「自分のお店を持ちたい!」という思いから、スナックの開業を夢見ている方も多いでしょう。
小規模から始められるスナックは、飲食業初心者にも挑戦しやすい業態として注目されています。
では、スナックの開業にはどのような手続きや準備が必要になるのでしょうか。
今回は、スナックの開業を目指す方のために、スナックの開業に必要なものや開業時の手続きの流れなどについてわかりやすく説明します。
スナック開業前に知っておきたい基礎知識
スナックを開業する前に知っておいたほうが良い基礎知識を紹介します。
スナックとは?
スナックは、主に夜間に営業する小規模な飲食店です。
カウンター越しにスタッフが接客を行い、お酒や軽いおつまみを楽しみながら、会話やカラオケなどでゆったりとした時間を過ごします。
一般的な飲食店とは異なり、スナックはスタッフと客の距離が近く、常連同士の交流も生まれやすいのが特徴です。
店ごとに独自の雰囲気や接客スタイルがあり、アットホームな空間を好む人々に長年支持され続けています。
また、スナック特有の営業スタイルとして「ボトルキープ制」や「チャージ料(席料)」などのシステムを採用している店舗も多く、これらは収益モデルにも大きく関係しています。
バーとの違い
スナックとバーはいずれもお酒を提供する夜の飲食店ですが、その営業スタイルや法的な扱いに明確な違いがあります。
スナックは、スタッフがお客様と積極的に会話をしたり、カラオケを一緒に楽しむなど「人的な接客」を前提とする店舗が多く、いわゆる「接待行為」を行っています。
そのため、風俗営業等の規制対象となり、営業可能な時間帯やエリアが制限されているのが特徴です。
一方でバーは、店側が客に対して一定の距離を保ちつつ、ドリンクや空間演出を中心にサービスを提供する業態です。
基本的に接待行為を行わないため、風営法の規制を受けず、深夜営業が可能とされています。
このように、両者の違いは単に内装やメニューの構成といった表面的なものではなく、「接待を伴う接客があるかどうか」が大きなポイントとなります。
この接客スタイルの違いによって、適用される法律や必要な営業許可の種類にも違いが生じる点が、スナックとバーを区別するうえで重要な特徴といえるでしょう。
スナック開業のメリット・デメリット
スナックを開業するメリットとデメリットをそれぞれ解説します。
メリット
・自由な価格設定が可能
・人件費を抑えやすく、高い利益率が期待できる
・小規模で開業しやすい
スナックでは、セット料金やチャージ料、ボトルキープ、カラオケ利用料などを独自に設定できるため、価格戦略の自由度が高いのが特徴です。地域性や顧客層に応じて柔軟に料金を設計できることから、原価や人件費の変動にも対応しやすく、安定した収益につながります。
また、カウンター越しの接客が基本で、スタッフの人数を最小限に抑えて運営できるため、人件費の負担が軽くなり、利益率の高い経営が可能です。加えて、主な提供メニューが酒類中心であることから、原価率が低く、在庫管理や廃棄リスクも少ない傾向にあります。これにより、効率良く売り上げを確保できる点がスナックの魅力です。
さらに、一般的な飲食店のように本格的な厨房設備を必要としないため、開業にかかる初期投資を抑えやすいのもメリットの一つです。軽食やつまみを中心とした提供であれば、設備や仕入れも最小限で済み、個人でも比較的始めやすい業態といえるでしょう。特に一人での開業も可能なスナックは、「小さく始めて堅実に育てる」という経営スタイルに適しており、飲食業初心者でもチャレンジしやすい点が支持されています。
デメリット
・競合店舗が多く、差別化が必要
・人材確保が難しい
スナック業態は、繁華街や駅周辺などに集中している傾向があり、同じエリアやビル内に複数のスナックが営業していることも珍しくありません。そのため、限られた顧客層を巡る競争が激しく、単に開業しただけでは集客が難しいでしょう。新規顧客の獲得やリピーターの定着を目指すには、店舗独自のサービスや雰囲気づくり、SNSや口コミを活用した継続的なマーケティングなど、競合店舗との差別化戦略が欠かせません。また、開業前には周辺の競合店舗やターゲット層のリサーチを行い、開きたいスナックのコンセプトやニーズとマッチするかを見極めることも重要です。
スナックは深夜営業がメインなので、スタッフの確保に苦労するケースが多くみられ、求人を出しても応募が集まりにくいという課題を抱える店舗も少なくありません。人手が不足すると、経営者や既存スタッフに過度な負担がかかり、サービス品質や店舗運営に支障が出る可能性もあります。そのため、働きやすい環境づくりや柔軟なシフト制の導入、スタッフとの信頼関係構築など、人材面での工夫も経営の重要なポイントとなります。
スナックの開業に必要なものとは

スナックといってもお店のコンセプトによって、必要なものは異なります。
ここでは、一般的にスナックに必要とされているものを紹介します。
店舗
当たり前のことですが、スナックを開業する際には店舗を準備する必要があります。
どのようなスナックを開きたいかによって、開業すべきエリアも変わってくるでしょう。
また、お店の大きさによっても、準備が必要なものや必要な設備が変わってきます。
開業資金
開業資金もスナックの開業時に必要なものの一つです。
スナックの開業時には、物件を借りるための費用、内装工事の費用、設備の購入費用、消耗品の購入費用、広告宣伝費用などが必要になります。
また、開業してからすぐにお客様を獲得できるわけではありません。そのため、当面の運転費を確保しておかないと、お酒や食材などの仕入れが難しくなったり、家賃や光熱費などの支払いに窮してしまったりする可能性があるでしょう。
開業資金として必要な額は、お店の大きさによっても変わってきますが、スナックの開業費用の目安は、一般的に500万円程度からといわれています。
スツールやテーブル、照明などのインテリア
カウンターだけのお店の場合はカウンターに置くスツール、テーブル席も用意するお店の場合はテーブルとソファーなどが必要です。
お店のコンセプトと予算に合わせて、壁紙などの内装と調和するアイテムを選ぶと統一感のある空間に仕上がります。
また風俗営業許可などを取得する際には、店内の照度が定められています。照明を選ぶ際には基準の照度以上の明るさを保てるものを選ぶようにしましょう。
キッチン関連の設備
お酒や食材を保管する冷蔵庫や氷を作る製氷機、コンロ、シンク、電子レンジなど、キッチン関連の設備もスナックの開業時に必要なものです。
お店のオリジナルのメニューを用意したい場合などは、コンロが必要になりますが、おつまみ程度のスナック類だけを提供するのであればコンロの準備は必要ないでしょう。
グラスや食器
お酒を提供する際には必ずグラスが必要になります。
ビール用グラスやワイングラス、ウイスキーグラスなど、お酒の種類によって必要となるグラスは変わります。
そのため、お店に置くお酒の種類に合わせて、適切なグラスを揃える必要があるでしょう。
また、軽食のメニューに合わせて食器も必要です。
そのほか、氷を入れるアイスペールやワインクーラー、ボトルキープ用のホルダー、栓抜き、灰皿、メニューブックなども必要になるでしょう。
お店の席数に合わせて、適切な数を用意するのが基本ですが、一人のお客様が数種類のお酒をオーダーすることも考えられるため、グラスは余裕を持たせて発注することが大切です。
レジなどの会計システム
お会計をする際に必要となるレジなどの会計システムや伝票などの準備が必要です。
クレジットカードやQRコード決済など、キャッシュレス決済に対応する場合には、決済に必要な機械の導入も必要になります。
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カラオケ
必要なものではありませんが、スナックのなかにはカラオケ機器を導入しているところも少なくありません。
ただし、お客様がカラオケを楽しむだけでなく、経営者やスタッフがお客様と一緒に歌を歌うような場合は、接待行為に該当するため、風俗営業許可が必要となります。
風俗営業許可を取得せずにスナックを開業したい場合は、カラオケの使用方法について考えておいたほうがよいでしょう。
おしぼりや割りばしなどの消耗品
お客様にお渡しするおしぼりは、レンタルするケースが多くなっていますが、夏には冷やして、冬には温めて提供できるよう、おしぼりの温蔵庫や冷蔵庫なども必要になるかもしれません。
また、衛生面を考えて使い捨てのおしぼりを使用するケースも増えています。
そのほか、割りばしやペーパーナプキンなどの消耗品の準備も必要です。
スナックにおすすめの導入システム
スナックでは普通の飲食店にはないようなシステムが導入されており、これらは収益に大きく関わっています。
基本的に多くのスナックで取り入れられているシステムであるため、積極的に採用するとよいでしょう。
チャージ料金
スナックでは、席料として「チャージ料金」を設定するのが一般的です。
お通しやおつまみの料金を含むことが多く、時間制ではなく入店ごとに一律で発生します。
カウンター席中心のスナックにとって、安定的な収益源となる仕組みです。
料金設定は地域によって変動するため、周りのスナックがいくらぐらいで設定しているのか、事前に調査しておきましょう。
セット料金
一定時間ごとに飲み放題や軽食が可能になる「セット料金」を導入している店舗もあります。
料金体系が明確になることで、初めてのお客様でも安心して利用でき、集客面でのメリットが期待できます。
基本的にチャージ料金を導入していないスナックで、セット料金を採用しているようです。
ボトルキープ
スナックの代表的なシステムの一つが「ボトルキープ」です。
お客様が購入したボトルを店側で預かり、次回以降も同じボトルを楽しめる仕組みで、常連客の定着に効果的です。
また、1本あたりの単価が高いため、売り上げアップに直結しやすい点も魅力といえるでしょう。
カラオケ料金
カラオケ設備を設置しているスナックでは、1曲ごとまたは一定時間ごとにカラオケ料金を設定している場合があります。
お酒と会話に加え、カラオケを楽しめる空間は、スナックならではの魅力の一つです。
スナックの開業に必要な届出や資格
スナックを開業する際には、届出や資格などの準備も必要です。スナック開業時に必要な届出や資格をご紹介します。
食品衛生責任者資格
スナックは、お客様にお酒や食べ物を提供する飲食店です。そのため、スナックを開業する際には店舗に一人、必ず食品衛生責任者を置かなければなりません。
食品衛生責任者は、各都道府県に設置されている食品衛生協会が主催する講習会を受講することで取得できます。
また、会場での研修だけでなく、eラーニングでの受講も認められています。
飲食店営業許可を取得する際には必ず食品衛生責任者の資格が必要になるため、スナックを開業する場合は早めに食品衛生責任者の資格を取得しておきましょう。
飲食店営業許可
飲食店営業許可もスナック開業時に必ず必要なものです。
飲食店営業許可を取得するためには、お店が施設基準を満たしていなければなりません。
そのため、内装工事が完了した後に飲食店営業許可の申請をしても、施設基準に合致していない場合、工事のやり直しが発生します。
したがって、飲食店営業許可の申請をする際には、工事を開始する前に、設計図が届いた時点で保健所や自治体の衛生科などに相談をすることが大切です。
相談後に工事を開始し、工事完了の10日くらい前には申請書類を提出しましょう。
申請に必要なものは次のとおりです。
・営業許可申請書
・施設の構造及び設備を示す図面
・水質検査の結果を証する書類の写し(水道水、専用水道、簡易専用水道以外の水を使用する場合)
・許可申請手数料
・食品衛生責任者の資格を証明するもの
・法人としてスナックを開く場合は法人の登記事項証明書
申請後に、調査日程を相談し、実地調査・審査が行われます。その結果、問題がなかった場合に営業許可証が交付されます。
防火管理者
スタッフを含め、30人以上の収容人数のスナックを開業する際には防火管理者の配置が必要です。
防火管理者の資格は、1日または2日の講習を受けることで取得できます。
防火対象物使用開始届
スナックは、不特定多数の人が利用するため、特定防火対象物に該当します。
そのため、スナック開業時には、防火対象物使用開始届を管轄の消防署に届出をしなければなりません。
防火対象物使用開始届の提出期限は、スナックを開業する日の7日前までです。
提出時には、建物の平面図や立面図、断面図、室内仕上表、建具表などの添付が必要になります。
風俗営業許可
お客様と一緒にカラオケを歌ったり、お客様の隣に座ってお酒を注いだり、接待を伴う接客をするスナックを営む場合は、風俗営業許可を取得しなければなりません。
風俗営業許可を取得するために必要なものは次のとおりです。
・許可申請書
・営業の方法を記載した書類
・営業所に係る賃貸借契約書(使用承諾書)及び建物に係る登記事項証明書等
・営業所の平面図及び営業所の周囲の略図
・営業者の本籍記載の住民票の写し、市区町村長の身分証明書、誓約書
・管理者の写真2枚
・申請手数料
風俗営業許可は、管轄の警察署に申請します。
申請書の受理後、審査と調査が行われ、問題がない場合に許可証が発行されます。
許可が下りるまでには55日程度の時間がかかるため、スナックを開業する際には余裕を持って申請することが大切です。
深夜酒類提供飲食店営業開始届
午前0時を過ぎてもお酒を提供したい場合には、深夜酒類提供飲食店営業開始届を開業の10日前までに提出しなければなりません。
深夜酒類提供飲食店営業開始届は、管轄の警察署に提出する書類です。
接待を伴う接客が可能になる風俗営業許可を取得する場合は、深夜0時を過ぎてアルコールを提供することはできません。
また、深夜酒類提供飲食店営業開始届を出して営業する場合には、接待は禁じられています。
そのため、スナックを開業する際には、どのような営業スタイルのお店にするのかを十分に考えたうえで許可申請や届出を行うことが大切です。
特定遊興飲食店営業許可
カラオケを設置するスナックを開業予定の場合は、特定遊興飲食店営業許可の取得が必要になるケースもあります。
特定遊興飲食店営業許可は、次の条件をすべて満たす場合に必要となる許可です。
・深夜(午前0時から午前6時まで)営業をする場合
・お客様に遊興させる場合
・お客様にお酒を提供する場合
スナックにおけるカラオケの場合、お客様に歌うようすすめたり、お客様の歌に合わせて合いの手を入れたりといった盛り上げるための行為は遊興に該当すると考えられます。
したがって、午前0時を過ぎてお酒を提供しながら、お客様にカラオケをすすめる場合には、特定遊興飲食店営業許可の申請が必要になります。
しかしながら、午前0時以降でもお客様が自らカラオケを歌う場合で、お店からカラオケをすすめたり、盛り上げるような行為をしたりすることがなければ、深夜酒類提供飲食店営業開始届のみで営業が可能です。
特定遊興飲食店営業の申請をする際に必要なものは次のとおりです。
・許可申請書
・営業の方法を記した書類
・営業所に係る賃貸借契約書(使用承諾書)及び建物に係る登記事項証明書等
・営業所の平面図及び営業所の周囲の略図
・営業者の本籍記載の住民票の写し、市区町村長の身分証明書、誓約書
・管理者の本籍地記載の住民票、市区町村長の身分証明書、誓約書
・管理者の写真2枚
・申請手数料
開業届
スナックを開業する際には、税務署に開業届を提出する必要があります。開業届の提出期限は、開業から1か月以内です。
また、スナックの開業から2か月以内に青色申告承認申請書も提出すると、確定申告の際に青色申告控除が利用できるようになります。
青色申告の場合、申告方法が複雑にはなるものの最大で65万円の所得控除を受けられるため、節税につながる可能性があります。
スナックの開業届を提出する際には、青色申告の届出も同時に行うとよいでしょう。
スナック開業に利用できる助成金
助成金は原則として返済義務がないため、利用できる場合は積極的に活用したい制度です。
ただし、助成金は多くの場合「後払い」となるため、開業前の資金として直接活用することが難しい点に注意が必要です。
また、スナックは「風俗営業」に該当するため、対象外となる助成金も多く、利用できる制度が限られてしまいます。
国や自治体によっては定期的に新たな助成金制度が公募されており、条件を満たせば活用できるケースもあります。
該当する制度を見逃さないためにも、次のような情報収集を心がけましょう。
・自治体の公式ホームページを定期的に確認する
・最寄りの商工会議所・商工会に相談する
・すでにスナックを開業している知人から情報をもらう
なお、助成金ではありませんが、「日本政策金融公庫」の融資制度は、開業前の資金調達手段として有力です。スナックは飲食店営業に区分されるため、融資対象業種に含まれています。
以下のような特徴があり、特に個人事業主の開業時には心強い選択肢となります。
・無担保・無保証人での融資が可能(※一定の条件あり)
・民間金融機関に比べて低金利
・長期での返済が可能
開業計画書や収支予測などの書類準備が必要になりますが、きちんと準備をすればスナック開業に向けた資金確保につながるでしょう。
スナック開業までの流れ8ステップ
スナック開業までは主に8ステップあります。
それぞれ詳しく解説します。
1. コンセプトを決める
スナックを開業するにあたって、最初に取り組むべきなのがコンセプトの設定です。
コンセプトを明確にすることで、ターゲットとなる顧客層や集客方法、価格設定、さらには競合店との差別化戦略まで、店舗運営全体の方向性が定まりやすくなります。
たとえば、「昭和レトロ風スナック」「ラグジュアリー志向のスナック」「ママのキャラクターを前面に打ち出したスナック」など、スタイルや雰囲気に応じたさまざまなコンセプトが考えられます。
2. 開業資金の準備
コンセプトが固まったら、次は開業資金の準備に取りかかりましょう。
すでに自己資金の目処が立っている場合は問題ありませんが、一般的にスナックの開業にはおおよそ500万円前後の資金が必要とされています。
物件取得費や内装工事費、備品購入、各種申請費用などが主な内訳です。
また、立地や店舗規模によっては、500万円を超えるケースも珍しくありません。
自己資金だけでまかなうのが難しい場合は、助成金や補助金を活用したり、日本政策金融公庫から低金利で融資を受けたりする方法も検討しましょう。
ほかにも、知人や親族から融資してもらう方法や、クラウドファンディングを活用するのもおすすめです。
事前に資金計画をしっかり立てることで、開業後の運転資金も含めて、安定したスタートを切ることができるでしょう。
関連記事:スナックの開業資金はどのくらい?資金調達法や開業までの8つのステップをご紹介
3. 立地・物件選び
コンセプトが定まり、資金の目処が立ったら、次は立地と物件の選定に進みましょう。
スナックの成功には、立地と物件選びが非常に重要な要素となります。
いくら魅力的な店舗を作っても、ターゲットとなる顧客層が集まりにくいエリアでは、十分な集客が見込めません。
たとえば、会社帰りのビジネスパーソンをターゲットとする場合は、オフィス街や駅近エリアが好ましい一方、地元の常連客を狙う場合は、住宅街に近いエリアも有効です。
また、物件の所在するビル内に競合店舗が密集していないか、治安や周辺環境に問題がないかといった点もあらかじめ調査しておくことが大切です。
ターゲットとする顧客層にとって「通いやすく、入りやすい」立地かどうかをしっかり見極めたうえで、物件契約に進みましょう。
4. 開業に必要な資格・許可を得る
スナックを開業するには、いくつかの資格や許認可、届出が必要です。
これらは営業を行ううえで法的に義務づけられており、未取得のまま営業を開始すると、罰則や営業停止といった重大なトラブルにつながるおそれがあります。
必要な手続きには申請期間や講習日程が定められているものもあるため、開業スケジュールを逆算して、余裕を持って準備することが重要です。
5. 内装工事
コンセプトを決め、物件を選定し、契約を結んだら内装工事を進めなければなりません。内装によってお店の雰囲気は大きく変わります。
そのため、自分が開きたいスナックのイメージに合った内装デザインを採用するようにしましょう。
ただし、図面が出来上がった時点で保健所に相談し、飲食店営業許可の申請に支障がないかを確認しておくことが大切です。
また、自分のお店を持つからには内装にこだわりたいという方も少なくないでしょう。
しかし、内装にこだわりすぎるとその分、工事の費用も高額になります。
開業資金の予算も考慮し、工事の業者とも相談しながら、こだわる点にはこだわり、妥協できる点は妥協するなどして、バランスをみながらデザインを決めるようにしましょう。
6. 仕入れ先の確保
スナックで提供するお酒やおつまみ、おしぼりなどの仕入れ先も決めておかなければなりません。
価格はもちろん、お店に置きたいものを取り揃えているか、小ロットでの注文にも対応しているか、注文から配達までどの程度の時間がかかるかなど、サービスの内容についても確認が必要です。
複数業者のサービス内容を比較し、検討するとよいでしょう。
7. スタッフの確保と教育
スナック開業にあたってスタッフを募集する場合には、人材募集の活動も必要です。
求人サイトなどに広告を出すなどして、オープンまでに人材を確保しましょう。
また、スナックのような水商売で働いた経験がない人を採用する場合には、基本的な挨拶や接客の方法などを教育する必要もあります。
そのほか、お店のコンセプトを説明し、接待が必要になるのか、接待は不要なのか、しっかりルールを伝えることも大切です。
8. 開業
ステップ7までの準備が整ったら、いよいよ開業です。
ただし、開業はゴールではなくスタートに過ぎません。店舗を継続的に成長させるためには、開業後の集客活動が非常に重要です。
特に、オープン初期はお店の存在を知ってもらうことが第一の課題となるため、開業前から積極的に宣伝を行うことが成功の鍵となります。
具体的には、次のような手段を組み合わせてマーケティングを展開しましょう。
・地域密着型のチラシ配布やポスティング
・InstagramやX(旧Twitter)などSNSを活用した情報発信
・Googleビジネスプロフィールの登録
・地元の口コミ・紹介による集客
・地域イベントやオープニングキャンペーンの実施
「できることはすべてやる」という意識で、開業当初から積極的に行動を起こすことが、スムーズな経営につながります。
まとめ
スナックを開業するには、資格取得や各種届出・許可の申請などが必要です。
さらに、コンセプトの設定、開業資金の準備、物件選び、集客計画など、事前に取り組むべき事項が多岐にわたります。
スムーズに開業を迎えるためには、開業予定日から逆算して計画的にスケジュールを立てることが大切です。
スナックは、小規模で始められる点や高い利益率といった特徴から、飲食業が初めての方でもチャレンジしやすい業態です。
しっかりと準備を整え、自分らしいお店づくりに取り組んでいきましょう。
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