金の価格は、ここ数年で大きく値上がりしています。金価格の記録的な高騰の背景には世界的な金需要の増加や円安、世界経済の不安定さなどが影響していると考えられています。

今は、アクセサリーでも金が人気のため、お客様から金の指輪やネックレスなどのプレゼントをいただいたり、自分で金のアクセサリーを購入するケースも多いでしょう。アクセサリーのデザインにも流行があるため、金の価格が高騰しているタイミングで、持っている金のジュエリーなどを売却して換金した人もいるのではないでしょうか。

実は、金を売却した場合、税金の納付が必要になる可能性があります。もし、金の売却によって得た利益について申告をしなかった場合、税務署にばれることはあるのでしょうか。

今回は、金の売却にかかる税金や税務署にばれる可能性、確定申告が必要となる条件などについて解説します。

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金の売却益には税金がかかる!

金を売却して得た利益には、原則として税金がかかります。ただし、金の地金と金のアクセサリーを売却した場合では、扱いが異なるケースがある点に注意が必要です。

金の売却益にかかる税金は「譲渡所得税」

現在、金の価格は歴史的な高騰を続けており、金を売却すると利益が出るケースがほとんどです。この金の売却による利益は譲渡所得に該当し、課税の対象となります。

譲渡所得とは、金のほか、土地や建物、株式、絵画などの資産を売却することで得る利益のことです。ただし、金を売却した際に金の買い取り業者から受け取った額がそのまま譲渡所得に該当するわけではありません。譲渡所得は、売却額から購入にかかった費用と売却するためにかかった費用を差し引いた額となります。

つまり、譲渡所得は次の式で表すことができます。

譲渡所得=譲渡価額(売却額)-(取得費用+売却費用)

また、譲渡所得税は、譲渡所得が発生した年の翌年の2月16日から3月15日までの間に確定申告をすることで納税するルールです。

金の売却で税金が発生するのは、年間の売却益が50万円を超える場合

金の売却によって得た利益は譲渡所得として扱いますが、譲渡所得を得ていても、必ず、税金が発生するわけではありません。譲渡所得には、年間50万円の特別控除が設定されているため、金の売却益を含め、年間の譲渡所得が50万円を超えなければ、確定申告は不要となります。

ただし、年末調整を受けている年収2,000万円以下の給与所得者は、給与所得以外の所得額が年間20万円以下の場合、確定申告をする必要がありません。したがって、夜職の人でも個人事業主として働いているのではなく、お店の従業員として働いている場合はこのルールが適用されます。つまり、特別控除と合わせて、譲渡所得が年間70万円を超えなければ、確定申告をする必要はなく、所得税の納税義務も生じないのです。ただし、住民税の申告はしなければなりません。

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金を売却した利益にかかる税金を申告しないとばれる可能性が高い

金を売却して、年間50万円を超える譲渡所得を得ていた場合、確定申告をし、税金を納めなければなりません。適切に申告をせず、そのまま放置をしていると税務署にばれる可能性が高くなります。

金売却の利益が200万円を超えると税金の無申告がばれる理由

金売却によって200万円を超える利益を得ている場合、税金を納めていないと税務署にばれる可能性が高いといわれています。その理由は、金の買い取り業者は、買い取り金額が200万円を超える取引があった場合に、税務署に支払調書を提出する義務があるからです。

店側から税務署に提出される支払調書には、金を売却した人の名前や住所、マイナンバー、買い取り金額などが記載されています。したがって、税務署では買い取り業者の支払調書を確認するだけで、金の売却によって利益を得たにもかかわらず、税金を納めていない人の情報を簡単に知り得ることができるのです。

金売却の利益が200万円以下でも税金の無申告がばれる理由

買い取り業者が税務署に提出する支払調書には、買い取り額が200万円を超えた人の情報が記載されるため、買い取り額が200万円以下であれば、税務署にはばれないと思っている人もいるようです。しかし、買い取り額が200万円以下であっても、金を売却して利益を得たことは税務署にばれます。

これは、昨今の金相場の値上がりから、税務署では買い取り業者に定期的な税務調査を行っているからです。業者に対して税務調査を実施すれば、支払調書に記載されていない取引も把握できるため、金を売却した人の申告情報を確認し、譲渡所得の申告がなければ税務調査を実施することとなります。

つまり、金の売却で譲渡所得を得ているにもかかわらず税金を納めていない場合、売却額が200万円を超えていても、超えていなくても、無申告であることが税務署にばれると考えておいた方がよいでしょう。

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金の売却に関する税金の無申告がばれると課されるリスク

金売却による利益がある場合は、確定申告をして、税金を納めなければなりません。もし、適切に申告をせず、税金を納めていない場合は次のようなリスクが発生します。

無申告加算税の納付が求められる

無申告加算税とは、確定申告の期間内に申告を済ませなかった場合に課されるペナルティです。税務調査で無申告が発覚した場合、期限を過ぎてから申告を行う期限後申告が求められ、金の売却益にかかる譲渡所得税と無申告加算税の納付が求められます。

税務調査で無申告が発覚した場合の無申告加算税の税率は、次のとおりです。

・税額が50万円以下の部分 15%

・税額が50万円超300万円以下の部分 20%

・税額が300万円超の部分 30%

ただし、税務調査の事前通知を受ける前に自主的に期限後申告を行った場合、無申告加算税の税率は次のように軽減されます。

・税額が50万円以下の部分 10%

・税額が50万円超300万円以下の部分 15%

・税額が300万円超の部分 25%

また、税務調査の事前通知を受ける前に、自ら期限後申告を行った場合は、無申告加算税の税率は税額にかかわらず一律5%にまで軽減されます。

延滞税の納付が求められる

延滞税とは、税金の納付が遅れたことに対して課されるペナルティです。延滞税は、納付すべき税額×延滞税の割合×完納までの日数÷365で算出されます。

延滞税の割合は、法定納期限の翌日から2ヶ月までと、それ以降で大きく異なり、2026年分については法定納期限の翌日から2ヶ月までが2.8%、それ以降が9.1%となっています。

計算式を見ても分かるように、延滞税は、税金の納付が完了する日まで、1日単位で計算される税金です。また、税率が納期限の翌日から2ヶ月までとそれ以降で3倍以上にも跳ね上がります。したがって、税金の納付が遅れれば遅れるほど、延滞税の額は高くなる点に注意しなければなりません。

参照元:国税庁「延滞税の計算方法」、「延滞税の割合

重加算税が課される場合もある

確定申告が必要であることを知りながら、意図的に税金の納付義務を怠った場合や何らかの隠蔽行為などによって譲渡所得が発生していないかのように装った場合などは、無申告加算税に代えて重加算税が課されます。無申告加算税に代わる場合の重加算税の税率は、40%と、附帯税の中でも最も厳しい税率です。

さらに、脱税行為とみなされた場合、刑事裁判にかけられ、脱税の罪が確定すれば、刑事罰が科される恐れも出てきます。

金の売却益の調査から本業の所得に調査が及ぶ場合も

金の売却益について確定申告をしていないことから税務調査に発展した場合、金の譲渡所得だけでなく、本業の所得についても調査が及ぶ可能性は少なくありません。金を売却するにはまず、金を保有する必要があります。

インゴットはもちろん、金のアクセサリーを購入するには、お金が必要です。確定申告の内容から所得額がそれほど多くないことが分かれば、事業所得の申告内容について疑いを抱かれることとなるでしょう。

また、お客様からのプレゼントを売却したと主張した場合、今度は、贈与税の申告をしていたかが問題となります。年間に110万円を超える現金や資産などを受け取った場合は、贈与税を納めなければなりません。たとえ、1人のお客様からいただいた金の指輪が110万円以下であっても、複数のお客様からいただいたプレゼントの合計額が年間110万円を超えていれば、確定申告をし、贈与税を納めなければならないのです。

金の売却益を申告しなかったことで、譲渡所得以外の納税状況についても詳しい調査が実施される可能性がある点も、無申告のリスクになるといえます。

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金売却で得た利益の税金の計算方法とは

金の売却で得た利益は譲渡所得として扱われます。金の売却によって生じる譲渡所得は、給与所得や事業所得などの所得を合わせて総合課税の対象となります。総合課税とは、1年間の複数の所得を合計し、合計額に税率をかけて税額を算出する方法です。

ただし、譲渡所得額は、保有期間によって課税の仕組みが異なる点に十分注意しなければなりません。

長期譲渡所得と短期譲渡所得

譲渡所得の課税対象額を算出するうえでは、売却した資産の保有期間が重要になります。金の場合は、売却した金を何年間保有していたかによって、課税対象額の計算方法が変わってくるのです。

まず、5年を超えて保有をしていた金を売却した場合は、長期譲渡所得として扱われます。また、保有期間が5年以内の場合には、短期譲渡所得として扱うこととなります。

長期譲渡所得の課税対象額の算出方法

金の保有期間が5年を超える場合の長期譲渡所得の課税対象額は、売却益から特別控除の50万円を差し引いた額を1/2にした額が課税対象となります。

計算式は次のとおりです。

課税対象額=(売却益-50万円)×1/2

短期譲渡所得の課税対象額の算出方法

金の保有期間が5年以内の短期譲渡所得の課税対象額は、売却益から特別控除である50万円を差し引くことで算出できます。計算式は次のとおりです。

課税対象額=売却益-50万円

保有期間が5年を超えるかどうかによって、納税額は大きく変わります。例えば、金の売却益が200万円であっても、短期譲渡所得の場合は、課税対象額は150万円となるのに対し、長期譲渡所得の課税対象額は75万円です。

税金の負担を抑えるという点では、少なくとも5年間は保有してから売却した方がよいでしょう。

参照元:国税庁「No.1460 譲渡所得(土地、建物及び株式等以外の資産を譲渡したとき)

金のアクセサリーの売却と税金

金のアクセサリーの売却は、1点の売却価格が30万円以下であれば、生活用動産としてみなされるため、売却しても税金が課されることはありません。したがって、ネックレス1点を25万円、指輪1点を28万円、ピアス1組が15万円で売却でき、合計額が30万円を超えた場合でも、確定申告は不要であり、税金が課されることもありません。

同じ金であってもインゴットであるかアクセサリーであるかによって、適用される税金のルールが変わってくる点も理解しておくとよいでしょう。

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金の売却益にかかる税金の無申告がばれる前に申告を

金を売却し、税金の納付が必要であるにもかかわらず確定申告をしていない場合、高い確率で税務署にばれることとなります。無申告がばれると、前述のように、無申告加算税や延滞税の納付が求められ、本来よりも大きな税金の負担が発生します。さらに、金の売却益を申告しなかったことで、本業の所得や贈与税についても調査が波及する恐れもあります。

金を売却した際には、次のポイントに注意して、無申告がばれる前に必ず申告を行うようにしましょう。

個人事業主は売却益が年間50万円を超える場合に確定申告をする

ナイトワークのお店で働く人の多くは、お店の社員ではなく、個人事業主という形で契約をしています。この場合、金の売却によって年間50万円を超える利益を得た場合に確定申告をして税金を納めなければなりません。

給与所得者は年間70万円を超える売却益が発生した場合に確定申告が必要

数は少ないものの、お店と雇用契約を結び、社員として働いている人もいるかもしれません。お店から給与を受け取っている給与所得者の場合は、譲渡所得の特別控除のほか、給与所得以外の所得が20万円以下であれば確定申告が不要となるルールが適用されるため、売却益が70万円を超える場合に確定申告が必要です。

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まとめ

金の買い取り業者は買い取り額が200万円を超える取引について売却者の名前やマイナンバーを記入した支払調書を提出しています。さらに、税務署は買い取り業者に対して積極的に税務調査を実施していることから、金の売却益を得ていながら税金を納付していない人の情報はばれる可能性が高くなります。金の売却によって一定以上の利益を得た場合は、必ず確定申告を行うようにしましょう。

なお、たとえ確定申告をしていなかった場合でも、税務調査の事前通知を受ける前に自主的に期限後申告を行えば、無申告加算税は、税額に関わらず一律5%にまで軽減されます。期限後申告のやり方が分からない場合などは、早めに税理士法人松本までご相談ください。


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