切に表している場合は、虚偽の記載には当たりません。また、これらの職業であれば、インターネットやスマートフォンを使った通信、カメラや照明機材などが必要です。そのため、通信料や撮影機材の購入費を計上していても、不自然にはならず、仕事内容との関連性を合理的に説明しやすいでしょう。
チャットレディの屋号欄の書き方
確定申告書には、職業欄だけでなく、屋号を記載する欄もあります。屋号とはビジネス上の名称のことです。例えば、〇〇商店、レストラン〇〇、〇〇デザイン事務所などといった、仕事上で使用する名称を屋号といいます。
チャットレディの仕事をしているときには、本名ではなく、自分で決めたハンドルネーム(源氏名)を使って活動をします。そのため、ハンドルネームを屋号の欄に記載しても問題はありませんが、屋号は必ず記載が必要な項目ではないため、空欄でも問題ありません。職業欄にチャットレディと書かず、インターネット配信業や配信クリエイターと記載しても、屋号にハンドルネームを記載すると、職業が想像できてしまいます。そのため、チャットレディであることを公にしたくない場合は、屋号は無理に記載する必要はありません。
チャットレディで確定申告が必要になるのはいくらから?
チャットレディの場合、いくらから確定申告が必要になるのでしょうか?
チャットレディの働き方と納税の関係
チャットレディの仕事は、代理店経由で応募する方法やライブチャット配信サイトに直接登録する方法などがあります。いずれも、代理店やライブチャット配信サイトと雇用契約を結ぶことはほとんどなく、多くの場合は、フリーランスとして働くことになります。
会社で働く人の場合は、毎月支払われる給与から税金が天引きされるため、特定のケースを除き、自分で税金を納める必要はありません。これは、会社側は従業員に支払う給与から所得税を天引きして、従業員に代わって納付する源泉徴収の義務があるためです。
一方、フリーランスとして働く場合は、状況によって確定申告が必要になるケースが少なくありません。
副業としてチャットレディをしている場合の確定申告
会社員が空いた時間でチャットレディの仕事をしている場合、チャットレディの仕事は副業になります。会社から支払われる給与は、給与所得に該当します。給与所得を得ている人で会社で年末調整を受けている人の場合は、給与所得・退職所得以外の所得の合計が年間20万円を超えたときには確定申告が必要です。
チャットレディの仕事だけをしている場合の確定申告
ほかに仕事をしておらず、チャットレディの仕事のみで報酬を得ている場合は、一定額以上の所得を得た場合に確定申告が必要です。令和8年分・9年分については、合計年間所得489万円以下の基礎控除額は104万円となっています。所得金額から所得控除を差し引き、税額を計算した結果、納付すべき所得税等がある場合などに、原則として確定申告が必要です。
これは、令和8年度の税制改正によって基礎控除の額は変更されており、令和8年12月に施行され、令和8年分から適用されます。ここ数年は、急激な物価上昇への対応や働き控えの解消を目的に、基礎控除額の見直しが行われています。そのため、基礎控除の額は今後、さらに見直しがなされる可能性があり、今後も、定期的に基礎控除額について確認しておいた方がよいでしょう。
参照元:国税庁「源泉所得税の改正のあらまし」
チャットレディの確定申告の方法を解説
ここでは、チャットレディとして活動する人の確定申告の方法を順に解説します。
年間の報酬額を確認する
確定申告とは1月1日から12月31日までの1年間の所得額を算出し、所得にかかる税金の額を計算して申告書を作成し、税務署に申告書を提出するとともに所得税を納付する手続きです。
所得とは、収入から仕事のためにかかった経費を差し引いた額を指します。所得を計算するためには、1年間の報酬総額と経費の総額が分かる書類が必要です。まず、報酬の額については、利用している配信サイトのマイページや所属している代理店の管理画面で確認できます。サイトによってはデータを確認できる期間が短い場合もあるため、確定申告時に利用できるよう、1ヶ月ごとにダウンロードをして手元に保存しておくとよいでしょう。
また、明細がない場合などは、銀行の振り込み履歴を確認することも可能です。
経費の合計額を計算する
所得は、収入から経費を差し引いた額になるため、次に1年間の経費の総額を計算します。経費とは、チャットレディの収入を得るために必要となった費用です。例えば、インターネット回線の利用料金やスマートフォンの通信料金、カメラやパソコン、マイク、照明機材などの購入費用などは、経費として扱うことができます。そのほか、衣装を着てチャットをしている場合は、業務上必要な部分を明確に区分できる場合に限って衣装の購入代なども経費に計上することが可能です。また、高額な機材は原則として減価償却が必要になります。
自宅でチャットをしている場合、インターネット回線は配信のためだけでなく、プライベートでも使用しているケースがほとんどでしょう。また、スマートフォンも仕事専用のものを用意しておらず、プライベートと兼用しているケースもあるのではないでしょうか。
このように、プライベートと仕事で兼用しているものの費用については、全額を経費に計上することはできません。この場合は、仕事で使用している割合を算出し、仕事の割合分のみを経費に計上します。この方法を家事按分といいます。
家事按分をする際には、実際の使用割合に応じて按分比率を算出しなければなりません。業務内容や費用の性質、利用状況に応じて、使用時間、使用面積、使用回数、通信量などの合理的な基準で業務分と家事分を区分します。
たとえば、毎日4時間、チャットレディの仕事をしている場合などは24時間あるうちの4時間分となるため、6分の1、つまり約17%を経費に計上する方法があります。また、スマートフォンを利用している場合などは、スマートフォンの設定画面からアプリの通信量を確認し、全体の通信量と比較して、家事按分比率を算出することも可能です。
不自然な家事按分比率で確定申告をすると、税務調査などで按分の根拠を確認される可能性があります。税務調査時に家事按分比率の計算方法について説明を求められた際には、調査官が納得できる合理的な説明を行なわなければなりません。家事按分をする際には、計算の根拠について明確に示せるよう、適切な按分比率を適用させることが大切です。
確定申告書を作成する
確定申告書の作成方法は、用紙に記入する方法とパソコンやスマートフォンを使って作成する方法があります。
用紙に記載する場合は、国税庁のホームページからダウンロードするか、税務署の窓口で用紙を入手し、必要事項を記入します。手書きの場合は、収入や経費などを記載して課税所得額を算出したうえで、所得税の納税額を求めなければなりません。
一方、パソコンやスマートフォンを使って確定申告書を作成することも可能です。国税庁のホームページにある確定申告書等作成コーナーや市販の確定申告書作成ソフトを使うと、必要事項を入力していくことで確定申告書を作成できます。
確定申告書を提出する
確定申告書が完成したら、確定申告書を提出します。
紙の確定申告書を作成した場合は、税務署の窓口に持参をするか、郵送で送付します。窓口に提出する場合は、マイナンバーカードまたはマイナンバーが記載された書類と運転免許証などの身分証明書の提示が必要です。また、郵送する場合は、マイナンバーカードまたはマイナンバーが記載された書類と運転免許証などの身分証明書のコピーを添付しなければなりません。
パソコンやスマートフォンで確定申告書を作成した場合は、e-Taxを使って、オンライン提出ができます。e-Taxの利用にあたっては、マイナンバーカードとカードの読み取り機能を搭載したスマートフォンまたはICカードリーダライタが必要になります。ID・パスワード方式を利用できるIDをすでに取得している人は、マイナンバーが無くてもe-Taxは利用可能です。しかし、IDの新規発行は停止されているため、IDを取得していない人がe-Taxを利用するためには、マイナンバーカードや読み取り機器が必要になります。
確定申告の期間は、原則として2月16日から3月15日までです。ただし、最終日が土日祝日に当たる場合は、翌平日に期限が延長されます。この期限までに確定申告書を提出し、納税を済ませると、確定申告の手続きは終了です。
税金の納付は、税務署や金融機関の窓口で納付する方法のほか、クレジットカードやスマホアプリ決済、インターネットバンキングなどの方法があります。自分に合った方法で納付するようにしましょう。
確定申告をしなかった場合のリスクについては、以下の記事で詳しく解説しています。
【関連記事】チャットレディは確定申告が必要?無申告がバレるとどうなる?
まとめ
チャットレディとして働いている人の中にも確定申告が必要になるケースがあります。確定申告書には、納税者の基本情報を記載する欄があり、住所や名前、生年月日のほかに、職業を記載する欄があります。チャットレディの仕事をしていると、職業欄に何と書くべきか悩む人もいるようですが、必ずしもチャットレディという具体的な職種を記載する必要はありません。具体的な仕事内容を伏せたい場合は、インターネット配信業や配信クリエイターなどと記載するようにしましょう。
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