経理とは、会社やお店のお金を管理する業務のことです。キャバクラを経営するうえでも、日々の売上や支出の状況を管理する経理の業務は欠かせません。
一般的に、経理の業務には専門的な知識が必要になりますが、1店舗だけを経営している場合やまだ売上額が小さいキャバクラを経営している場合などは、オーナー自身が経理を担当しているケースも少なくないでしょう。しかし、経理は税金の申告にも大きく関わる業務であり、誤った知識で経理処理を行った場合、税務署から脱税を指摘される恐れもあります。
では、キャバクラの経理業務は誰に任せるべきなのでしょうか。

 

キャバクラの経理業務とは

キャバクラのように店舗運営をする場合、経理には次のような業務が必要になります。

 

帳簿の記帳

日々の売上金額やお酒などの仕入れにかかった金額、キャストに支払う報酬額、備品の購入金額、家賃の支払額、光熱費の支払額などを帳簿に記入する業務です。帳簿の記帳は、お店の経営状況を示す基礎となる重要な仕事であり、帳簿は確定申告に大きく関係する業務でもあります。

 

決算書の作成

決算には月次決算と年次決算があります。決算とは、一定期間のお店の売上や支出、負債などを計算し、損益の状況をまとめる作業です。月次決算は1ヶ月ごとのお店の損益状況を計算する作業であり、年次決算は1年分の損益状況を決算する作業です。
決算書とは、決算の結果を示した書類のことであり、青色申告をする際には決算書の提出も必要になります。

 

確定申告

確定申告とは、1年間に得た収入から経費などの支出を差し引き、1年の所得を確定させ、所得に応じた税金を納税する一連の手続きを言います。個人事業主としてキャバクラを経営している場合は、1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得を計算し、所得額に応じた所得税や住民税の納税を行います。個人事業主の確定申告の期間は、翌年の2月16日から3月15日までの間です。
一方、会社を設立し、法人としてキャバクラを経営している場合には、法人が定めた事業年度に合わせて1年間の法人所得を計算し、法人税や法人住民税などの納付を行います。法人の確定申告の期限は事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内です。
個人事業主の場合も法人の場合も、確定申告の期限が税金の納付期限となります。

 

キャバクラ経営で経理が重要な理由とは

一定の所得を得ている個人や法人は、納税の義務があります。しかし、中には確定申告についての正しい知識を持っていないために、正しく納税ができていない場合があります。
税務署では、納税義務のある個人や法人に対し、正しく確定申告を行い、納税を行っているかについて調べる税務調査を実施します。税務調査の対象となった場合、調査官がお店や事務所を訪れ、帳簿などを細かくチェックし、確定申告の内容に問題がないかどうかのチェックを行います。万が一、確定申告の内容に不備があり、納税額が不足していた場合には、不足分の税金に加え、ペナルティ分の税金を加算した額の納税が求められます。
実は、キャバクラなどの水商売の業種は、確定申告をしていなかったり、申告額が少なかったりといったケースが多く、税務調査の対象となる可能性が高い業種として知られています。
正しく確定申告をするためには、日々の経理処理が正しく行われていなければなりません。記帳の内容に誤りがあったり、不備があったりすれば、当然、帳簿の情報を基に作成する決算書の内容にも不備が生じ、納税額にも誤りが生じる可能性が高くなります。
また、経理処理に誤りがあれば、正しい決算書も作成できないため、お店の経営状況も正確に把握できません。安定した経営を実現するためにも、経理は非常に重要な役割を果たします。

 

キャバクラの経理は誰に任せる?

キャバクラ経営における経理の重要性についてご説明してきました。では、キャバクラでは経理は誰が担当すべきなのでしょうか。キャバクラで経理を担当できると想定されるパターンは次の3つです。

 

オーナーが経理を行う

お店をオープンしてから間もない場合や売上がそれほど大きくない場合などは、オーナーが経理業務を担当しても良いでしょう。ただし、経理に関する知識がない場合は、ある程度の勉強も必要になるため、オーナーの負担が大きくなる可能性があります。また、売上が順調に増加している場合などは、専門家への依頼を検討した方が良いケースもあります。
しかし、お店の売上をアップさせるためには、オーナーとして売上や支出の状況を数字で正しく把握することが大切です。経理を専門家に依頼する場合であっても、必要最低限の経理の知識は身に付けておいた方が良いでしょう。

 

経理担当者を採用する

人件費はかかりますが、経理業務の実務経験者を採用する方法もあります。複数店舗のキャバクラを経営する場合などは、オーナー1人による全店舗の経理処理は難しくなるでしょう。その場合、経理担当者の雇用を検討した方が良いかもしれません。
しかし、経理の実務経験を持つ人材は非常に希少であり、一般企業でも経理担当者の採用には苦労している現実があります。そのため経理担当者の募集をしても、業務全般を任せられる実務経験者の採用は難しい可能性があることを覚えておいた方が良いでしょう。

 

税理士に依頼する

税理士は、税の専門家であり、税金の申告に関わる経理処理の代行も行っています。税理士に経理処理を依頼すれば、オーナーは経営に集中できるようになります。また、ミスのない正しい処理ができるようになるため、経営の状況も把握しやすくなるでしょう。さらに、決算書や確定申告書の作成も依頼でき、節税についてのアドバイスも受けられます。万が一、税務調査の対象になった場合でも、税理士に対応を依頼できるため安心です。
しかしながら、税理士に依頼する場合は費用が発生します。税理士費用を抑えたい場合には、日々の記帳はオーナーが行い、確定申告書の作成のみを税理士に依頼するなど、一部の業務のみを依頼すると良いでしょう。

 

まとめ

経理は会社のお金を管理することであり、経営の基本でもあります。一般企業と同様に、キャバクラ経営でも経理は非常に重要な業務です。
経理処理を正しく行えなければ、経営状況を把握できず、利益を高める戦略を練ることもできません。また、杜撰な経理処理は確定申告にも影響を与えます。税務調査の対象となれば、過去にさかのぼって売上の状況などを細かくチェックされます。数年にわたって誤った経理処理を続けてきたような場合、不足分の税金だけでなく、誤った確定申告を行ってきたことや納税が遅れたことに対するペナルティ分を加えた多額の納税を求められる可能性があります。追徴課税分は分割できず、一括での支払いが求められるためキャバクラの経営にも影響を与える恐れも出てくるでしょう。
追徴課税を避けるためにも正しい経理処理が難しい場合は、キャバクラ等の事情に詳しい税理士への相談をおすすめします。

 

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