メンズエステのセラピストとして働いている人は、一定以上の所得を得ている場合に確定申告が必要になります。なぜなら、メンズエステのセラピストは、お店が雇用主ではないケースが少なくないためです。

お店の社員やアルバイトなど、雇用契約を結んで働く場合には、給与額が一定金額を超えると、給与の中から所得税が天引きされます。(雇用契約に基づく給与については、支給方法や扶養控除等申告書の提出状況などに応じて源泉徴収税額が計算され、源泉徴収税額が0円となる場合もあります。)

しかし、雇用契約がない場合や実態からみて雇用関係にない場合などは、お店から支払われるお金は「給与」ではなく「報酬」という扱いになり、給与のように所得税が天引き(源泉徴収)されない場合があります。源泉徴収されていない場合でも、必要経費や所得控除などを差し引いた結果、納付すべき所得税額が生じるときは、原則として確定申告と納税が必要です。

今回は、メンズエステセラピストとして活動している方の確定申告のやり方や節税対策について解説します。

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メンズエステのセラピストは確定申告が必要?

メンズエステのセラピストだからといって、必ずしも確定申告が必要になるわけではありません。所得額や働き方によって確定申告の必要性は変わってきます。

メンズエステのセラピストを本業としている場合

メンズエステのセラピストの仕事を本業としており、お店側と業務委託契約を締結して働いている場合や自分でお店を立ち上げている場合などは、所得額が一定以上になったときに確定申告が必要</span>です。

基礎控除額は合計所得金額に応じて異なります。令和8年税制改正によって、基礎控除額は合計所得金額132万円以下の場合は、令和8年分・令和9年分が104万円、令和10年分以後が99万円となっています。したがって、この額が確定申告が必要となる所得金額の一つの目安となりますが、所得税の確定申告が必要かどうかは、基礎控除の額も踏まえ、所得控除や源泉徴収税額などを含めて判定されます。

参照元:国税庁「源泉所得税の改正のあらまし 令和8年4月」、「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について

メンズエステのセラピストを副業としている場合

会社員としての本業があり、給与収入が2,000万円以下で、給与を1か所から受け、年末調整を受けているなど一定の要件を満たす人は、給与所得・退職所得以外の所得金額の合計額が20万円を超える場合、原則として確定申告が必要</spanです。ただし、副業所得が年間20万円を超えない場合でも住民税の申告は必要になるケースもあります。

メンズエステセラピストを本業としている人と副業としている人では、確定申告が必要になる所得額の基準が異なる点に注意しなければなりません。
参照元:国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人

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メンズエステセラピストが知っておきたい確定申告の基本

ここまで、確定申告が必要になるメンズエステセラピストの年間所得基準をご説明してきました。ここからは、確定申告のやり方をご説明する前に、確定申告の基本的な情報を確認しておきます。

確定申告はなぜ必要?

確定申告は、1年間の所得額を確定させ、所得額に応じた税金を計算し、納付する手続き</spanのことです。何らかの所得を一定額以上得ている人は、所得税と呼ばれる税金の納付義務があります。前述のように、会社員の場合は給与から天引きされる形で税金を納めています。会社員以外でも、所得控除等を差し引いた結果として納税額が生じる場合などは、原則として確定申告が必要です。会社員については、給与収入や年末調整の有無など一定の要件を満たし、給与以外の所得金額の合計額が20万円を超える場合などに確定申告が必要です。

確定申告のルール

確定申告は、いつでも自由にできるものではありません。原則として2月16日~3月15日までが確定申告期間であり、この期間内に前年の1月1日~12月31日までの1年間の所得と所得にかかる税金について申告し、納税するルールです。なお、確定申告期間の終了日が土日祝日にあたる場合は、翌平日が期限となります。

確定申告が必要な人はこの期間に確定申告書を作成し、管轄の税務署に申告書を提出するとともに、税金の納付を完了させなければなりません。自動車税や固定資産税などのように、自宅に納付書が送付され、税金を納付するのではなく、自ら税金の額を計算し、納税しなければならない点に注意が必要です。

参照元:国税庁「申告と納税

年間所得額とは

業務委託契約で働いている人が確定申告の必要性を判断するためには、まず、収入と所得の違いを把握しておく必要があります。

収入とは、メンズエステセラピストとして働き、お店から支払われた報酬のことです。この収入から、仕事のために使った経費を差し引いた額が所得となり、所得額が前述の金額を超えた場合に確定申告が必要となります。ただし、所得が基礎控除額を超えることは一つの目安ですが、実際の申告義務は、所得控除や源泉徴収税額などを含めて判定される点に注意しましょう。

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メンズエステセラピストの確定申告のやり方

メンズエステセラピストとして働き、一定以上の所得を得ている場合には確定申告をしなければなりません。ここでは、確定申告のやり方についてご説明します。

年間の収入額を計算する

確定申告をする際には、1年間の収入額を明確にしなければなりません。お店から発行された報酬の明細書や入金の履歴などをもとに、1年間に得た収入の合計額を算出します。また、明細書や入金履歴だけでなく、請求書・契約内容・未収入金なども確認し、その年分に計上すべき収入を集計しましょう。

経費を計算する

次に、メンズエステセラピストの仕事のために支払った費用の合計額を計算します。メンズエステセラピストの場合は、次のような費用を経費に計上できます。ただし、業務委託など事業所得または業務に係る雑所得として申告する場合で、業務上必要な部分に限ります。

・自宅から施術場所までの往復交通費

・施術に必要なオイルやグッズなどの購入費

・仕事に使用しているスマートフォンの通信費

・仕事だけに使用する衣装の購入費

これらの費用は、業務用として明確に区分できる場合には、経費計上が認められるケースが多くなっています。ただし、仕事ではなく、プライベートの移動にかかった交通費やプライベートのスマートフォンの利用代金などは経費に含めることはできません。

確定申告書を作成する

確定申告書は、手書きで作成する方法とパソコンやスマートフォンで作成する方法があります。手書きで作成する場合には、国税庁のホームページから確定申告書をダウンロードするか、税務署の窓口で書類を入手しましょう。また、パソコンやスマートフォンから作成する場合は、国税庁が用意している確定申告書等作成コーナーにアクセスし、画面の案内に従いながら必要事項を入力します。

確定申告書を提出する

確定申告書が完成したら、期限までに税務署に提出します。パソコンやスマートフォンで作成した場合は、マイナンバーカードとスマートフォンやICカードリーダライタなどを使ってe-Taxで送信できます。また、手書きで作成した場合は、税務署に持参するか、郵送する形で提出します。

納税をする

確定申告書を提出し、納期限までに納税も済ませます。納税方法は、税務署や金融機関の窓口で納付する方法やコンビニ納付などのほか、クレジットカードやスマホアプリ、インターネットバンキングなどを利用して納付する方法もあります。

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メンズエステセラピストが確定申告をしないとどうなる?

確定申告の義務があるメンズエステセラピストが確定申告をしなかった場合、次のようなペナルティが科される可能性があります。

税務調査の対象となる

会社員の場合、給与から所得税が天引きされ、税金を納付しています。その一方で、会社に所属していない人たちが所得を得ても税金を支払わない場合、納税の公平性が保てません。そのため、税務署では正しく確定申告をせず、税金を納めていない人に対して適切な申告と納税を促すために税務調査を実施しています。

税務調査の対象に選ばれると、対象期間分の調査が実施され、確定申告の状況と照合されて、申告漏れなどが認められると納めていない税金の納付が求められます。さらに、無申告加算税や延滞税などのペナルティの納付も求められることとなります。

無申告加算税の納付が求められる

無申告加算税とは、納付すべき税額がある人が、確定申告期限までに確定申告をしなかった場合に課される付帯税です。無申告加算税の税率は、申告をするタイミングと納付すべき税額によって以下のように区分されています。

上記は基本的な税率であり、過去に無申告加算税等を課された場合や、前年・前々年にも無申告加算税等の対象となっている場合、税務調査で帳簿を提示・提出しない場合、売上の記載が著しく不十分な場合など、一定の要件に該当すると加重措置が適用されることがあります。

・税務調査で無申告が発覚した場合

税額が50万円以下の部分 15%

税額が50万円超300万円以下の部分 20%

税額が300万円を超える部分 30%

・税務調査の事前通知を受けてから期限後申告をした場合

税額が50万円以下の部分 10%

税額が50万円超300万円以下の部分 15%

税額が300万円を超える部分 25%

ただし、税務調査による更正・決定を予知して期限後申告をした場合はこの限りではなく、前述の割合が適用されます。

・税務調査の事前通知を受ける前に期限後申告をした場合

5%

ただし、事前通知前の自主的な期限後申告は原則5%ですが、法定申告期限から1か月以内の申告など一定の要件を満たす場合は無申告加算税がかからないことがあります。

税務調査が実施される前には、原則として事前通知がなされます。ただし、事前通知を行わずに実地調査が実施される場合や、来署依頼など事前通知の対象とならない調査もあります。事前通知は電話でなされることが多く、税務調査に入る旨と調査対象の税目、調査対象期間、調査日時などが伝えられます。都合が悪い際には日程調整について相談できますが、正当な理由なく質問に答えない、または帳簿書類等の提示・提出を拒否した場合には、罰則の対象となる可能性があります。

確定申告期限を過ぎてから確定申告書を提出することを期限後申告といいます。調査通知を受ける前に自主的に期限後申告を行った場合は無申告加算税の税率は大幅に軽減されます。もし、確定申告の必要があるにもかかわらず申告をしていないことに気付いた場合は、事前通知の有無や法定申告期限からの期間にかかわらず、できるだけ早く申告・納税を検討することを推奨します。

参照元:財務省「加算税制度の概要

延滞税の納付が求められる

無申告加算税は、期限までに確定申告をしていなかったことに対して課されるペナルティです。一方、延滞税は、税金の納付が遅れたことに対して課される、利息的な意味合いをもつペナルティとなります。

延滞税は、納期限の翌日から2か月を経過する日までと、それ以降で税率が大きく変わる仕組みです。また、延滞税の税率は毎年、市場の金利の変動に合わせて見直しが行われます。現在の延滞税の税率は、以下のとおりです。

・令和8年1月1日から令和8年12月31日までの期間

納期限の翌日から2ヶ月を経過する日まで 年2.8%

納期限の翌日から2ヶ月を経過した日以後 年9.1%

・令和4年1月1日から令和7年12月31日までの期間

納期限の翌日から2ヶ月を経過する日まで 年2.4%

納期限の翌日から2ヶ月を経過した日以後 年8.7%

・令和3年1月1日から令和3年12月31日までの期間

納期限の翌日から2ヶ月を経過する日まで 年2.5%

納期限の翌日から2ヶ月を経過した日以後 年8.8%

延滞税は原則として納期限の翌日から納付日まで計算されます。期限後申告または修正申告の場合、納付すべき税額の納期限は原則として申告書を提出した日ですが、延滞税は原則として本来の法定納期限の翌日から納付日までの期間を基に計算されます。

参照元:国税庁「No.9205 延滞税について

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メンズエステセラピストの確定申告の節税ポイントと注意点

メンズエステセラピストが確定申告をする際に覚えておきたい節税ポイントと注意点をご紹介します。

経費は漏れなく計上する

所得税は、課税所得額に税率をかけることで算出します。したがって、課税所得額を低く抑えられれば、納税額も低く抑えることが可能です。

所得額は収入から経費を差し引いた金額であり、仕事のために支払った費用は漏れなく経費に計上すると節税に繋がります。ただし、仕事とは関係のない費用まで経費計上した場合は、税務調査の対象となり、過少申告加算税などのペナルティが科される恐れがある点に注意しましょう。

領収書やレシートは保管しておく

仕事にかかったお金は経費に計上できますが、支払いの事実や支払額を証明するために領収書やレシートを保管しておきましょう。領収書やレシートがないにもかかわらず、経費に計上されている場合は、別の方法での証明を求められる可能性もあります。証明ができなければ経費が否認され、その分、所得額が増えて、納税額も増えるおそれがあるのです。領収書やレシートは確実に保管しておくようにしましょう。

青色申告を行う

確定申告の方法には「白色申告」と「青色申告」の2つの方法があります。青色申告には複式簿記などの要件が必要な55万円・65万円控除のほか、簡易な帳簿による10万円控除があります。提出すべき書類の数も増えますが、税制面でのさまざまな優遇措置が用意されている申告方法です。

特に、青色申告特別控除は大きな節税効果を発揮します。青色申告特別控除を適用させると、事業所得等の金額から最大65万円を差し引けるのです。(令和9年分以後は、複式簿記・e-Tax等の要件を満たしたうえで、さらに優良な電子帳簿の保存またはデジタルシームレス保存の要件を満たす場合に、最高75万円の控除を受けられます。)
業務委託による収入が事業所得に該当し、青色申告承認申請書を期限内に提出して承認を受けている場合には、青色申告特別控除などを利用できる可能性があります。ただし、事業所得か雑所得かは、業務の規模や継続性、独立性などを踏まえて確認しましょう。
参照元:国税庁「No.2072 青色申告特別控除

確定申告のやり方が分からない場合は税理士に相談を

メンズエステセラピストとして働いている場合、お店からは業務委託契約について明確に説明がなされていないケースもあります。そのため確定申告の必要性を理解しておらず、これまで確定申告をしてこなかった人もいるのではないでしょうか。

先ほどご説明したとおり、確定申告が必要であるにも関わらず確定申告をしていない場合は無申告加算税や延滞税の納付が求められるケースがあります。

税理士であれば節税についてのアドバイスや青色申告もサポートしてもらえます。確定申告のやり方が分からない場合やこれまで確定申告をしてこなかった場合などは、税理士に相談してみましょう。

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まとめ

メンズエステセラピストとして仕事をしている人の中には、確定申告が必要になるケースがあります。働き方や所得額などによって確定申告の必要性は変わってきます。

税理士法人松本は、ナイトワークで働く方々の確定申告や税務調査対応を長年にわたってサポートしてきた実績をもつ税理士法人です。これまで確定申告をしてこなかった場合はもちろん、青色申告での確定申告を希望する場合もお気軽にご相談ください。


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