ガールズバーで仕事をしたら確定申告が必要という話を聞いたことがありますか?
ガールズバーは、キャバクラと違ってお客様の横に座る必要がなく、カウンター越しにお酒を提供するというスタイルから気軽に働きやすいナイトワークとして人気です。また、シフトも融通を利かせやすく、コンビニなどのバイトに比べると時給が高く設定されており、インセンティブも上乗せされるため、効率よくお金を稼げる点も魅力でしょう。
日本では、お金を稼いだときには所得税と呼ばれる税金が課されます。ガールズバーで稼いだお金も当然、所得税の課税対象となるため、一定以上の額を稼いでいる人は税金を納める必要があります。しかし、雇用契約を結んだバイトなのか、業務委託契約での仕事なのかによって税金の納付方法が変わってきます。
今回は、ガールズバーでバイトをする人の確定申告の必要性について解説します。
目次
ガールズバーでのバイトと確定申告
コンビニなどでのバイトとガールズバーでの仕事では、働き方に違いがある場合があり、働き方の違いによって税金の納付方法も変わってきます。
バイトを短時間の仕事として捉える場合、このバイトには本来の意味の「バイト」と雇用契約上はバイトではない働き方の2種類があります。
ガールズバーでバイトをしている場合
ガールズバーの求人募集を見ると、バイトとして募集しているケースが多いでしょう。バイトとは、お店が雇用主となって、短い時間の仕事をする働き方です。お店が雇用主となる働き方には、バイトのほかにパートや正社員、契約社員などがあります。
バイトの場合は、1ヶ月の給与が10万5,000円以上になると、所得税が給与から天引きされるルールです。天引きされた所得税は、雇い主であるお店が期日までに国に納付をしています。ただし、所得税は1年間の所得額に応じて適用される税率が変わります。また、所得税を計算する際には、給与所得控除や基礎控除などの条件を満たす所得控除を適用させて課税所得を求めなければなりません。したがって、ガールズバーでバイトをし、月々の給与から税金が天引きされている場合はお店で年末調整を受けることとなります。このとき、源泉徴収され、給与から天引きされていた税金の額が多過ぎた場合は税金が還付されますが、働いている人自身が確定申告をして税金を納める必要はありません。
参照元:国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表」
ガールズバーで個人事業主扱いになっている場合
ガールズバーでの働き方には、バイトのほか、個人事業主という扱いで働く方法があります。個人事業主とは、お店に雇用されるバイトとは異なり、お店と業務委託契約を結んで働く方法です。
ガールズバーをはじめ、ナイトワークのお店では、従業員としてキャストを雇用するのではなく、業務委託契約を結んで仕事を依頼するケースが非常に多くなっています。求人募集の内容では、バイトの募集と書かれていても、実際には雇用契約は締結せず、実質的に個人事業主として扱われるケースも少なくありません。
ガールズバーで個人事業主扱いとして仕事をしている場合は、お店から支払われるお金は給与ではなく、報酬となります。報酬からも税金が源泉徴収され、天引きされている場合がありますが、給与と報酬では、税金の額を計算するルールが違います。
給与の場合は、支払う給与の額や扶養親族の数などを考慮し、国税庁によって定められている源泉徴収税額表を使って源泉徴収をする税金の額を決定しています。一方、報酬を支払う場合は、支払金額から一定額を差し引いた残額に10.21%をかけた額を税金として天引きするルールです。
しかし、個人事業主扱いになっている場合、ガールズバーで働くキャストはお店の従業員ではないため、お店が年末調整を行う必要がありません。そのため、お店と雇用契約を結ばずに働いている人は、自分で確定申告をして1年間の税金の額を確定させ、不足分があれば税金を納める必要があります。また、納め過ぎていた税金があった場合も確定申告をしなければ、払い過ぎていた税金が戻ってくることはありません。
参照元:国税庁「No.2807 ホステス等に支払う報酬・料金」
ガールズバーのバイトなどで確定申告が必要な人
ガールズバーのバイトで確定申告が必要になるのは、雇用契約を結んでおらず、業務委託契約として働いているケースです。ただし、雇用契約を結んでバイトをしている場合でも確定申告をしなければならないケースもあります。
ここではガールズバーでバイトをしている人や短時間の仕事をしている人を対象に確定申告が必要になる要件を解説します。
副業でバイトをしている人の場合
昼間は会社員として働き、仕事終わりの時間を使ってガールズバーでバイトをしている女性も少なくありません。副業解禁の動きが活発になってから、効率よくお金を稼げるナイトワークで副業をする人も増加しています。
会社員で副業の収入がある人は、副業の所得が年間20万円を超える場合に確定申告が必要です。所得とは、収入から必要経費を引いた額を指します。ガールズバーの場合は、出勤時の交通費を自分で支払った場合は交通費、勤務時の衣装を自分で購入した場合は衣装代などを経費として扱うことが可能です。
バイトとして勤務する場合も、業務委託契約で仕事をする場合も、年間の副業所得が20万円を超えたときには確定申告をしなければなりません。
ガールズバーの仕事を本業にしている人の場合
ほかに仕事をしておらず、ガールズバーの仕事を本業にしている人もいるでしょう。ガールズバーでバイトをしている人のうち、雇用契約を結んでいる場合であれば、年末調整を受けていれば確定申告は不要です。
しかし、ガールズバーで年末調整を受けていない場合は、自分で確定申告をしなければなりません。ただし、すべての人に確定申告の義務が生じるわけではなく、確定申告をしなければならないのは、1年間の収入が178万円を超える場合です。源泉徴収がなされている人であれば、確定申告をすることで納め過ぎた税金が還付される可能性もあります。
また、ガールズバーで業務委託契約を結んで働いている人の場合は、1年間の所得が104万円を超える場合に確定申告が必要です。また、年間所得が104万円以下であっても、報酬から源泉徴収がなされていれば、確定申告をすることで納め過ぎた税金が還付される可能性があります。
年の途中でガールズバーのバイトを辞めた人
ガールズバーのバイトをしていて、年の途中でバイトを辞めた人の場合、支払われていた給与や報酬から源泉徴収がなされていれば、確定申告をすることで納め過ぎていた税金が返ってくる可能性があります。
還付を求める確定申告は必ずしなければならないわけではありません。しかし、申告をしなければ納め過ぎた税金が手元に戻ることはないため、年の途中でガールズバーのバイトを辞めたときには確定申告をした方がよいでしょう。
ガールズバーでのバイトは確定申告しないと税務署にバレる?
ガールズバーでバイトや仕事をしており、確定申告をせず、税金を納めていない場合は、たとえ手渡しでお金を受け取っていても税務署にバレます。なぜ、税務署ではガールズバーでのバイトを把握しているのでしょうか。
ガールズバーではキャストへの支払情報を報告している
ガールズバーには、1年間にキャストなどに支払った報酬について、支払調書と呼ばれる書類を作成し、税務署に報告する義務があります。支払調書には報酬を支払った人の名前やマイナンバー、支払った金額などが記載されています。
ガールズバーのバイト代が銀行振り込みの場合は、銀行にお金が振り込まれた履歴が残るため、確定申告をしないと収入があったことがバレるけれど、記録が残らない手渡しだったらバレないのではと思う人もいるようです。しかし、お店側から税務署に支払調書が提出されているため、手渡しであっても振り込みであっても、収入の額を税務署では把握できる状態にあります。したがって、手渡しだから大丈夫だろうと確定申告をしていないと、税務署に無申告状態であることがバレ、税務調査の対象になる恐れが出てきます。
確定申告をすると会社に副業がバレる?
ガールズバーで副業としてバイトをしている人の場合、確定申告をしたら会社に副業がバレるのではと思う人もいるようです。確定申告をすることで会社に副業がバレる最大の原因は住民税の納付方法に関係します。
住民税の納付方法には、給与から天引きされる特別徴収と納付書によって納税者が自分で納める普通徴収の2つがあります。副業をし、確定申告をした場合、住民税の納付方法として「自分で納付」を選ばないと、本業の所得額と合算されて算出された住民税の通知書が本業の会社に送付されてしまいます。給与計算の際、1年前と比べて住民税の額が大きく変わっていると、担当者は副業を疑うことになるでしょう。ただし、住民税の額から副業がバレることはあっても、ガールズバーで働いていることまでが伝わるわけではありません。
また、確定申告の際、住民税の納付方法について「自分で納付」を選択すれば、ガールズバーの所得にかかる住民税については納付書が自宅宛てに送付されるため、本業の会社にバレる問題は解消できます。
ガールズバーでバイトなどをしている人の確定申告の注意点
ガールズバーでバイトなどの仕事をし、確定申告をする人が確定申告時に注意したいポイントをいくつかご紹介します。
源泉徴収された額は忘れずに記載する
バイトをしていて源泉徴収をされていた人の場合、年末調整を受けていなければ確定申告で所得税が還付される可能性があります。また、バイト感覚で働いていても実際には個人事業主という扱いになっていた人も、確定申告書を作成する際、源泉徴収された税額を記載しない場合、二重に税金が課されてしまいます。
そのため、源泉徴収がなされていた人が確定申告をする際には、必ず、源泉徴収された税額の欄に源泉徴収税額を記載することを忘れないようにしましょう。
源泉徴収税額は、バイト契約だった人は給与明細、業務委託契約だった人は報酬明細に記載されています。
経費にできる支出は経費に計上する
確定申告は、1年間の課税所得額と、課税所得額に応じた所得税の額を確定させる作業です。課税所得額は、収入から経費と所得控除額を差し引いた額で算出します。ガールズバーで働く人の場合、個人事業主扱いであれば、次のような費用を経費として計上することが可能です。経費として扱える支出を漏れなく経費に計上すれば、課税所得額が圧縮されるため節税につながります。
ガールズバーで働く人が経費にできるのは次のような支出です。ただし、経費として計上する際には、領収書やレシートなどの保管が必要になります。また、税務調査時に指摘を受けることがないよう、領収書の裏には具体的な支出の内容などを記載しておくことをおすすめします。
・衣装代
制服が用意されているわけではなく、自分で衣装を用意しなければならない場合は、衣装の購入代金を経費に計上できます。例えば、チャイナドレスやメイド服などは、プライベートで着用するケースは少ないと考えられるため、仕事用の衣装として認められやすいでしょう。ただし、プライベートでも着用できるオーソドックスなデザインのワンピースやスカート、ブラウスなどは、経費として認められない可能性が高くなります。
・交通費
お店までの移動にかかる電車代やバス代などの交通費がお店から支給されていない場合は、交通費として経費に計上できます。また、帰宅が深夜になり、電車がなくなってしまった場合に利用したタクシーの料金も経費計上が可能です。
・お客様へのプレゼント代
誕生日やバレンタインデーなど、大切なお客様に日頃の感謝をこめてプレゼントを渡す場合もあるでしょう。ドリンクバックなどの売上向上を目的にプレゼントを渡す場合は、プレゼントの購入代も経費に含めることができます。
正しく確定申告をしない場合、税務調査の対象になる恐れがあります。個人を対象とした税務調査については以下の記事で詳しく解説しています。
<関連記事>個人にも税務調査が入る?対象となりやすい人の特徴や調査の流れとは
まとめ
ガールズバーでバイトをしているのであれば、原則として確定申告は不要です。しかし、バイトをしているつもりでも、業務委託契約という形で働いているときには、一定額以上の所得を得ている場合に確定申告をしなければなりません。
確定申告は時期が決まっており、原則として毎年2月16日から3月15日までが確定申告期間です。この期間内に申告をし、納税を済ませなければペナルティが科されます。確定申告の方法が分からない場合などは、税理士への相談をおすすめします。
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