キャバ嬢として仕事をする際には、お店の雰囲気や自分に似合うドレスを着用します。お客様を楽しませるためにも、汚れをケアするためにも一着のドレスを着続けるわけにはいきません。また、季節ごとにドレスも買い替えたり、イベントに合わせたドレスを用意したりする必要もあります。
ドレスはキャバ嬢自身が購入するため、購入費用も自腹で負担しなければなりません。複数のドレスを購入するとなるとドレス代の負担も大きくなりますが、経費として扱うことができれば税金の負担を軽減できます。
そこで今回は、キャバ嬢のドレス代を経費にする方法や賢い節税対策について分かりやすく解説します。
キャバ嬢のドレス代は経費にできる!
まず、結論から言うとキャバ嬢が仕事のために購入したドレスの代金は経費として扱えます。
キャバ嬢がドレス代を経費にできる理由
キャバ嬢がドレス代を経費にできる理由は、キャバ嬢にとってドレスは売上アップに欠かせない営業ツールだからです。
キャバクラはお客様に非日常的な空間で、キャバ嬢との会話を楽しんでもらう場所であり、普段とは違う特別感を演出するためにはドレスの着用が必要になります。また、照明を落とした店内でもお客様の目を楽しませるのは、きらびやかで、女性の美しさを引き立てるドレスであり、ドレスは売上アップに直結するアイテムなのです。
経費にできるドレスの条件
キャバ嬢が経費として扱えるドレス代は、仕事のために購入したドレスです。仕事に使用するドレスではなく、私服として利用している衣類の購入代を経費にすることはできません。
一般的に、キャバクラ内で着用するドレスは華やかなものであり、プライベートでは着用しにくいものが多いでしょう。しかし、同伴の際に着用するワンピースなど、プライベートでも着用できるデザインのものは経費としては認められない可能性が高くなります。
また、当然、出勤時に着用する衣服やお休みの日に着用する衣服も経費にはなりません。
キャバ嬢はなぜドレス代を経費にすべき?
ここまで、キャバ嬢のドレス代は経費に計上できるとご説明してきましたが、なぜ、キャバ嬢はドレス代を経費として扱うべきなのでしょうか。
キャバ嬢に必要な確定申告のルールをご説明します。
キャバ嬢は確定申告が必要
確定申告とは1月1日から12月31日までの1年間に得た「所得」を計算し、所得に課される税金を申告して、納税をする手続きのことです。会社員の場合は、会社から支払われている給与や賞与から税金が天引きされ、12月に会社が年末調整という手続きをし、正確な税額を算出して納税額を調整しています。そのため確定申告は不要です。しかし、キャバ嬢の場合は、ほとんどが個人事業主という形で働いているため、お店が年末調整を行うことはなく、キャバ嬢自身が確定申告を行う必要があります。
所得税は「収入-経費」に関係する
確定申告では、1年間の所得額を算出します。所得は収入に似た言葉ですが、収入から経費を差し引いた額です。
キャバ嬢の場合、お店から支払われている報酬が収入に該当します。キャバクラにも源泉徴収義務があるため、お店から支給される額からは所得税の源泉徴収がなされているケースもあります。所得を算出する際に必要となる収入は、源泉徴収がなされる前の金額である点に注意しましょう。
所得税は、所得額に応じて課される税率が変わる仕組みであり、所得額が高くなるほど適用される税率も高くなります。先ほどご説明したように、所得額は収入から経費を差し引いた額です。経費として扱えるものを忘れずに経費計上すれば所得額は少なくなり、課される所得税の負担額も抑えることができます。
ドレス代は消耗品費で経費に計上する
確定申告の際には、経費は内容ごとに勘定科目に分類して計上します。ドレスの場合は、消耗品費などとして計上するケースが一般的です。ただし、経費に計上できるのは一着あたりの価格が10万円未満のものに限られます。10万円以上のドレスを購入した場合は、減価償却の対象となり、2年に分けて経費に計上しなければならない点に注意が必要です。
キャバ嬢の節税のポイント
ドレス代を経費に計上すれば、課税対象となる所得額を圧縮できるため、節税対策につながります。ここでは、キャバ嬢ができる節税対策と注意点をご紹介します。
経費にできる支出は漏れなく経費に計上する
キャバ嬢の仕事をするうえで、売上アップのために使用したお金は、ドレス代に関わらず経費に計上できます。経費として認められる支出を漏れなく経費として計上すれば、その分、所得額は低くなります。反対に、経費として扱えるものを経費に計上しなければ、本来よりも多くの税金を納めなければならなくなるのです。後ほど、キャバ嬢が経費に計上できる支出をご紹介しますので、経費として扱える項目を把握しておくようにしましょう。
ただし、経費に計上するためには、支払いを証明する領収書やレシートが必要です。ドレスを購入したときはもちろん、その他の支出が発生した場合にも必ず領収書やレシートを受け取り、適切に保管しておくようにしましょう。
源泉徴収税額は必ず確定申告書に記載する
お店には、キャバ嬢に支払う報酬から10.21%の税金を天引きし、国に納税する義務があります。報酬から天引きされた税額を源泉徴収税額といいます。天引きされた税金の額は、お店から発行される報酬明細で確認が可能です。
確定申告をする際には、源泉徴収された税額を記載する欄があります。これは、確定申告で確定した年間の税額からすでに支払った税額を差し引き、不足している差額分を算出するためです。
キャバ嬢を本業としている人の場合は、年間の所得額が104万円以下であれば所得税は課されません。そのため、この欄に1年間の源泉徴収税額を正しく記入すれば、納め過ぎた税金が還付されるケースもあります。反対に、源泉徴収税額の欄になにも記載しなかった場合は、税金を二重に納めてしまうことになります。
したがって、確定申告時には源泉徴収された税額を記載する欄に、源泉徴収税額を記載することを忘れないようにしましょう。
青色申告をする
確定申告の方法には白色申告と青色申告の2つの方法があります。白色申告は、単式簿記と呼ばれる比較的簡易的な記帳方法が認められる申告方式です。一方、青色申告は複式簿記と呼ばれる方法での記帳が求められ、確定申告書のほかに青色申告決算書や損益計算書などの提出も求められます。また、青色申告をするには、事前に税務署に青色申告承認申請書の提出も必要です。
青色申告は白色申告に比べると、事前の申請や帳簿付けの手間など、負担は大きくなりますが節税メリットを得られるというメリットがあります。いくつかある青色申告の節税メリットのうち、最大の効果を期待できるのが青色申告特別控除です。
所得税額は、収入から必要経費を差し引いて算出した所得額から、さらに所得控除額を差し引いた額に適用税率をかけて算出します。青色申告特別控除は、青色申告の要件を満たすことで、最大65万円の所得控除を適用できるというものです。したがって、青色申告を行い、一定要件を満たすと、同じ収入であっても白色申告をする場合に比べ、最大65万円も課税所得額を低く抑えることができ、大きな節税効果を発揮します。
参照元:国税庁「No.2072 青色申告特別控除」
確定申告をしないのは最大のリスク
節税対策は面倒だから、確定申告をしなくてもバレなければ問題ないのではと思う人もいるかもしれません。しかし、確定申告をしない場合、節税どころか、ペナルティ分の加算税の納付も求められ、本来よりも多くの税金を納めなければならなくなります。
キャバ嬢をはじめ、夜の仕事に就く人は、確定申告を正しくしていないケースが多く、税務署から目を付けられていることを知っていますか?また、お店では、キャバ嬢などに支払った報酬を税務署に報告する義務があるため、税務署では報酬を受け取っているキャバ嬢の名前や金額も把握しています。
したがって、キャバ嬢は税務調査の対象となるリスクが非常に高い状態です。税務調査で正しく申告していないことがバレれば、納めていなかった税金だけでなく、無申告加算税と延滞税と呼ばれるペナルティ分の税金の納付が求められるのです。
少しでも税金の負担を軽減したいのであれば、確定申告をしないのではなく、経費を漏れなく計上し、青色申告で確定申告を行うことが最も賢明な対策になるといえます。
以下の記事ではキャバ嬢向けの確定申告のやり方を解説しています。
<関連記事>キャバ嬢が知っておきたい確定申告のやり方やメリットを徹底解説!
キャバ嬢がドレス以外にも経費にできる支出
キャバ嬢の節税対策でもご説明しましたが、経費として扱える支出は漏れなく経費として計上することが大切です。キャバ嬢が経費として計上できる支出には、ドレス以外にも次のようなものがあります。
ドレスのクリーニング代
キャバクラで着用するドレスは、レースやビジューで装飾されているものが多く、基本的にはクリーニングが必要です。きれいな状態を維持するためには、定期的にクリーニングに出さなければなりませんが、ドレスのクリーニング代も経費に計上できます。
ただし、仕事とは関連のない衣類のクリーニング代は経費計上が認められないため、領収書にはどのドレスのクリーニング代なのかが分かるようにメモ書きをしておくとよいでしょう。
ヘアメイク代
お店に入る前に美容院でヘアセットやメイクを整えてもらう場合は、ヘアメイク代も経費に計上できます。ただし、ヘアカラーやヘアカットは仕事のためだけに必要とは言い切れないため、ヘアカラー代やヘアカット代を経費に計上することはできません。
交通費
お店に通うためにかかる電車代やバス代などの交通費も経費に計上できます。また、帰宅が遅くなった際に利用するタクシー代も経費計上が可能です。バスや電車など、領収書が発行されない公共交通機関の利用費用は、利用日時や乗車駅、降車駅、料金を記載した表を作っておくとよいでしょう。また、交通系ICカードの履歴を領収書代わりに利用することもできます。
お店に出るための交通費だけでなく、お客様との同伴やアフターをするためにかかった交通費も経費計上が可能です。ただし、お店に出勤する前にプライベートで立ち寄ったレストランやデパートなどからの移動費は経費に含めることはできません。
スマートフォンの料金
キャバ嬢として働く人の多くは、仕事用のスマートフォンとプライベート用のスマートフォンを所有しているでしょう。お客様への電話やLINEメッセージの送付は、売上を上げるために欠かせない営業活動です。仕事専用のスマートフォンの端末代や月々の通信料金は、経費として計上できます。
ただし、プライベート用のスマートフォンの利用料金を経費にすることはできません。プライベートのスマートフォンと仕事用のスマートフォンを分けていない場合は、仕事で使っている割合だけを経費に計上できます。
そのほか、有料の顧客管理アプリを使用している場合、アプリの利用料も経費計上が可能です。
お客様との同伴やアフターで支払った食事代
日頃からお世話になっているお客様と同伴したり、アフターに行ったりした際に発生した食事代を負担した場合、その飲食代も経費に計上できます。お客様との関係を良好に維持し、より売上をアップさせるために必要な費用として認められるためです。
ただし、プライベートな食事代を経費にすることはできません。
お客様へのプレゼント代
イベント時やお客様の誕生日にプレゼントを贈る場合、プレゼントの購入代も経費にできます。例えば、バレンタインデーにはお客様にチョコレートをプレゼントしますが、チョコレートを贈る最大の目的は来店を促し、売上アップを図るためです。したがって、プレゼント代も営業活動に必要な経費として認められます。
まとめ
キャバ嬢のドレス代は、経費として扱うことができます。ドレス代以外にも売上アップのために必要となった支出は、経費計上が可能です。経費を漏れなく計上すれば、節税につながります。また、青色申告も有効な節税対策ですが、複式簿記での記帳が必要になるなど、複雑な処理が必要です。
確実かつ面倒な作業をせずに、確定申告を行いたい場合には税理士への相談をおすすめします。税理士法人松本はキャバ嬢など、ナイトワークの税務に詳しい税理士法人であり、経費の相談はもちろん、節税方法についてもご相談を承っています。確定申告や経費の処理方法にお悩みの場合はお気軽にご相談ください。
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