キャバ嬢として働いていると、仕事のために支払いが発生します。実は、仕事に関係する支出は、確定申告の際に経費として申告することができるのです。経費として扱えるようになれば、納税額を抑えられ、節税につながります。
しかし、経費として申告する際には領収書が必要です。では、どのような支出の領収証を保管しておけばよいのでしょうか。
今回は、キャバ嬢が知っておきたい領収書の重要性と確定申告についてご説明します。
キャバ嬢が保管すべき領収書とは
領収書とは、お金を支払ったことを証明する書類です。例えば、コンビニで飲み物を買ったときにお店から発行されるレシートも領収書として扱うことができます。
キャバ嬢の方が保管すべき領収書は、キャバ嬢としての仕事に関連する支払いを行った場合に受け取った領収書です。具体的には、次のような支出があった場合には領収書を捨てずに保管しておきましょう。
お店で着用する衣装代
お店で着用するドレスを購入した場合、ドレスの購入代金は経費として扱えます。常連のお客様も多いため、いつも同じドレスを着用するわけにはいかず、数着のドレスを所有している方も多いでしょう。仕事用のドレスは、キャバ嬢として働くうえで必須のものであり、購入費用を経費として取り扱うことができます。したがって、ドレスの購入日や購入代金が書かれている領収書は捨てずに保管しておきましょう。
ただし、プライベートな時間に着用する洋服や出勤時に着用する洋服などの領収書を保管しておいても、経費としては計上できません。
ヘアメイクやセルフメイクにかかる費用
出勤前に美容室でヘアメイクをしてもらっている場合のヘアメイク代、ネイルサロンでの代金、仕事用のメイクをするために購入したメイク用品の購入代金などは経費計上が可能です。領収書を必ず保管しておくようにしましょう。
ただし、プライベートで使用するメイク用品の購入費用は経費としては計上できません。仕事用とプライベート用と分けて購入し、仕事のために購入したメイク用品の領収書を保管するようにしておくとよいでしょう。
交通費
出勤時の交通費や仕事を終えてから帰宅する際の交通費も必要経費として認められます。電車やバスなどの場合は領収書が発行されないため、出勤日や利用した路線などを記録しておくようにしましょう。また、キャバ嬢としての仕事を終えた頃は時間が遅くなっているため、公共交通機関では帰宅できない場合もあります。そのような場合に利用したタクシー代も経費計上が可能です。タクシー利用時にはしっかり領収書を受け取り、保管しておくことを忘れないようにしましょう。
仕事用の携帯電話料金
キャバ嬢の方は、お客様に営業電話をかけることも多いはずであり、通話料金も高くなりがちです。仕事専用の携帯を持っている場合、携帯電話料金も経費として計上できます。仕事とプライベートの携帯を分けていない場合は、仕事で使った分だけを経費として計上することが可能です。
携帯電話料金は毎月の料金明細なども保管し、料金が分かるようにしておきましょう。
プレゼント代などの交際費
キャバ嬢は、お客様の誕生日にプレゼントを用意したり、食事に誘ったりするケースが少なくありません。プレゼントの購入費用や食事の費用なども、仕事のために発生した支出であると考えられるため、経費として計上が可能です。
領収書を保管する際には、誰と食事に行ったのか、誰にあげたプレゼントなのかが分かるようにメモも付け加えておくとよいでしょう。
キャバ嬢が領収書を保管すべき理由
キャバ嬢が領収書を保管すべき理由は、確定申告の際には、領収書が支払った費用の証明になるからです。しかし、キャバ嬢として働いている方の中には確定申告をしていない方もいらっしゃるかもしれません。
確定申告とは
確定申告とは、1年間に得た所得にかかる所得税の額を計算し、納税をする手続きのことです。どんな仕事をしている場合であっても一定以上の報酬を得ている場合、納税をしなければなりません。
会社員として勤務している場合は、給与や賞与から所得税や住民税が差し引かれ、会社が従業員に変わって納税をしています。そのため、会社員は確定申告をする必要がありません。しかし、会社の社員として勤務していない人は、1年間の所得額を計算して、確定申告を行い、納税をしなければならないのです。
確定申告が必要なキャバ嬢と不要なキャバ嬢
キャバ嬢として働く人が全員、確定申告をしなければならないわけではありません。例えば、お店と雇用契約を結び、給与として報酬を受け取っている人は年間の給与が2,000万円を超えない限り、確定申告は不要です。
しかし、キャバクラではキャバ嬢として働く女性とお店側が雇用契約を結ぶケースは多くありません。ほとんどの場合、キャバ嬢個人に業務を委託するという形で仕事を依頼しているのです。お店の従業員としてではなく、キャバ嬢として働いている方は、1年間に48万円以上の所得を得ている場合、確定申告が必要になります。
また、会社員の人が副業として夜だけキャバ嬢として働いている場合は、キャバ嬢を含め、給与以外に年間20万円以上のお金を得ている場合に確定申告が必要です。
領収書が節税につながる理由
確定申告では、1年間の所得を計算して、所得に応じた税金を納めます。所得とは、収入から必要経費を差し引いた額です。キャバ嬢を本業として、お店とは雇用契約を結ばずに働いている方の場合を例に考えてみましょう。
まず、収入はお店から支払われる報酬です。1年間の報酬額を合計した額がその年の収入となります。また、必要経費とは、前述したようにキャバ嬢として働くうえで必要になった支出のことです。
所得は、収入から経費を差し引いた金額です。そして、所得税は所得額に所定の税率をかけて算出をします。このとき、支出を経費として差し引く場合、支払いを証明する書類が領収書なのです。領収書があれば、キャバ嬢の仕事のために支払った支出を経費として収入から除き、所得額を算出できます。
収入が600万円あった場合、領収書を保管しておらず、経費として計上できる金額が分からない場合、600万円に対して所得税が課せられます。しかし、領収書をしっかり保管しており、領収書の合計金額が100万円だった場合、税金は経費を引いた500万円に対して課せられることになるのです。
所得額が100万円異なれば、当然、納めるべき税額にも差が生じます。経費をしっかり計上し、収入から経費を差し引いた場合の方が、納める税金の額は低くなるのです。
領収書をなくしてしまった場合はどうすればよい?
領収書を紛失してしまった場合でも、経費の計上ができないわけではありません。例えば、電車やバスなどに乗る際に支払う運賃は、領収書が発行されないものの、経費計上が可能です。その場合は、公共交通機関を利用した日付、利用期間、金額などをメモに残しておきましょう。また、交通系ICカードを利用している場合は、利用明細書を領収書の代わりとして活用することも可能です。
また、お客様の誕生日プレゼントをクレジットカードで購入した場合は、領収書が無くてもクレジットカードの利用明細で代用ができます。
領収書の保管方法
確定申告をする際、領収証を元に経費を計上しますが、確定申告書に領収書を添付して提出しなければならないわけではありません。しかし、領収書は確定申告後も自宅などで保管しておく必要があります。
では、領収書はどのように保管しておけばよいのでしょうか。
紙の領収書の保管方法
お店で買い物をした場合は、紙の領収書やレシートが発行されるケースがほとんどです。紙の領収書は、確定申告の際に計算がしやすいように、月別に分けて保管しておくとよいでしょう。
データの領収書の保管方法
オンラインショッピングで衣装やプレゼントなどを購入した場合、PDFファイルなど、電子データで領収書が発行されるケースがあります。電子データで受け取った領収書は、2024年1月1日から電子データでの保存が義務付けられています。したがって、電子データの領収書はパソコンやスマホにファイルを作り、分かりやすいように保管しておきましょう。
キャバ嬢が確定申告をしないとどうなる?
確定申告は、申告期限が決められています。毎年、1月1日から12月31日までの1年間の所得をもとに申告書を作成し、翌年の2月16日から3月15日の間に最寄りの税務署に提出するのです。また、紙の書類を提出するのではなく、e-taxを利用すればパソコンやスマホから確定申告を行うこともできます。
確定申告の必要があるにもかかわらず、確定申告を行わなかった場合は、無申告の状態に該当します。キャバ嬢は、申告漏れが高額な業種として公表されるケースが多い職業です。そのため、正しく確定申告をしているかどうかを調べる税務調査の対象になりやすい職業として知られています。
万が一、確定申告をせず、税務調査で無申告を指摘された場合は、確定申告をしなかったことに対するペナルティとして無申告加算税が課されます。無申告加算税は不足分の税額に課せられるものです。無申告加算税の税率は、50万円未満の部分については15%、50万円超300万円以下の部分については20%、300万円超の部分については30%となります。加えて、納税が遅れたことに対するペナルティとして延滞税の納税も求められるため、確定申告をしない場合、本来の税金よりも多い額の税金を納めなければならなくなるのです。
必要以上に納税を求められることが無いよう、領収書をしっかり保管したうえで、期日内に確定申告は行うようにしましょう。
まとめ
キャバ嬢は、衣装を購入したりお客様に電話連絡を入れたり、プレゼントを購入したりと、
仕事のために負担しなければならない支出があります。これらの支出にかかった領収書をしっかり保管しておけば、確定申告時に経費を漏れなく計上できます。経費として計上できる額が増えれば、所得を圧縮できるため、無駄な税金を納めずに済み、節税が可能です。
また、確定申告の必要があるにもかかわらず確定申告を行っていない場合、税務調査で無申告状態が発覚し、ペナルティとして多額の納税を求められる可能性があります。領収書はしっかり保管をしたうえで、正しく確定申告を行うようにしましょう。
確定申告のやり方が分からない場合やこれまで確定申告をしてこなかった場合などは、早めに税理士に相談することをおすすめします。
免責事項
当ブログのコンテンツ・情報について、できる限り正確な情報を提供するように努めておりますが、正確性や安全性を保証するものではありません。当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。