
一般的に、ガールズバーではキャバクラのようにお客様の隣に座ったり、カラオケを一緒に歌ったりといった接待を伴う接客は必要ありません。しかしながら、他の仕事に比べて夜の時間を有効に使いながら効率よく収入を得られるため、副業として働く女性からも人気があります。
比較的自由度の高いガールズバーの仕事ですが、せっかく働くならより効率的に収入を増やしたいと考える方も多いでしょう。実は、ガールズバーの給与は単純に時給だけで決まるわけではなく、お店によって仕組みや待遇が異なるため、時給だけでお店を選ぶと後悔することもあります。
そこで今回は、ガールズバーの給与の仕組みについて詳しく解説します。また、収入をアップさせるコツや注意点についても併せてご紹介します。
ガールズバーとは
これからガールズバーで働きたいと考えている方のために、まずはガールズバーの概要についてご説明します。
ガールズバーは、女性スタッフがバーカウンターに立ち、お客様にアルコールを提供しながら会話を楽しむお店です。基本的に、カウンター越しに接客を行うため、キャバクラのようにお客様の隣に座って接客する必要はありません。
主な仕事内容は、お客様との会話を楽しみながら、カウンター内でドリンクやおつまみを作ったり提供したりすることです。ただし、店舗によって営業スタイルはさまざまで、バニーガールやメイド服などの衣装を着用するケースや、制服・私服で勤務できるお店もあります。
ガールズバーの給料の仕組みについて
ガールズバーの給与は、基本的に時給制となっており、働いた時間に応じて支払われます。次に、その仕組みについて詳しくご説明します。
ガールズバーの給料は月払いが一般的
多くのお店では、締め日に合わせて1ヶ月分をまとめて支払います。ただし、お店によっては日払いに対応しているケースもあります。その場合でも、全額を日払いで支給するケースはあまり多くありません。また、日払いを希望する場合には、手数料が差し引かれることもあります。
ガールズバーの給料の仕組みは時給+バック
ガールズバーの給与の仕組みは、時給に加えてバック(歩合)を含むことが一般的です。多くのお店では、時給に各種のバック(インセンティブ)を合わせて支給するシステムを採用しています。バックとは、特定の目標を達成した場合に支払われる報奨金のことです。バックの種類や金額は、お店によって異なります。
ガールズバーのバックの種類
給与にプラスされて支払われることの多いバックには、以下のようなものがあります。また、一般的にバックの還元率は売上の10%~20%程度に設定されています。例えば、お客様に1,000円のドリンクをごちそうになる場合、バック還元率が10%なら100円、20%なら200円が給与に上乗せされる仕組みです。それでは、これからガールズバーの主なバックの種類について詳しくご説明いたします。
ドリンクバック
ドリンクバックとは、お客様がドリンクをごちそうしてくれた場合に発生するインセンティブです。高額なドリンクや多くのドリンクをごちそうされた場合には、ドリンクバックの金額が1時間分の時給を超えることもあります
フードバック
お客様がドリンクではなく、フードメニューの中から食べ物をごちそうしてくれた場合に発生するインセンティブです。ドリンクバックと同様に、売上の約10%程度の還元率に設定されているケースが多いです。ただし、ガールズバーで扱うフードメニューはおつまみが中心となるため、単価は比較的低めに設定されています。そのため、フードバックが給与に大きく影響することはあまりありません。
ボトルバック
お客様がウィスキー、ブランデーやシャンパンなどのボトルを注文した場合に発生するインセンティブです。ボトルでの注文は、ドリンク1杯に比べて単価が高いため、得られるバックも高額になります。例えば、ボトルバックが10%の場合、2万円のシャンパンの注文を受けると、バックだけで2,000円を得ることができます。さらに、ボトルキープをしていただくと、お客様の再来店の可能性が高まり、指名やリピートにつながる期待もあります。ただし、すべてのお店でボトルバックのシステムを導入しているわけではありません。特に、低料金を売りにしているお店や地方のお店などでは、ボトルバックを採用していない場合もあります。
指名バック
指名バックとは、お客様からキャストを指名された場合に支払われるインセンティブです。お店によって計算方法はさまざまで、指名をしてくれたお客様の売上の一定割合を還元するケースや、指名1回ごとに定額を支払うケースがあります。
また、先にご紹介したボトルキープのシステムがあるガールズバーでは、ボトルを入れてくれたお客様は常連客となる可能性が高くなります。来店のたびに指名バックを得られる仕組みであれば、給与にプラスされるインセンティブも増加します。
ただし、ガールズバーの指名はキャバクラのように隣に座って接客するスタイルではないため、接客時間が短く、料金も低めに設定されています。そのため、指名バックによるインセンティブは、キャバクラほど高額になることは少ないでしょう。
同伴バック
「同伴」とは、出勤前にお客様と食事をし、そのままお客様と一緒にお店に出勤することを指します。これに伴い支払われるインセンティブが「同伴バック」です。ただし、このシステムはキャバクラなどで一般的に見られるものであり、ガールズバーでは同伴を認めていない店舗もあります。そのため、同伴バックの制度を導入しているガールズバーは比較的少ないです。また、出勤前にお客様と食事をする時間は勤務時間外となるため、その時間に対しての時給は発生しません。これらの点も理解しておくことが重要です。
チラシバック
お店の前でチラシを配布し、その効果でお客様が来店してくれた場合に支払われるインセンティブが「チラシバック」です。ただし、お店によっては、キャストの仕事にチラシ配布が含まれないケースもあります。
また、チラシバックがもらえるからといって、特定の人に対して執拗に声をかける行為は避けた方が賢明です。通行人に対してサービスメニューを書いたチラシや割引クーポンを配布すること自体は問題ありませんが、客引き行為は風営法や迷惑防止条例に抵触する可能性があります。特定の人にしつこく来店を促す行為は違法となるため、十分に注意しましょう。
ガールズバーの収入アップのコツとは
ガールズバーで収入を増やしたい場合は、お店の給与体系や仕組みを事前に確認しておくことが重要です。
バックの還元率が高い、またはバックシステムが充実しているお店を選ぶ
繰り返しになりますが、ほとんどのガールズバーでは、時給に加えてインセンティブに該当するバックシステムを導入しています。そのため、バックの還元率が高いお店やさまざまなバックシステムを採用しているお店を選ぶことで、収入アップが期待できます。一方、時給が高いお店でも、バックの還元率が低い場合やバックシステムを導入していない場合は、基本的に時給が収入の大部分を占めることになります。しかし、さまざまなバックシステムを導入し、高い還元率を設定しているお店では、時給が多少低くても、努力次第で高収入を得られる可能性があります。したがって、ガールズバーで働く際には、時給だけでなく、バックシステムやお店の給与計算の仕組みも事前に確認しておくことが重要です。
制服が用意されているガールズバーを選ぶ
ガールズバーによって、出勤時の服装規定はさまざまです。制服が用意されているお店を選ぶと、自分で洋服を購入する必要がなくなり、コストを抑えることができます。制服がある店舗を選ぶことで、収入が増えるわけではありませんが、洋服代の負担を軽減できるメリットがあります。また、副業としてガールズバーで働きたい方や、昼間の服装のまま働きたくない方にとっては、出勤のたびにガールズバー用の服を持参する手間やコストがかかることもあります。制服が用意されている店舗であれば、その必要がなく、経済的な負担を減らすことが可能です。制服の種類はさまざまで、中にはバニーガールのように露出度の高い衣装を着用する場合もあります。そのようなお店では、比較的時給が高めに設定されていることも多いため、衣装に抵抗がなければ、効率よく収入を得られるでしょう。ただし、一部のお店では制服のクリーニング代や衣装代を給与から天引きするケースもあります。入店前に、制服の有無や、天引きされる内容について事前に確認しておくことが重要です。
リピーターのお客様を増やす
ガールズバーから支払われる給与は、基本の時給に各種バックを加算した仕組みで計算されます。そのため、リピーターのお客様を増やすことで、ドリンクバックだけでなく、ボトルバックや指名バックなどのインセンティブも増やすことが可能です。
リピーターを増やすためには、お客様が楽しくお酒を飲めるように、会話を盛り上げるコミュニケーションスキルが重要です。まずは、お客様の名前を覚えたり、好みのお酒を把握しておくと、初めてのお客様に良い印象を与えることができるでしょう。
ガールズバーで収入を増やしたい場合は、給与の仕組みをしっかり理解し、できるだけバックによる収入を増やす努力をすることがポイントです。
ガールズバーで働くときの注意点
ガールズバーで働く際には、給与の仕組みを理解しておくことはもちろん重要ですが、それ以外にも注意すべき点があります。まず一つは、店舗によっては制服代やクリーニング代などが給与から天引きされるシステムが存在することです。次に、会社員が副業としてガールズバーで働く場合、所得税の確定申告が必要となるケースもあります。これらの点について、詳しくご説明いたします。
お店によっては給料から天引きする金額が多い場合がある
ガールズバーの給与は、基本的には時給に勤務時間を掛けた金額と各種バックの額を加算したものによって構成されています。しかしながら、多くの店舗では、厚生費、衣装代、クリーニング代、送迎代などが給与から天引きされるケースもあります。「厚生費」とは、店舗の運営に必要な諸経費や雑費のことを指します。使途は店舗によって異なり、衣装代やクリーニング代の代わりに厚生費として天引きされる場合や、キャストの親睦会費用として使用されるケースもあります。入店前にこれらの天引き内容を確認しておかないと、思ったよりも多くの額が差し引かれ、期待していた収入を得られないこともあります。したがって、時給やバックの仕組みだけでなく、天引きされる項目や金額についても事前にしっかり確認しておくことが重要です。
副業としてガールズバーで働く場合、確定申告が必要になる
昼間は会社員として働き、夜は副業としてガールズバーで働く方も多くいらっしゃいます。この場合、ガールズバーでの副業の年間所得が20万円を超えると、個人で確定申告を行う義務があります。
一般的には、毎年会社で年末調整が行われ、1年間の所得税額が正しいかどうかを確認します。ただし、複数の勤務先から給与を受け取っている場合、年末調整は主たる会社の給与に対して行われるため、ガールズバーからの給与については自ら確定申告を行う必要があります。また、ガールズバーの給与から源泉徴収が行われている場合は、確定申告をすることで過剰に支払った税金が還付される可能性もあります。一方、源泉徴収がされていない場合は、自分で確定申告をしなければなりません。副業であるガールズバーの給与所得が20万円を超えており、これに対して源泉徴収が行われていない場合に確定申告を怠ると、税務調査等で追徴課税されるリスクがあります。副業を行っている場合は、所得額を正確に把握し、忘れずに確定申告を行うことが重要です。
まとめ
ガールズバーの給与は、勤務時間に応じた時給に、各種バックの金額を加算して計算されます。そのため、バックの種類が多い店舗や還元率が高い店舗を選ぶことで、より効率的に収入を増やすことが可能です。ただし、一部の店舗では厚生費やその他の天引きが行われるケースもあるため、入店前にバックシステムや天引きの内容について十分に確認しておくことが重要です。また、副業としてガールズバーで働く場合、一定の所得があると確定申告が必要となるケースがあります。確定申告を怠り正しく納税しないと、追徴課税などを受けるリスクがあります。副業を行う際には、税金に関する知識や申告義務についても事前にしっかりと確認しておくことをおすすめします。
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