スナックは、比較的小さな規模でお酒を提供するお店です。スナックでは、ママや働く女性キャストとの会話を楽しみに店を訪れるお客様が多く、アットホームな雰囲気が魅力となっています。キャバクラのように派手な内装や大勢のキャストを抱える必要がないため、開業費や人件費などの経費を低く抑えられることから、スナック経営は利益率の高いビジネスモデルだと言われています。では、スナックを開業する場合、オーナーの取り分やママの年収はどのくらいになるのでしょうか。
今回は、スナックオーナーの取り分やママの年収の決め方などについてご説明します。
スナックのオーナーママと雇われママ
スナックのママとは、お店全体を管理する人のことであり、お店の責任者となる人です。スナックのママは、お酒などの仕入れから接客、キャストの教育、売上管理など、幅広い業務に対応します。ママとの会話を楽しみにお店を訪れるお客様も多く、ママの雰囲気や力量によってお店の客層や雰囲気、売上も変わってくるでしょう。
お店の顔ともなるママですが、スナックには女性オーナーが自らママとなり店舗に立つ場合と、オーナーは店舗には立たずに雇い入れたママに管理を任せる場合の2パターンがあります。
スナックオーナーの取り分はお店のスタイルによって変わる
スナックオーナーの取り分は、オーナー自身がママになるのか、ママを雇用するのかによって変わります。それぞれの場合のオーナーの取り分についてご説明しましょう。
スナックの利益率と売上の目安
日本政策金融公庫の業種別経営指標を見ると、スナックの売上高総利益率の平均は83.4%です。売上高総利益率とは、粗利率とも呼ばれるもので、数字が大きいほど効率よく利益を出していると考えられます。
また、店舗面積3.3㎡あたりの売上高は平均、1,911,000円となっています。したがって8坪(26.4㎡)程度のスナックを経営する場合の売上高は年間、約1,529万円となるでしょう。売上高総利益率が83.4%であるため、売上から原価を引いた額は約1,275万円と計算できます。
スナックのオーナーがママの場合の取り分
上の例をオーナー自身がママとして、お店に立ち、他のキャストを雇用しない場合は1,275万円から高熱費やテナント料などを差し引いた額が、そのままオーナーの取り分となります。もちろん、スナック開業の際に開業資金の借入を行っている場合などは、その中から返済を行う必要があります。しかし、オーナーママの場合は、お店の利益のほとんどを自身の取り分とすることができるのです。
ママを雇い入れる場合のオーナーの取り分
オーナーがママになるのではなく、ママを雇い入れ、スナックを経営する場合には、ママに支払う給料も考えなければなりません。したがって、オーナーがママのお店に比べれば、ママを雇い入れるスナックの場合、オーナーの取り分は低くなります。
ママを雇う場合のスナックオーナーの取り分は、ママへ支払う給料の額によって変わってきます。では、ママの年収はどの程度支払うことになるのでしょうか。
スナックのママの年収の決め方
スナックのオーナーとママが別の人物の場合、ママの年収は次のような方法で決定することが多くなります。
ママの給与システムには3パターン
ママを雇う場合、さまざまな方法で給与の計算が行われていますが、次の3つの方法で支給額を決定していることが多いようです。
・月給制
・月給制+歩合制
・時給制
月給制のスナックママの年収
月給制は、働いた時間や売上に関わらず、毎月、一律の金額を支払う方法です。お店のある地域や規模によっても月給は変わりますが、だいたい30~50万円程度が多いようです。この場合、ママに支払う年収は360~600万円程度になります。
月給制+歩合制のスナックママの年収
月給制の場合、売上が悪い月でも安定した収入を得られますが、どんなに頑張っても同じ金額しかもらえないために、モチベーションが上がらないケースもあります。そのため、頑張って売上を上げていきたいと考えるような女性にママを任せたい場合は、売上額に応じてインセンティブを支給する歩合制を取り入れた給与システムの方が向いているかもしれません。売上が上がれば、ママの年収もアップしますが、その分お店の売上も上がるためオーナーの取り分も増えるでしょう。ナイトワークの経験が豊富にある人など、実力のあるママの場合は、歩合の割合を増やした方がやる気を引き出せる可能性があります。
時給制のスナックママの年収
ナイトワークの経験があまり多くない場合など、ママとしての実力が図れない場合は、まずは時給制で働いた時間分だけの給料を支給する場合もあるようです。スナックママの時給は、1,500~2,500円程度に設定されていることが多く、勤務時間数にもよりますが、8時間勤務とした場合、ママの年収は300~550万程度となるでしょう。
スナックの売上アップのためにできること
スナックの売上が高くなれば、当然、オーナーの取り分も増えることになります。オーナーがママの場合は、お店の利益がオーナーの取り分に直結するため、オーナーの取り分を増やしたいのであればオーナー自らがママになった方が良いと思うかもしれません。
しかし、オーナーにナイトワークの経験があまりない場合などは、経験豊富なママを雇用した方がお店の売上が上がり、結果としてオーナーの収入アップにつながる可能性もあります。
気配りとコミュニケーション上手が売上アップに
スナックは、ただお酒を飲みに来る場所ではなく、ママとの会話を楽しみに来る場所でもあります。常連のお客様にとって、スナックはリラックスし、くつろぎながらお酒を楽しめる空間です。常連のお客様も初めてのお客様も、お互いが快適に過ごせるように、ママは細やかな気配りをし、お店全体の良い雰囲気を作り出さなければなりません。
また、お客様にまた来たいと思ってもらうためには、お酒の好みや会話の内容などもしっかり把握し、快適に過ごせるような気配りが求められます。常連のお客様が増えるお店ほど、安定した売上を維持できるようになるのです。
オリジナルメニューの提供も効果的
スナックの客層は、中高年の男性が中心です。そのため、お客様の中には、お酒と一緒に家庭的なおつまみや軽食を食べたいと思う人もいます。家庭的な雰囲気の煮物やポテトサラダ、焼きうどんなど、簡単に準備ができるような食べ物のメニューを準備しておくと、他店との差別化につながる可能性もあります。
おつまみが美味しいと、お酒も進み、客単価のアップも期待できます。
まとめ
スナックのオーナーの取り分は、オーナーがママとして経営するのか、ママを雇い入れるのかによって変わってきます。ママがオーナーのスナックの場合、お店の利益がオーナーの取り分に直結します。一方、ママを雇い入れる場合、ママの年収によってオーナーの取り分も変わってきます。
ママを雇う場合には、経験豊富な実力のある人を雇用したい場合には歩合制を導入し、初めてママに挑戦しようとしている人などを雇用したい場合には固定給で募集をすると良いでしょう。
いずれにしろ、ママの接客の手腕がスナックの売上を左右します。ご自身がママになる場合もママを雇う場合も、お客様が快適に過ごせる空間づくりを徹底し、常連のお客様に長く愛されるお店を目指しましょう。
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