女性がバーテンダーとなってアルコールを提供するガールズバーは、お客様も気軽に訪れやすく、女性も気軽に働きやすいことから人気の高い営業形態です。しかしながら、全てのガールズバーの経営がうまくいっているわけではありません。ガールズバーの中にも経営不振に陥るお店や閉店せざるを得ない状況になっているお店もあります。実は、経営に失敗するガールズバーには共通点があり、失敗にはいくつかのパターンがあることをご存じでしょうか。
今回は、これからガールズバーを開業したいと考えている方のために、ガールズバーの経営のよくある失敗パターンや成功するためのポイントについてご説明します。
ガールズバー経営の5つの失敗パターン
ガールズバーの経営に失敗するパターンは、主に次の5つの原因に分けられます。
事業計画が甘かった
ガールズバーに限らず、経営を続けるためには利益を確保し続けなければなりません。利益は、収入から支出を引くことで計算します。ガールズバーの経営を始める際には、物件取得費用や店舗の内装工事費用、厨房設備費の導入費用、グラス等の食器の購入費用などの初期費用が発生するはずです。また、テナントの賃貸料やバーテンダーなどのスタッフに支払う外注費、水道光熱費、仕入れ費用は毎月発生します。
経営を成り立たせるためには、初期費用と毎月支払いが発生する費用を考慮したうえで、その支出をカバーできるだけの売上を出さなければなりません。内装工事費に高額な支出をしても、料金設定を低く抑えすぎれば、お客様が入っても一人当たりの単価が低く、十分な利益を得られないでしょう。また、お客様がそれほど入らないにもかかわらず、出勤するスタッフの数が多すぎれば外注費がかさみ、赤字となってしまいます。赤字が続けば、スタッフへの給与の支払いも難しくなり、閉店せざるを得なってしまうのです。
出店するエリアを見誤った
飲食店の多くは、出店する場所によって集客力が大きく変わってきます。良い店であってもアクセスが悪ければ、ほかにはない特別な魅力を持つ店でない限り、経営は難しくなってしまうのです。
ライバル店は少なくても駅から離れている場所にあれば、アクセスしにくく集客に苦労する可能性が高くなります。また、駅から近い場所でもすぐ近くに人気店がいくつもあるような場所であれば、他店と何らかの差別を打ち出さない限り、お客様を集めるのが難しくなる可能性もあるでしょう。ガールズバーの経営失敗の原因には、出店場所の問題が関連しているケースが少なくありません。
法律を遵守せず、風営法違反で摘発された
ガールズバーの経営で失敗するパターンの1つに法令違反があります。ガールズバーは、バーとして営業するのであれば、深夜酒類提供飲食店営業の届出をすることで深夜まで営業が可能です。しかし、キャバクラのようにお客様の横に座ってお酒を注いだり、いっしょにカラオケを歌ったりといった接待を伴う接客はできません。接待を伴う接客をするのであれば風俗営業許可を取得する必要がありますが、風俗営業許可を取得した場合、深夜0時を超えて営業することはできないというルールがあります。
ガールズバーの中には、ライバル店との差別化のために、接待を伴う接客を提供しているところがあるのも事実です。風俗営業許可を取得しているのであれば何も問題はありませんが、許可を取らずに接待行為をしていたり、許可を取ってはいるものの深夜まで営業をしていたりというケースがあります。法律に違反した営業をしている場合、噂は広がり警察の耳に入ることとなります。警察に摘発され、閉店するガールズバーは後を絶ちません。
脱税が発覚し、経営の継続が難しくなった
ガールズバーの経営者の中には、確定申告を正しく行っていないケースもあります。人件費や外注費を水増ししたり、売上を過少に申告したり、納税額を不正に少なく見せかけている事実が発覚すれば、正しい額の税金に加え、ペナルティ分の税金の納付も求められます。
追徴課税分は一括納付が求められるため、資金の余裕がなければ資金繰りが悪化し、ガールズバーの経営継続は難しくなるでしょう。
質の良い人材を確保できなかった
ガールズバーの経営に失敗する原因には、人材面の問題も関係します。ガールズバーはお客様を相手にした商売であり、お客様を満足させられるお店を作れなければ集客はできません。また、責任を持って仕事に取り組む姿勢がなく、頻繁に仕事を休む人や急に仕事を辞める人などがいれば、お店が回らず、他のスタッフにも悪い影響を与えます。シフト調整が難しくなれば十分な接客もできなくなり、客足が遠のき、経営難に陥る可能性があります。
ガールズバー経営を成功させるためのポイントとは
ガールズバー経営のよくある失敗パターンをご紹介しました。経営の失敗パターンがはっきりとしていれば、成功のためにやるべき対策も明確です。
ガールズバー経営を成功させるためのポイントをご紹介します。
事業計画を綿密に立てる
ガールズバーを出店する際には、エリアの客層の特徴、ライバル店の状況なども調査したうえで、集客が見込めるエリアを選ぶべきです。また、家賃や光熱費、人件費など、月々の固定費を計算したうえで、どのくらいの客単価で何人くらいの集客をすれば、利益を出せるのかについても計算をしておきましょう。事前の事業計画をしっかり立てておけば、毎月の目標も設定しやすくなり、安定した経営ができるようになるはずです。
信頼できる人材の採用と教育
スタッフが急に休めば店が回らなくなり、突然、辞めてしまう人がいればシフトの調整に苦労します。ガールズバーの安定した経営には信頼できるスタッフの確保が欠かせません。応対がしっかりできるスタッフを採用し、接客マナーや働くうえでのルールなどについての教育を実施するなどの対策のほか、スタッフが気持ち良く働ける環境の整備にも力を入れるようにしましょう。
法律はしっかりと守る
せっかくガールズバーの経営が安定していても、法律を守らず、風営法違反や脱税の罪を犯してしまえば、継続した経営が難しくなる可能性があります。ガールズバーの経営に関するルールや納税の義務についてしっかりと理解し、法律を遵守したうえで経営をしましょう。法律面や税務面で不明なことがあれば、専門家に相談することをおすすめします。
まとめ
ガールズバーの経営に失敗してしまうケースのほとんどは、事業計画が杜撰だったことや良いスタッフに恵まれなかったこと、法のルールを遵守しなかったことに起因します。失敗パターンからは、成功するために必要な対策を見出すことができるはずです。
ガールズバーの経営を始める際には、事前にしっかりと計画を立て、必要な資格などを取得し、人材の教育なども行ったうえで万全の態勢でオープンを迎えるようにしましょう。
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