ライブ配信アプリを使って、配信を行い、お金を得ているライバーが増加しています。スマホ一台で始められ、空いている時間に気軽に活動できるため、アルバイト感覚でライバー活動を始める人が増えているのです。特に、学生の場合、アルバイトのようにシフトを決める必要はなく、学校や自分のスケジュールに合わせて配信を行える点も魅力となっています。

学生ライバーの中には、トップライバーとして多くの収入を得ている人もいるようです。学生であってもライバーとして一定以上の収入を得ている場合には確定申告が必要になります。確定申告を怠った場合、税務調査の対象となり、ペナルティが科される恐れがあります。

今回は、学生ライバーが知っておきたい確定申告のルールについて解説します。

電話でのお問い合わせLINEでのお問い合わせ

学生でもライバーが確定申告をしなければならない理由

学生であっても、ライバーとして活動して一定額を超える所得を得ている場合には、確定申告をしなければなりません。なぜ、学生でも確定申告が必要になるのでしょうか。

所得を得ている人は税金を支払う義務がある

何らかの形で収入を得た人は、所得額などに応じて、税金を納めなければならないケースがあります。学生だからといって、税金の納付が免除されるわけではありません。

会社員として一社で働き、年収が2,000万円以下の人は、会社が給与から税金を天引きする源泉徴収を行っており、年末調整によって1年間の給与にかかる所得税を精算するため、副業などをしていなければ原則として確定申告は不要です。

しかし、自分で飲食店を営んでいるような個人事業主の場合は、会社から給与が支払われるわけではないため、源泉徴収がなされません。その場合、一定の所得があれば、確定申告をして納税する必要があります。

ただし、個人事業主であっても、通常の給与の源泉徴収とは扱いが異なりますが、報酬の内容や支払者によっては源泉徴収の対象となる場合があります。ライバー報酬については、契約先・報酬の名目・支払明細の源泉徴収額を確認するようにしましょう。

確定申告は所得税の納税手続き

確定申告は、1年間の所得額を算出し、所得に対して課される所得税の額を計算して納税をする一連の手続きです。日本では、所得税に累進課税の仕組みが採用されており、課税対象となる所得額に応じて税率が変動します。課税所得額が高くなると、段階的に高い税率が適用され、納税額も大きくなる仕組みです。

会社員の場合は、会社が年末調整で所得税の額を確定しますが、個人事業主の場合は自分で確定申告をし、納税額を確定させる必要があるのです。学生を含むライバーも、活動の継続性、独立性、収入規模、営利性、人的・物的設備などの実態を総合して、得られた所得が給与所得・事業所得・雑所得のいずれに該当するかを判断し、必要に応じて確定申告をしなければなりません。

確定申告の基本的なルール

確定申告は、毎年1月1日から12月31日までを1年間とし、この期間に得た収入の額から経費の額を差し引き、必要に応じて各種の控除を適用させ、所得税の額を確定させます。確定申告は原則として、2月16日から3月15日までに行うルールです。この期間内に管轄の税務署に申告書を提出し、納税を済ませなければなりません。ただし、最終日が土日祝日に重なる場合は、翌平日が期限となります。

電話でのお問い合わせLINEでのお問い合わせ

学生ライバーはいくらから確定申告が必要?

学生ライバーでも全員が確定申告の義務を負うわけではありません。確定申告の必要性は、年間の所得金額だけで判定されるわけではないため、いくらから確定申告が必要になるのか、金額を明確に示すことはできません。

しかし、令和8年・9年分については、合計所得金額が489万円以下の場合の基礎控除額が104万円となるため、この金額を一つの目安として、確定申告が必要になるか、その他の所得控除なども踏まえながら検討をする必要が出てくるでしょう。

参照元:国税庁「源泉所得税の改正のあらまし

所得とは

ここでポイントとなるのは、確定申告が必要になるのは、収入の額ではなく、所得の額が一つの判定基準となる点です。アルバイトなどではない、ライバーの場合の所得とは、収入から経費を差し引いた額を指します。

ライバーが経費にできるもの

ライブ配信で収入を得るために必要となった費用は、経費として認められるケースが多くなっています。経費として認められやすい支出の例をご紹介しますが、プライベートでも使用できるような衣装などについては、個別の判断が必要です。

・配信に必要な撮影機材や照明機材

配信のために購入した、スマートフォンやカメラ、ライト、三脚、パソコンなどの機材の購入費は経費に計上できます。ただし、配信だけでなく、プライベートでも使用している場合は全額を経費にすることはできません。また、取得価額が10万円以上のものについては、原則として減価償却が必要です。

・インターネットやスマートフォンの通信費

配信にあたっては、インターネット通信が必要です。自宅のインターネット回線の使用料やスマートフォンなどの通信費も経費に計上できますが、経費にできるのは配信で使用した割合のみとなります。

・衣装や備品

ライブ配信のためだけに使用しているコスプレ衣装や備品の購入代金は経費に計上可能です。

・交通費

自宅ではない場所から配信するためにかかった交通費は、経費に計上できます。

ライバーの収入に該当するもの

ライバーが収入として申告が必要となるものは、主に以下の5つです。

・投げ銭(ギフト)

視聴者からの投げ銭はライバーにとって主な収入源の一つです。投げ銭は収入として申告しなければなりません。

・時給ダイヤや配信ボーナス

配信した時間に応じて支払われる時給ダイヤ、配信の成果やイベント順位に応じて上乗せされる配信ボーナスなども収入に含まれます。

・サブスクリプション

視聴者がライバーを応援するために定期的に課金をするサブスクリプションも大切な収入源ですが、サブスクの収入も申告の対象です。

・グッズ販売やイベントの収入

イベントを開催したり、グッズの販売をしている場合などはイベント収入やグッズの売上も収入に含めなければなりません。

・企業案件による収入

企業から依頼された商品やサービスをPRすることの対価として得られる報酬も収入に含める必要があります。

電話でのお問い合わせLINEでのお問い合わせ

学生ライバーが知っておきたい確定申告のやり方

学生ライバーでも所得が一定額を超えていれば、確定申告をしなければなりません。ここでは学生ライバー向けに確定申告のやり方をご紹介します。

確定申告に必要な書類やデータ

まず、確定申告をするためには以下の書類やデータの準備が必要です。

・報酬明細

配信で得た報酬の内容を確認できるもの。マイページなどにある換金履歴やレポートのデータ、銀行の入金履歴など。

・経費の領収書

配信のために使った支出を証明するための領収書やレシート。

・確定申告書

パソコンやスマートフォンで作成する場合は不要です。

・マイナンバーカードまたはマイナンバーが分かる書類

確定申告書にはマイナンバーの記載が必要です。

ライバーの確定申告書の作成方法

確定申告書の作成方法には、確定申告書用紙に記載する方法とスマートフォンやパソコンから作成する方法の2パターンがあります。

手書きで作成する場合には、税務署の窓口で確定申告書を入手するか、国税庁のホームページから用紙をダウンロードします。パソコンやスマートフォンから作成する場合は、国税庁のホームページにある確定申告書等作成コーナーの利用が便利です。また、市販の確定申告書作成ソフトなどを利用することもできます。

確定申告の方法には白色申告と青色申告の2種類があります。
青色申告は、要件を満たすことで税制上の優遇措置を受けられる申告方法ですが、青色申告をしようとする年の3月15日までに青色申告承認申請書を税務署に提出しなければなりません。ただし、その年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合は、事業開始日から2か月以内が提出期限です。そのため、事前にこの用紙を提出していない場合は、白色申告で申告し、書類提出後に翌年分以降を青色申告で申告するようにします。

学業の傍らでライバー活動をしている場合は、活動の規模や継続性などに応じて、雑所得か事業所得かを判断します。雑所得の場合、青色申告はできません。しかし、学生であっても、状況から事業所得に該当すると認められるケースもあります。事業所得は、青色申告が可能です。

確定申告書の欄には「職業」を記載する欄があります。この欄には「ライブ配信業」や「インターネット配信業」などと記載すれば問題ありません。

確定申告書の提出方法

確定申告書の提出方法は、以下の3通りがあります。

・税務署の窓口に持参する

・税務署に郵送する

・e-Taxで提出する

紙の確定申告書を提出する場合は、税務署の窓口に持参するか、郵送をします。その際、身分証明書の提示や添付が必要です。マイナンバーカードがある場合はマイナンバーカード、マイナンバーカードがない場合はマイナンバーが記載された書類と運転免許証などを準備しなければなりません。

パソコンやスマートフォンから確定申告書を作成した場合は、e-Taxを使ってオンライン上で提出できます。ただし、その際にはマイナンバーカードとスマートフォンまたはICカードリーダライタが必要です。ただし、すでにID・パスワード方式を利用できるIDの発行を受けている場合は、マイナンバーカードなどがなくてもe-Taxを利用できます。なお、IDの発行はすでに停止されているため、新たにIDの発行を申請することはできません。

電話でのお問い合わせLINEでのお問い合わせ

学生ライバーが確定申告をする際の注意点

学生がライバー活動をし、確定申告をする際にはいくつか注意しなければならないことがあります。

親の税金上の扶養を外れる金額を把握する

16歳以上の高校生の場合は、令和8年12月1日から、年間の所得額が62万円を超えると親の税金上の扶養から外れることとなります。つまり、16歳以上の高校生はライバーの所得が62万円を超えると親の扶養からは外れることとなるのです。親が扶養控除を受けられなくなるため、親にライバーの所得について報告をする必要があります。

19歳以上23歳未満の大学生年代の場合は、特定親族特別控除が適用されるため62万円を超えても、親が受けられる所得控除がいきなり0円になることはありません。ただし、年間所得が85万円を超えると段階的に所得控除額は減額されていき、年間所得が123万円を超えると特定親族特別控除の対象外となります。したがって、大学生年代の場合も合計所得金額が扶養控除や特定親族特別控除の判定に影響する可能性がある場合は、親に所得額を報告しなければなりません。

社会保険上の扶養を外れる金額を把握する

学生のほとんどは、親の社会保険上の扶養に入っています。被扶養者が19歳以上23歳未満で、被保険者の配偶者でない場合、年間収入が150万円以上になると扶養から外れなければならなくなる恐れがあります。親が加入している健康保険者に収入算定、同居・別居、生計維持関係などを確認する必要があるでしょう。

また20歳になると、国民年金保険料の納付義務が生じます。学生の場合は、学生納付特例によって、前年所得が「128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等」以下であれば保険料の納付が猶予されます。しかし、この金額を超えると学生納付特例を利用できないため、ほかの免除・猶予制度に該当しない場合は、国民年金保険料を納付する必要があります。

プライベートと兼用しているものの経費は家事按分をする

スマートフォンの通信料やインターネット回線料金などは、ライブ配信をするうえで必要な費用となるため、経費に計上できます。しかし、空いている時間を使ってライバー活動をする学生の場合にはプライベートと兼用のスマートフォンを利用するケースも少なくないでしょう。また、自宅のインターネット回線を利用している場合もライブ配信時だけでなく、プライベートな時間にも回線を利用していると考えられます。

このような場合は、ライブ配信や動画の編集などに使用した時間をもとに通信料金を按分することができます。例えば、毎日2時間活動する場合であれば、24時間のうち2時間となるため、経費に計上できるのは8%~9%程度です。また、配信アプリが消費したギガ数をスマホの設定画面から確認し、全体の通信料と比較することで割合を算出する方法もあります。月50GBの使用量のうち25GBを配信アプリが占めている場合には、50%を経費にすることができます。

このようにプライベートと仕事で兼用しているものの費用のうち、仕事の部分だけを経費に計上する方法を「家事按分」といいます。家事按分割合が不自然に高い場合などは、税務調査で指摘を受ける可能性があるため、何を根拠に按分比率を求めたのか、計算方法を説明できるようにしておかなければなりません。

電話でのお問い合わせLINEでのお問い合わせ

まとめ

学生の場合、本業は学業であり、空いている時間はそれほど多くはありません。そのため、シフトの調整が必要になるアルバイトに対し、自分の都合に合わせて自宅からでも配信ができるライバー活動によって収入を得る学生が増加中です。

しかし、学生であっても確定申告をしなければならないケースがあります。また、所得の額によっては親が扶養控除を受けられなくなったり、健康保険の被扶養者から外れる可能性も出てきます。その場合、親の税金の負担が増加したり、国民健康保険の保険料などの負担が発生します。

ライバー活動を行う際には、確定申告が必要となる所得額はもちろん、社会保険の扶養の金額なども念頭においたうえで活動をするようにしましょう。


-免責事項-

当ブログのコンテンツ・情報について、できる限り正確な情報を提供するように努めておりますが、正確性や安全性を保証するものではありません。内容は記事作成時点の法律に基づいています。当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。