新型コロナウイルスの感染拡大にともない、外出が制限された時期に一気に拡大したサービスがUber Eatsです。専用のスマートフォンアプリで、地域の飲食店に注文を入れると、Uber Eatsのドライバーが指定した場所まで商品を配達してくれます。また、フードデリバリーサービスだけでなく、Uberのライドシェアサービスの提供もスタートしており、海外とはシステムが異なるもののUberのドライバーとして働くことも可能になりました。

Uberのサービスが日常に浸透し、Uberのドライバーが増加する中、気を付けなければならない点が一つあります。それが確定申告です。Uberのドライバーとして一定額以上の所得を得ているときには、確定申告をして税金を納めなければならないケースがあります。

本記事では、確定申告が必要となるUberのドライバーの所得基準や無申告がバレた場合のリスクなどについて解説します。

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Uberのドライバーとは?

Uberを通じて働く方法には、Uber Eatsの配達パートナーになる方法とUberのライドシェアドライバーという2つの選択肢があります。どちらを選ぶかによって確定申告の必要性は変わってきます。

Uber Eatsの配達パートナーの場合

Uber Eatsは、レストランなどの飲食店に注文した商品を、指定された場所に届けるサービスです。飲食店から完成した料理を受け取り、指定の場所まで運ぶ人を配達パートナーと呼びます。

Uber Eatsの配達パートナーは、18歳以上で身分証明書やプロフィール写真、車検証、自賠責保険証明書、ナンバープレートの写真などを登録し、審査と交通安全テストを通過すれば仕事を始められます。Uber Eatsの配達パートナーは、アルバイトやパートなどのように雇用契約を結んで働くわけではありません。シフトに従って働くわけではなく、好きな時間に、好きなだけ働く形となります。

アルバイトやパートの仕事をしている場合、給与を受け取る際に所得税などが給与から天引きされることがあります。しかし、配達パートナーは、原則として支払われる報酬から税金が差し引かれることはありません。そのため、Uber Eatsの配達パートナーの場合は、一定額を超える所得を得たときには確定申告をして、税金を納める必要があります。

Uberのライドシェアドライバーの場合

Uberのライドシェアドライバーは、自分の車などを使って、指定された時間帯にドライバー業務に従事し、お金を稼ぐ仕事です。海外の場合、Uberのドライバーはスマホのアプリをオンにしている間、自由に仕事を受けることができます。Uber Eatsの配達パートナー同様、Uber側とは雇用契約を結ばず、自由に自分のペースでドライバーの仕事をするのです。

しかし、日本では規制が厳しく、海外のUberドライバーのような働き方は認められていません。日本においては、Uberと提携しているタクシー会社が雇用主となり、雇用契約を結んでUberドライバーの仕事をすることとなります。労働時間には制限が設けられており、海外のように好きなだけ働くことはできません。また、給与体系は提携するタクシー会社によって異なります。

そのため、Uberのライドシェアドライバーとして給与を受け取り、勤務先で年末調整を受けている場合は、原則として確定申告は不要です。ただし、年収2,000万円以下で一社で年末調整を受けている会社員が副業としてUberのライドシェアドライバーをしている場合は、所得が一定額を超える場合に確定申告が必要になります。

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Uberドライバーで確定申告が必要になるケース

Uber Eatsの配達パートナーやライドシェアドライバーとして仕事をしている人全員に確定申告の義務が生じるわけではありません。確定申告が必要になるかどうかは、働き方や所得額によって変わります。

副業としてUberの配達パートナーやドライバーをしている場合

Uberドライバーや配達パートナーは、すき間時間を有効活用して仕事ができるため、本業を持ちながら、副業としてこれらの仕事に就いている人も少なくありません。

1か所から給与を受け、年末調整を受けている人が配達パートナーの仕事をしているときは、Uber Eatsの報酬など給与所得・退職所得以外の所得金額の合計額が20万円を超える場合、原則として確定申告が必要です。
同じように1ヶ所から給与を受けて、年末調整を受けている会社員が、副業としてUberのライドシェアサービスのドライバーをする場合も確定申告が必要になることがあります。この場合、タクシー会社から支払われる報酬は「給与所得」となります。そのため、源泉徴収の対象となるUberドライバー分の給与の収入金額と給与所得以外の所得が、年間で20万円を超えたときに確定申告が必要になります。

本業でUberの配達パートナーやドライバーをしている場合

まず、本業でUberのドライバーをしている人は、源泉徴収や年末調整を受けておらず、所得控除等を反映して計算した結果、納付すべき所得税がある場合は、原則として確定申告が必要です。

また、年の途中からUberドライバーの仕事を始め、前職の源泉徴収票を雇用主であるタクシー会社に提出していない人も、所得額や控除などから計算し、納税義務が生じる場合は確定申告が必要です。

一方、Uber Eatsの配達パートナーの場合は、基礎控除額が申告要否を考える際の一つの目安となります。ただし、確定申告の要否は、他の所得控除・税額控除・源泉徴収税額などを含めて判定します。

ここ数年、基礎控除の引き上げが行われています。所得金額に応じて基礎控除額は変わりますが、令和8年度の税制改正では、令和8年12月1日施行の改正が年分全体に適用され、合計所得金額132万円以下の基礎控除は104万円となります。また、令和10年分以降は99万円とされています。ただし、令和10年分以後は、物価指数に基づき見直される可能性があります。

したがって、Uberの配達パートナーを本業としている人の場合は、令和8年分と9年分については年間所得が104万円を超えるかどうかが、確定申告を検討すべき一つの目安となります。ただし、確定申告義務は基礎控除額だけで判定されるわけではありません。全体の所得控除、税額控除、源泉徴収税額などを考慮して判断する必要があります。

参照元:国税庁「源泉所得税の改正のあらまし 令和8年4月

個人事業主がUberの配達パートナーやドライバーをしている場合

個人事業主として何らかの事業を営んでいる人が、すき間時間を活用してUberの配達パートナーをしている場合は、Uberの配達パートナーとしての所得を含め、合計所得金額が104万円(令和10年分以降は99万円)を超えたときに確定申告が必要となる可能性が出てきます。

また、個人事業主が副業としてUberドライバーをし、給与を受け取っている場合も、事業所得とUberドライバーの給与所得を含めた年間の合計所得金額が104万円を超えるときが、確定申告の必要性を検討する一つの目安となります。

ただし、確定申告の必要性は、基礎控除額だけではなく、所得控除、税額控除、源泉徴収税額などを踏まえて判断しなければなりません。

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Uberドライバーや配達パートナーの確定申告のポイント

ここでは、Uberドライバーや配達パートナーで確定申告が必要な人を対象に、確定申告のポイントについて解説します。

年間所得とは

確定申告は、1年間の所得額を確定し、所得にかかる税金を算出して納税する一連の手続きです。ここでポイントとなるのは、所得税の額は年間の収入額ではなく、所得額によって決定するという点です。

事業所得・雑所得では、原則として収入から経費を差し引いた額を所得といい、給与所得では、原則として給与収入から給与所得控除額を差し引いた額を所得と言います。日本では、所得額が高くなるほど所得税の税率は高くなる仕組みです。そのため、所得額が高くなるほど納税すべき所得税の額も高くなります。

Uberドライバーや配達パートナーが経費にできる支出

繰り返しになりますが、所得額は、収入から経費を差し引いた額です。そのため、仕事のためにかかった経費を漏れなく計上すると所得額を抑えられ、納税の負担を抑えることができます。

Uberドライバーの場合は、自家用車を使って仕事をします。お客様を乗せて走行する際には、ガソリン代もかかれば、車検など、車の維持費用もかかります。しかし、Uberドライバーはタクシー会社の従業員という形で仕事をするため、Uberドライバーの収入は給与所得に該当します。給与所得には給与所得控除が適用されるため、ガソリン代などの費用を所得から差し引くことはできません。(ただし、一定の要件を満たす特定支出控除の対象となる場合があります。)

一方、Uberの配達パートナーは雇用契約ではなく業務委託形式であることが多く、受け取る報酬からは、配達の仕事のためにかかった費用を経費として差し引き、所得額を算出することが可能です。

Uberの配達パートナーが経費にできる支出には、次のようなものがあります。

・バイクや自転車の購入費用

・ガソリン代

・駐輪場代

・損害保険料

・配達用バッグ

・ヘルメット

・スマートフォンの通信費

ただし、バイクや自転車の取得価額が10万円以上である場合は、原則として法定耐用年数に応じた減価償却が必要です。ただし、取得価額や申告方法によっては特例を適用し、使用を開始した年に一括して経費に計上することもできます。

Uberの配達パートナーが経費計上する際のポイント

Uberの配達パートナーとして収入を得ている場合、配達の仕事のためにかかった支出は原則として経費に計上できます。ただし、経費に計上できるのは、仕事のために使用した分のみとなります。

たとえば、仕事専用として購入したバイクや自転車の代金は経費として計上できます。しかし、仕事だけでなく、プライベートでも使用する場合に経費に計上できるのは、仕事に使う割合分のみです。同様に、ガソリン代として経費に計上できる額も配達のためにかかったガソリンの費用のみで、プライベートの使用分も含めて経費に計上することはできません。

また、支出が発生した際には、支払いの事実や支払額を証明するために、レシートや領収書を必ず保管しておく必要があります。

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Uber配達パートナーの報酬の管理方法

Uberドライバーの場合は、タクシー会社から給与明細が発行されます。また、源泉徴収がなされている場合は源泉徴収票も発行されるため、所得額は給与明細や源泉徴収票から確認できます。

一方、Uberの配達パートナーの場合は、アプリから報酬の明細を確認できます。確定申告の際には、アプリの明細から一年間の報酬額を算出しましょう。また、クエストやチップも確定申告時には収入に加えなければならない点にも注意が必要です。

Uberドライバーの所得とUber配達パートナーの所得の違い

確定申告をする際には、所得の種類ごとに金額を分けて計算をしなければなりません。副業としてUberドライバーの仕事をし、年間20万円を超える所得を得た場合、Uberドライバーの所得は給与所得として申告をします。

一方、Uber配達パートナーとして仕事をしている人の場合は、事業所得になるケースと雑所得になるケースがあります。事業所得になるか、雑所得になるかは、事業規模や継続性などをもとに判断しなければなりません。

事業所得の場合は青色申告が可能

確定申告の方法には「白色申告」と「青色申告」の2種類があります。このうち、青色申告には、青色申告特別控除をはじめとした税制上の優遇措置が用意されています。一定の要件を満たす場合に、事業所得等の金額から最高65万円を差し引く青色申告特別控除を適用できるため、所得税の節税につながるというメリットがあります。

ただし、青色申告ができるのは、事業所得、不動産所得、山林所得の3つの所得だけであり、雑所得の場合は確定申告時に青色申告を選択することはできません。

また、Uberの配達パートナーを本業として青色申告をする場合は、税務署に所得税の青色申告承認申請書の提出が必要です。青色申告承認申請書は、原則として青色申告をしようとする年の3月15日まで、1月16日以後に開業した場合は開業日から2か月以内に提出が必要です。忘れずに提出しておくようにしましょう。

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Uberドライバーや配達パートナーが確定申告をしないリスク

確定申告をしなければならないにもかかわらず、確定申告をしていない状態は法令に違反する可能性があり、無申告加算税などが課されることがあります。

確定申告は期限が決められており、納付すべき税額があるにもかかわらず期限までに確定申告を済ませていない場合には原則として無申告加算税が課されます。ただし、法定申告期限から1か月以内の自主的な期限後申告で一定要件を満たす場合、無申告加算税がかかりません。

無申告加算税の税率は、5%~30%です。期限後に確定申告書を提出したタイミングと納税額によって税率は変わります。税務署による税務調査を受けて、無申告が発覚した場合の税率は、50万円以下の部分は15%、50万円超300万円以下の部分は20%、300万円超の部分には30%です。しかし、税務署から税務調査に入る旨の通知を受ける前に自主的に期限後申告をした場合の税率は、一部の例外を除き、原則として5%となります。

また、無申告加算税の他、納税が遅れたことに対するペナルティとして、延滞税の納付も求められます。

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まとめ

Uberのライドシェアドライバーとして受け取る給与収入が2,000万円以下で、他の確定申告義務がなく、勤務先で適切に年末調整を受けている場合は、原則として確定申告は不要です。しかし、副業でUberのライドシェアドライバーをしている人や、Uber Eatsの配達パートナーとして所得を得ている人は、確定申告が必要になる場合があります。

確定申告の義務があるにもかかわらず申告を怠ると、無申告加算税や延滞税の納付が求められ、本来よりも多くの税金を負担しなければならなくなります。UberドライバーやUber Eatsの配達パートナーをしている場合は、自身が確定申告の対象になるのかをしっかり把握したうえで、該当する際には期日までに確定申告を行うようにしましょう。


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