急激な物価上昇などの影響から、本業の収入とは別にお小遣い稼ぎをしようと副業を始める人は少なくありません。副業は、限られた時間を使って稼ぐ必要があるため、効率よくお金を得られる方法としてギャラ飲みに参加している人も増えています。
ギャラ飲みとは、男性と一緒に食事をしたり、お酒を飲んだりすることで飲み会の主催者から報酬を得る行為です。現在は、ギャラ飲み用のアプリも登場し、簡単にギャラ飲みに参加し、収入を得ることができます。しかし、ギャラ飲みで得た副業の収入は、税務署にバレることはないのでしょうか。
今回は、ギャラ飲みで得た副業収入がバレるリスクについてご説明します。

 

ギャラ飲みで得た副業の収入も確定申告が必要

まず、前提として、会社員として働いている人が副業でギャラ飲みに参加し、収入を得ている場合、その収入も所得税や住民税の課税対象となります。
会社から支払われる給与や賞与は、会社側が源泉徴収を行い、従業員には所得税や住民税が差し引かれた状態で支給されます。したがって、会社員の方が給与所得だけを得ている場合、自分で所得税や住民税を納めることはありません。しかし、ギャラ飲みの副業で得た収入については、自動的に所得税や住民税が引かれることはなく、自分で確定申告を行い、所得税や住民税を納税しなければならないのです。
会社員の方の場合、ギャラ飲みを含めた副業などで給与所得以外に年間20万円を超える所得を得たときには、所得税の確定申告をしなければなりません。
ギャラ飲みの報酬は1回あたり1万円から3万円程度だと言われています。副業としてギャラ飲みに定期的に参加している場合は、年間20万円を超える収入を得ている場合も少なくないのではないでしょうか。

 

ギャラ飲みの副業収入は税務署にバレる？

ギャラ飲みで収入を得ている場合、会社員の方は、年間20万円を超える所得を得ていれば確定申告が必要であることをご紹介しました。では、年間20万円を超える副業収入があるにもかかわらず、確定申告をしなければ、税務署にギャラ飲みの収入はバレるのでしょうか。

 

ギャラ飲みの副業収入は税務署にバレる

ギャラ飲みで多額の収入を得ている人が増えているという現状を税務署では把握しています。実際、2022年にはギャラ飲みで4,000万円もの収入を得ていた女性に約1,100万円の追徴課税が行われており、この女性のほかにもギャラ飲み女子に対する調査が行われたと言われています。
多くの女性がギャラ飲みで収入を得ている今、1人だけに追徴課税がなされるとは考えにくいのが現状でしょう。つまり、ギャラ飲みの副業収入は税務署にバレるのです。

 

ギャラ飲みの副業収入がバレる理由

ギャラ飲みで副業収入があるにもかかわらず、確定申告をせず、納税を怠っていた場合は、高い確率で税務署にバレると考えられます。なぜなら、ギャラ飲みは、女性と飲みたい男性とギャラ飲みで稼ぎたい女性をマッチングさせるアプリを介して、飲み会に参加するケースがほとんどだからです。
ギャラ飲みアプリでは、報酬のやり取りはサイト上で行われます。男性側はサイトに料金を支払い、サイト側から女性側に報酬が支払われるため、情報が残りやすいのです。
ギャラ飲みアプリの運営会社に税務調査が入れば、運営会社では調査官の求めに応じ報酬を支払った女性の情報を開示しなければなりません。ギャラ飲みの報酬として支払われた額と女性の確定申告の状況を比較すれば、ギャラ飲みの副業収入を申告していないということは簡単に分かってしまうのです。

 

ギャラ飲みの副業収入がバレるとどううなる？

ギャラ飲みの副業収入があるにもかかわらず、確定申告をしていなかったことがバレるとどのような事態になるのでしょうか。ギャラ飲みの副業収入を申告しない場合のリスクについてご説明します。

 

無申告加算税が課せられる

確定申告は、申告時期が決められており、毎年1月1日から12月31日までの所得を翌年の2月16日から3月15日までの間に申告しなければなりません。この期間に確定申告をしなければ、ペナルティとして無申告加算税が課せられます。
無申告加算税の税率は税額によって変わり、納付すべき税額の50万円までについては15％、50万円を超える部分に関しては20％の税率が適用されます。
ただし、令和6年1月1日から無申告加算税の税率はより厳しくなっている点に注意が必要です。令和5年分以降については、納付すべき税額の50万円までは15％、50万円を超えて300万円までの部分については20％、300万円を超える部分については30％の税率が適用されるように変更されています。

 

延滞税の納付も必要

延滞税とは、期限までに税金を納めなかった場合に課せられる利息的な意味合いを持つ税金です。延滞税は、法定納期限の翌日から納付する日まで課せられるため、無申告期間が長くなればなるほど延滞税の額は大きくなります。
令和6年の延滞税の税率は、納期限の翌日から2か月を経過するまでは年2.4％、納付期限の翌日から2か月を経過した日以降は8.7％です。
無申告がバレると、未納分の税金に加え、無申告加算税、延滞税を加えた額の納税が必要となります。もし、ギャラ飲みの副業収入をすでに使ってしまっていた場合などは、納税するための資金が不足してしまう恐れもあるでしょう。

 

ギャラ飲みの副業収入は必ず確定申告を

ギャラ飲みの副業をしている場合は、ギャラ飲みアプリの運営会社などを通じ、無申告状態であることがバレる可能性が高くなります。ギャラ飲みで収入を得ている場合には、必ず確定申告を行いましょう。
また、確定申告を行う際、住民税の支払い方法を自分で支払う普通徴収に指定しないと、本業の給与所得から住民税が徴収され、所得が増えたことが会社にバレる可能性があります。本業にバレないようにするためには普通徴収を選択することを忘れないようにしましょう。

 

まとめ

ギャラ飲みで一定以上の副業収入を得ている場合は、確定申告をしなければなりません。ギャラ飲みアプリの運営会社を通じ、ギャラ飲み女子の無申告が税務署にバレ、多額の追徴課税が課せられた事例も報告されています。
無申告がバレると無申告加算税と延滞税が課されることとなり、確定申告を行った場合よりも多額の税金を納めなければならなくなります。
ギャラ飲みの副業収入がある場合には、税理士に相談するなどして、早めに期限後申告を行うことをおすすめします。

 

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